----これって『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』以来の
ティム・バートンのストップモーション・アニメだよね?
「それはそうなんだけど、
正確に言えば彼にとっては初監督作品。
『ナイトメアー』の監督はヘレン・セリックで、
バートンは原案・製作のみの担当なんだ」
----そう言えば、そうだったね。
バートンと言えば『チャーリーとチョコレート工場』が公開されたばかり。
精力的だよね。あれっ、そうは言ってもこの映画77分しかない…。
「それは仕方ないだろうね。
このストップモーション・アニメ方式だと、
1、2秒撮影するのに12時間を要するらしい」
----実写でもなくCGでもなく、
そのストップモーション・アニメを選んだ理由ってあるのかな?
「バートンは『コンピュータやCGでは作り出せない味わいがある』と言っている。
セットが作られ、演出が施され、照明が当てられ、カメラに収められる…
この過程だけ見ると、実写と変わりはない。
でも、自分の描きたいイメージに忠実に再現するには、
実写より、このストップモーション・アニメの方が勝ってるのかも。
特にそれがファンタジーである場合は、
背景となる世界観やキャラクターも創り出しやすい」
----たとえば?
「縦に二つに割れた胴体の間を人が通り抜けたりとか、
頭の中に生息するウジ虫が喋ったリとか、
微妙に開いた頭蓋骨の蓋をポリポリ掻いたりとか…ね」
----うわあ、強烈。お話はどういうものなの。
トレーラー観ても、イマイチ分からニャイんだけど。
「舞台は19世紀ヨーロッパのとある村。
親同士が欲得ずくで決めた結婚に戸惑いながらも、
初めて出会った瞬間に惹かれあった
富豪の息子ビクターと、落ちぶれ貴族の娘ビクトリア。
結婚式の前日、森の中で式の練習をしていたビクターは、
誓いの言葉とともに結婚指輪を枯れ枝にはめてしまう。
ところがそれは、地中深く埋もれながら
花婿の訪れをずっと待ち続けていた“コープス ブライド(死体の花嫁)”の
朽ちかけた薬指だった。
かくして、生者と死者の三角関係が始まる...」
----ニャるほど。そういう話か。
あっ『チョコレート工場』に引き続き、
ジョニー・デップが主人公をやっている。
「この映画の場合、日本のアニメによく見られるようなアフレコ方式じゃない。
パペットが作られるよりも前に俳優たちのセリフを収録。
つまり、俳優の声の演技がキャラクターの性格を形成していくわけだ。
『ナイトメアー』では、いくつもの交換用の頭部を作って
それを繋げることによって
キャラクターの感情と表情を引き出したらしい。
でも、この『コープス ブライド』では頭部に複雑なギア装置を埋め込み、
いろいろなアクセス・ポイントから動かし、表情を微妙に変化させたんだって」
----へぇ~っ。ストップモーション・アニメなんて
すっかり過去の遺物と思っていた。
「撮影はデジタル・スチール・カメラを使っているし、
自分の表現したい世界を生み出すには、
こだわりを捨てて、いいところは積極的に取り入れていこうと言うことだろうね」
----そのバートンの表現したい世界って?
「一言で言えばダークファンタジーとなるんだろうけど、
そこには、ある<価値の逆転>が横たわっている気がする。
生者の世界は生気がなく陰鬱なのに対し、死者の世界は活気に溢れて陽気。
そのため前者はモノトーン、後者はカラフルと言う形で表現される。
まあ、このあたりはまだ想像つかないでもないけど、
ビクター、ビクトリア、コープスブライドの3人が、
いずれもやさしい善人であるのにはまいったね」
----それはまたどうして?
「ビクターがどっちと結ばれるのか、いや結ばれた方がいいのか?
観客の思いは、ビクトリア、コープスブライド
どちらにも幸せになってほしいと言う方向へと向かっていく---。
こんな映画もなかなかないと思う。
三角関係だと、観客が感情移入しやすいように、
登場人物の間に優劣が作られているのが普通だからね。
そうそう、骨だけになった、かつての子犬が出てくるんだけど、
これが実にキュート。
死んだ後も、あんな形で会えるんだったらいいだろうな。
あそこは少し、グッときたね…」
----いやだなあ。変な目で見ないでよ。
(byえいwithフォーン)
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ティム・バートンのストップモーション・アニメだよね?
「それはそうなんだけど、
正確に言えば彼にとっては初監督作品。
『ナイトメアー』の監督はヘレン・セリックで、
バートンは原案・製作のみの担当なんだ」
----そう言えば、そうだったね。
バートンと言えば『チャーリーとチョコレート工場』が公開されたばかり。
精力的だよね。あれっ、そうは言ってもこの映画77分しかない…。
「それは仕方ないだろうね。
このストップモーション・アニメ方式だと、
1、2秒撮影するのに12時間を要するらしい」
----実写でもなくCGでもなく、
そのストップモーション・アニメを選んだ理由ってあるのかな?
「バートンは『コンピュータやCGでは作り出せない味わいがある』と言っている。
セットが作られ、演出が施され、照明が当てられ、カメラに収められる…
この過程だけ見ると、実写と変わりはない。
でも、自分の描きたいイメージに忠実に再現するには、
実写より、このストップモーション・アニメの方が勝ってるのかも。
特にそれがファンタジーである場合は、
背景となる世界観やキャラクターも創り出しやすい」
----たとえば?
