ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ファミリー・ツリー』

2012-04-23 23:17:00 | 新作映画
(英題:Descendants)


----この映画も、今年のアカデミー賞を賑わせた一本だよね。
なんとなく地味なドラマのイメージがあったけど。
「本命と言われた2本、
『アーティスト』『ヒューゴの不思議な発明』 がユニークな作品だったからね。
そんな中にあって、
この映画は、いわゆる日常の中のドラマだから、
そう見られても仕方がないかな」

----どうやら、ハワイを舞台にした映画みたいだけど…。
「うん。話はシンプル。
主人公は、ハワイ・オアフ島に生まれ育った弁護士のマット・キング(ジョージ・クルーニー)。
美しい妻とふたりの娘たちと何不自由なく暮らしていた彼だが、
ある日突然、ボートの事故で妻が昏睡状態に陥ってしまう。
仕事に明け暮れて家庭を顧みなかった彼は、
目が覚めたら、今度こそいい夫でいよう、
妻に贅沢させてやろう…と、あれこれ思いをめぐらすが…」

----ところが意識が戻らず…って話。
「それだけなら、
まあ、想像つかないでもないけど、
この映画の場合、
もはや妻に回復の見込みなく、
本人が望む尊厳死を無開けるしかないと分かった後に、
思わぬ事実が発覚してしまう。
なんと妻には恋人がいて、
マットとは離婚まで考えていたというんだ。
しかも、彼はその事実を
長女のアレクサンドラ(シャイリーン・ウッドリー)から知らされるからたまらない。
実は、このアレクサンドラ、
クリスマスに母と喧嘩して、以来、口をきいていなかった。
そのワケは、実はこのことにあったというんだね。
もはや、母とは仲直りさえできない。
一方のマットは、
妻がどんな思いで不倫をしていて、
相手は妻をどう思っていたのか、
知りたいことは山ほど出てくる。
さあ、ここからが、ジョージ・クルーニーの演技の見せどころ。
この事実を知っていた友人夫婦の元に走って向うときの、
お世辞にもカッコいいとは言えない、
町でよく見かけるようなオジサン走り。
あるいは、不倫相手の男を見つけ、
その家へ向った時の、
なかなか本題にを持ちこめない弱気ぶり。
いずれも、ジョージ・クルーニーがこれまで演じてきた
ダンディズムからはほど遠い」

----確かに。
ということは、これは彼の演技がいちばんのポイント。
「ぼくにはそうだったね。
そのマットをサポートする
長女のアレクサンドラも魅せてくれる。
真実を追求する探偵の助手といった感じ。
途中、マットも娘ということを忘れて頼り切っていたんじゃないかな。
ところが、そのアレクサンドラが、
最初は蓮っ葉に見えるところもオモシロい。
しかもアレクサンドラの彼氏シドがまた思慮に欠ける男で、
歯に衣着せず喋るものだから、
マットの義父スコット(ロバート・フォスター)に、
思い切り拳で殴られ、目に痣を作ってしまう」

----ロバート・フォスターって
『ジャッキー・ブラウン』の人だよね。
懐かしいなあ。
「懐かしいと言えば、
ボー・ブリッジス
マットのいとこの役で出ているよ。
実は、マットはもう一つ、
ハワイに所有している原野の売買という
大きな問題を抱えていて、
親族会議によってその結論を導こうとしていた。
この映画、実はとても後味がいい。
その理由は、
土地売買の問題も、マットの妻の問題をひも解く中で、
自然に正しい回答が導き出されること。
全編に流れるハワイアンも心地よく
ラストの余韻と共に
心に残る名作がまた一本生まれたという感じだね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「マットにはもうひとり娘がいるのニャ」身を乗り出す

アマラ・ミラー。こちらも子どもながら存在感ある度

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