ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ビー・デビル』

2011-02-16 22:30:45 | 新作映画
(英題:Bedevilled)

またまた、ゾンビものっぽいタイトルだけど、
えっ、これって韓国映画ニャの?
「そうなんだ。
それもはやりの残酷バイオレンスね。
今回は、ソウルの銀行に勤める独身女性へウォンが
トラブル続きの都会生活から逃れるように、
子供のころに暮らした思い出の島にやってくるところから話が始まる。
そこは、たった9人の住民が暮らす絶海の孤島。
彼女を出迎えたのは、生まれてから一度も島から離れたことのない
幼なじみのキム・ボンナム。
人懐っこい笑顔でへウォンの帰郷を喜ぶボンナムだったが、
その表情の陰には、地獄のような苦しみがあった。
昼は村の老人たちに奴隷のようにこき使われ、
夜は男たちの慰み者に…。
ソウルへ逃げ出す。
それが彼女の願いだったが…」

----ニャるほど。
これは、そのボンナムが
怒りを爆発させる話だニャ。
「怒りなんてものじゃない。
それは、絶望の果ての狂気にも似たもの。
まあ、プロットはシンプルなんだけど、
この映画、
観ながら、『これ変…』と思ったことが、
最後に全て納得させられるという、
見事な作りになっている。
実は、最初、主人公はヘウォンかと…。
彼女は、とにかく面倒なことに関わるのがいやで、
でも、自分自身に振りかかった火の粉は、
すぐにカッとなって、事実関係も確かめずに、反逆に出るという、
もう、どうしようもない女。
こんなのがヒロインだったら、
多少は、怖い目にあわされても仕方ないと思って観ていたら、
なんと、島に着いてからは、
ほとんど出番なし。
友人のボンナムがひどい目に遭っているときは、
寝ていてまったく気づかないし、
何この人?って感じ。
で、実際の主人公は『チェイサー』(ナ・ホンジン監督版)
被害者役を演じたソ・ヨンヒ演じるボンナム」

----そうか。ヘウォンの方は傍観者ニャんだ。
「そういうこと。
冒頭、ソウルでのエピソードは、
そんなヘウォンの生き方を示すために用意されている。
ひとりの女性が、3人の男に暴行されている。
彼女は助けを求めるけど、知らんふり。
しかも警察に目撃者として呼び出されても、
関わることを避けようと、知らんぷり。
その態度が島でも繰り返されるわけだ」

----ひどいニャあ。
でも、寝ていたんじゃ仕方ないか…。
「さあ。そしてそこなんだ。
この傍観者としての立場。
それがこの映画の構成、
そしてテーマとも密接に繋がってくる。
クライマックスのはずの島での大惨劇。
その後、いったいどうして映画が続いていくの…?
と思ったら、こういうワケがあったとは!?
ラストショットの象徴的映像も含めてこれは必見。
監督は『お金がなかったから』と言っているけど、
いわゆるカッコいい映像ではなくオーソドックスな作り。
骨太な、その演出に目はスクリーンに釘付けだよ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「監督はキム・ギドクの助監督らしいのニャ」もう寝る

※ちょっと今村昌平『神々の深き欲望』を思い出した度

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