「縦に二つに割れた胴体の間を人が通り抜けたりとか、
頭の中に生息するウジ虫が喋ったリとか、
微妙に開いた頭蓋骨の蓋をポリポリ掻いたりとか…ね」
----うわあ、強烈。お話はどういうものなの。
トレーラー観ても、イマイチ分からニャイんだけど。
「舞台は19世紀ヨーロッパのとある村。
親同士が欲得ずくで決めた結婚に戸惑いながらも、
初めて出会った瞬間に惹かれあった
富豪の息子ビクターと、落ちぶれ貴族の娘ビクトリア。
結婚式の前日、森の中で式の練習をしていたビクターは、
誓いの言葉とともに結婚指輪を枯れ枝にはめてしまう。
ところがそれは、地中深く埋もれながら
花婿の訪れをずっと待ち続けていた“コープス ブライド(死体の花嫁)”の
朽ちかけた薬指だった。
かくして、生者と死者の三角関係が始まる...」
----ニャるほど。そういう話か。
あっ『チョコレート工場』に引き続き、
ジョニー・デップが主人公をやっている。
「この映画の場合、日本のアニメによく見られるようなアフレコ方式じゃない。
パペットが作られるよりも前に俳優たちのセリフを収録。
つまり、俳優の声の演技がキャラクターの性格を形成していくわけだ。
『ナイトメアー』では、いくつもの交換用の頭部を作って
それを繋げることによって
キャラクターの感情と表情を引き出したらしい。
でも、この『コープス ブライド』では頭部に複雑なギア装置を埋め込み、
いろいろなアクセス・ポイントから動かし、表情を微妙に変化させたんだって」
----へぇ~っ。ストップモーション・アニメなんて
すっかり過去の遺物と思っていた。
「撮影はデジタル・スチール・カメラを使っているし、
自分の表現したい世界を生み出すには、
こだわりを捨てて、いいところは積極的に取り入れていこうと言うことだろうね」
----そのバートンの表現したい世界って?
「一言で言えばダークファンタジーとなるんだろうけど、
そこには、ある<価値の逆転>が横たわっている気がする。
生者の世界は生気がなく陰鬱なのに対し、死者の世界は活気に溢れて陽気。
そのため前者はモノトーン、後者はカラフルと言う形で表現される。
まあ、このあたりはまだ想像つかないでもないけど、
ビクター、ビクトリア、コープスブライドの3人が、
いずれもやさしい善人であるのにはまいったね」
----それはまたどうして?
「ビクターがどっちと結ばれるのか、いや結ばれた方がいいのか?
観客の思いは、ビクトリア、コープスブライド
どちらにも幸せになってほしいと言う方向へと向かっていく---。
こんな映画もなかなかないと思う。
三角関係だと、観客が感情移入しやすいように、
登場人物の間に優劣が作られているのが普通だからね。
そうそう、骨だけになった、かつての子犬が出てくるんだけど、
これが実にキュート。
死んだ後も、あんな形で会えるんだったらいいだろうな。
あそこは少し、グッときたね…」
----いやだなあ。変な目で見ないでよ。
(byえいwithフォーン)
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『ティム・バートンのコープス ブライド』、待ちに待ちすぎて期待過剰(笑)になっていたのですが、期待を裏切らない出来で、月曜になった今でもどきどきしています。
是非この製作チームには早めに次回作に取り組んで欲しいですね。
こんばんは。
『チャーリーとチョコレート工場』のようなポップな色遣いも魅力ですが、
こちらのダークな色彩の方が、よりバートンらしい気がします。
私も、この映画は予想以上の作品でした。
こういうところが大好きです。
ティム・バートン、お好きな方なんですね。
『フランケンウィニー』はぼくも好きです。
『フランケンウィニー』の
車に轢かれて亡くなった犬がスパーキー、
スパーキーを蘇らせようとするのがヴィクターでしたね。
この映画『コープス ブライド』のスパーキーは、
骨だけなのに、本当にかわいいです。
三角関係だけども、皆に幸せになってもらいたいってホント珍しいですよね^^
スクラップスは可愛かったです。
またお邪魔させていただきますm(_ _)m
この映画『ナイトメアー~』のような派手さには欠けますが、
かえって手作り感が出ている気がして、ぼくは好きです。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
「スクラップ」でしたね。
スパーキーが死んで
あの世でスクラップになった。
ん?無理があるかな。
やっぱりスクラップみたいによみがえってくれたら
ちょっとうりしいですよねぇ(笑)えいさんとしては
コメントで”スパーキー”って残してくれたコメント見たときに
そっかぁ吹替えだとそーなってるのかな?っと
勝手に思い込みそうになりました(爆)
あ、でもそれもちょっとバートンファンにはうれしいかなぁ~とも
今度は吹替えで観ちゃおうかなぁ~
果たして どうかしら?
こちらの人気は高いですね。
ティム・バートン、いまや裏スピルバーグですね。
スパーキー、
骨だけなのに生きているように見える。
いやあ、スゴいですわ。
しかし間違って2件重複してしまいました・・・
お手数ですがはじめの一件は削除していただけないでしょうか?
コープスブライド、その精巧な作りに感動しました~。
ほんと、ティムすごいですよね!