ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ゲス・フー 招かれざる恋人』

2005-09-11 15:26:51 | 新作映画
-----なんか不思議なタイトルだニャあ。
「その昔、Guess Who(ゲス・フー)っていう名前のグループもいたしね。
でも、これって『Guess Who's Coming to Dinner』という映画からきてるんだ」

-----それってどんな映画なの?
「スタンリー・クレイマーの名作『招かれざる客』のこと。
これは、人種差別がまだ激しかった時代、
娘が婚約者として連れ帰ってきた男が黒人だったことから起こる
不協和音を描いた社会派ドラマ。
キャサリーン・ヘプバーンが2度目のオスカーを受賞し、
スペンサー・トレイシーの遺作となった。
黒人スターにスポットを当てたシドニー・ポワチエの代表作だ。
この新作『ゲス・フー・・・』では、その設定を逆にしているところがミソ」

-----と言うと?
「銀婚式を目前にした夫婦のところへ娘のテレサが
恋人サイモンを伴って帰ってくる。
ところが、デンゼル・ワシントンのような逞しい黒人を予想していた
父親の前に現れたのはスマートボーイの白人。
前作が
『Guess Who's Coming to Dinner(夕食に招かれたのは誰?)』だったように、
ここでも夕食時の会話をハイライトに、人種差別の裏と表が描かれていく」

-----裏と表ってどういうこと?
「たとえば、いまどき自分は差別主義者だなどと公言する人は、そうはいない。
でも、実は白人社会では<黒人ジョーク>なるものが存在している。
これらのジョークは、この映画では、けっこう黒人に受けたりもするんだけど
やはり中には琴線に触れるものもあって、逆鱗を招いたりもする。
それともう一つ、サイモンはある理由で会社を解雇されていたというのもポイント」

-----それはなぜなの?
「会社のイメージのために、黒人女性との結婚はまかり通らぬというんだ。
自分がクビになったと言うという事実もそうだけど、
テレサとその家族を傷つけるその理由については、
サイモンは口が裂けても言えない」

-----ふうん。タイトルやメインビジュアルと違ってまじめな映画なんだ。
「いやいや。基本はハートフル・コメディ。
父と娘の恋人が同じ車に乗り、
ラジオをつけると、<黒と白>にからんだ歌ばかり流れてくるところなんて、
日本のお笑いのギャグみたいにベタだけど、なかなか笑える」

-------で、物語はどのように発展してゆくの?
「テレサはサイモンがクビの事実を隠していたこと、
テレサの母は夫が銀婚式の<誓いの言葉>を
参考書から写そうとしていたことに怒り、家を飛び出してしまう。
寂しく取り残された父親と娘の恋人。
その夜、バーニー・マニックとアシュトン・カッチャー、
二人の男が心を通い合わせるきっかけになるのはその夜から。
彼らが踊るダンス・シーンもけっこう楽しいよ」

          (byえいwithフォーン)

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