ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『人生万歳!』(ウディ・アレンならではのコメディ)

2010-10-31 18:07:44 | 新作映画
(原題:Whatever Works)

----これってウディ・アレンの映画だよね。
舞台がニューヨークに戻ったんだって?
「うん。
それもあってか、なんとも懐かしいタッチの映画だったね。
描かれているのは、
あいもかわらずの
スノッブなオヤジのグダグダとした自虐的よた話。
何かと言えば、すぐ悲観的になって自殺しようとしたり、
それでいて若い女性にときめいちゃう。
まあ、そういう意味では、
あんまりストーリーを説明しても新味はないかも」

----あらあら。ずいぶんと辛口。
「あっ、ヤバいヤバい。そんな風に聞こえたか。
でも、この映画は最近のウディ・アレンの中では、
もっとも楽しめた作品。
実は彼が1970年中ごろに執筆しながら、
ある事情でお蔵入りになっていた幻の脚本を
持ち出してきての映画。
それもあってか、作風があの頃流行った手法。
たとえば、出演者がスクリーンに向かって観客に話しかける。
60年代に、
ベケットの異化効果とやらを映画に引用した映画が
数多く作られたけど、
そういう感じ。
で、アレン映画らしく
とにかく喋って喋って喋りまくる。
それも毒舌いっぱいにね」

----で、その役をまたまたウディ・アレンがやるわけ?
「いや。そうじゃないんだ。
ラリー・デヴィッドというアメリカのコメディアン。
これが功を奏したね。
アレンよりガタイがいいし、
神経質的な感じが和らいでいる。
同じ皮肉っぽい男を演じても
役者によってこうも変わるのか?
という感じだね。
ぼくは少しミシェル・ピコリを思い出したけどね。
で、その主人公ボリスが都会に出てきた
若い女性メロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)にあれやこれや、
世の中の真実(?)について教える。
そうそう、このボリスというのが、
ノーベル賞候補にもなった天才物理学者という設定。
いわば、現代のピグマリオン。
アレン風『マイ・フェア・レディ』
あるいは『プリティ・ウーマン』
さて、そこにメロディの母親マリエッタが現れ、
物語は混とんとして行く…」

----楽しそうじゃニャい。
「うん。
このマリエッタを演じるパトリシア・クラークソンがいいんだ。
最初からボリスに対して敵愾心むき出し。
そのため、ふたりが離れるようにあの手この手。
ついには、ハンサムな男との偶然の出会いまでセッティング。
一方では、写真の才能を開花させ、
ふたりの男と同居するという刺激的な暮らしまで始めちゃう。
まあ、後は観てもらった方がいいかな」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ウディ・アレンでこんなにほめるのは珍しいのニャ」気持ちいいニャ

※アレンのよさが出た映画だ度

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