ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ミッドナイト・イン・パリ』

2012-04-26 22:05:47 | 新作映画
(英題:Midnight in Paris)




「こういう何の驚きもない映画というのも、
ある意味いいよね。
安心して観ていられる」

----えっ?
これって
主人公が自分の憧れる1920年代のパリに行って、
歴史に名を残す著名な人たち、
ピカソやヘミングウェイなどと会うってお話でしょ。
十分に刺激的な気がするけど…。
「そうかなあ。
いま、フォーンが話したように、
ただそれだけのお話。
さして珍しいものとは思えない。
その行き先が、
おそらく監督のウディ・アレン自身も愛してやまない時代と
その場所を選んだってだけで、
そんなに目新しくもない気がする。
だれだって、そういうことは夢想しているはずだし…」

----確かにそうかもしれないけど、
でもそれを実際に映画化したところが
この映画のスゴイところでは…。
「うん。それはぼくもそうだと思うよ。
逆に言えばこの映画、
シンプルな物語だけに、
その再現に力を注いでいる。
有名人に扮したキャスティングもそうだし、
時代を再現する美術もそう。
ダリに扮したエイリアン・ブロディなんか、
もう笑うしかなかったものね」




----へぇ~っ。エイリアン・ブロディも出ているんだ。
「そう。
この映画は、その特徴の一つとして
おそらくこれまでウディ・アレン映画からは
縁遠かったと思われる人たちが
ずらり顔をそろえてるところ。
主人公の脚本化にはオーウェン・ウィルソン、
その婚約者にはレイチェル・マクアダムス。
しかも、マリヤン・コティヤールなんかまで出てくる。
で、実は、このことが巧く功を奏していて、
この映画、観ている間“ウディ・アレン”ということを
ほとんど忘れさせてくれる」

----それっていいことニャの?
「だと思うけどね。
ほら、身構えなくて済むじゃない。
でも、だからと言って彼らしさがないかと言えばそうでもない。
主人公が過去に行っている間、
現実世界で起こっていること、
これはウディ・アレン映画らしい
女性観が出ている気がしたね。
そうそう、女性と肩を並べて歩く時のロマンチシズムも
久しぶりに映画で味わった気がする。
ただ、一緒に歩くだけでドキドキするという…」




----ニャんか、中二病っぽい?
「(笑)イヤ、それ使い方違うような気がするけど…。
それはともかくとして、
ラストの方で起こる、めくるめく、
と言えば聞こえがいいけど、あわただしい展開。
過去から、さらにそのまた過去へ。
そこではさらに時代を遡った有名人たちが…。
そして彼らが口にするのは?
コメディというのは
元より風刺を伴っていたものだということを
思い起こさせてくれた映画だったね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「パリは雨がいいらしいのニャ」小首ニャ

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