(原題:The Experiment)
----これって、ドイツ映画の『es [エス]』と同じって聞いたけど?
「うん。アメリカのスタンフォード大学心理学部で、
心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導の下に行われた、
ある有名な実験を基にしている」
----それって、どんな実験?
「刑務所を舞台にし、
実験者が看守と囚人に分かれてその役割を演じる。
そのことで、ジンバルドーは
普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、
その役割に合わせて行動してしまうということを証明しようとしたんだ。
なんでも、被験者には高額の謝礼が用意されたらしい」
----あまり、品のいい話じゃなさそう。
いやな結末が待っていそうだ。
「そうなんだよね。
彼の思惑通り、
看守役は誰かに指示されるわけでもなく、
自ら囚人役に罰則を与え始める。
耐えかねた囚人のひとりは…
というのが、実際の実験のお話。
これを基に、今回のアメリカ版では
いくつかの新しい意匠を加えることで、
さらなる緊張感を出している。
その最たるものが“監視者”と呼ばれる赤いランプ。
被験者にルール違反があったら監獄内の赤いランプが点滅するという仕組み。
つまり、彼らは常に監視されている。
その監視の目を気にしながら、
看守側は、自分のサディスティックな行為をエスカレートさせていく」
----サディスティック?
「看守側に回った被験者の中には、
性欲異常者やふだんは抑圧されている者など、
日常に何らかの問題を抱えている者が多く配置されている。
彼らは、その欲望やストレスを発散させていくんだ。
でも、やりすぎたら実験は中止。
分かりやすく言うと、なんらかの暴力行為が行われたらそこで終わり。
謝礼は彼らの手には渡らない。
というわけで、
看守側の被験者たちは、
その行為が“非暴力”の範囲内かどうか、
それを推し測りながら、懲罰をエスカレートさせていく。
ところがいつの間にか、
自らをを正当化しつつ暴力本能が暴発!
このさまがなんとも凄まじい。
さて、こちら、看守のリーダー、バリスを演じるのはフォレスト・ウィテカー。
最初は、きちっとスーツを着ていただけに彼の豹変ぶりは鮮烈。
片や受刑者側のリーダーを演じているのが失業したばかりのトラヴィス。
彼は反戦主義者で、少し時代遅れの感がないでもないヒッピー風のヤサ男。
演じるのはエイドリアン・ブロディ」。
----受刑者にもリーダーはいるの?
「うん。トラヴィスは看守側の攻撃に屈せず理性を保とうとする。
自分たちの尊厳を守ろうというわけだ。
ところがそれが彼ら看守側の怒りに火をつけて、
彼は、ここにはとても書けないような辱めを次々と受けてしまう。
さあ、極限まで追い詰められたトラヴィスがどのような行動に出るか?」
----ゴクっ。
「ヒントは、次のセリフに出ている。
囚人側の仲間のひとりが、
今回の体験を基に、
“人間とサルは変わらない”という考えに同意を求めたとき、
彼はこう答える。
『いや、人間は行動を起こせる』。
他の動物とはそこが違うというんだね」
----なんだか、耳に痛いニャあ(汗)。
「実を言うと、
この映画、最初はそんなに期待はしていなかったんだ。
でも、やはり、映画は俳優の力って大きいね。
この主演ふたりに関わらず、
ほかにも印象的な役者が大挙して出演。
クリストフ・コリンズ・Jr、そしてイーサン・コーン。
なかでもTV『OC』のキャム・ギガンデットの異常ぶりは強烈。
監督はポール・シェアリング。
TVドラマ『プリズン・ブレイク』の企画・製作総指揮ということらしいけど、
実にそつのない演出だったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「役者がうまいと安心して観られるのニャ」
※囚人側が立ち上がるとき、興奮なクライマックスに達した度
こちらのお花屋さんもよろしく。
噂のtwitterを始めてみました。
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----これって、ドイツ映画の『es [エス]』と同じって聞いたけど?
「うん。アメリカのスタンフォード大学心理学部で、
心理学者フィリップ・ジンバルドーの指導の下に行われた、
ある有名な実験を基にしている」
----それって、どんな実験?
「刑務所を舞台にし、
実験者が看守と囚人に分かれてその役割を演じる。
そのことで、ジンバルドーは
普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、
その役割に合わせて行動してしまうということを証明しようとしたんだ。
なんでも、被験者には高額の謝礼が用意されたらしい」
----あまり、品のいい話じゃなさそう。
いやな結末が待っていそうだ。
「そうなんだよね。
彼の思惑通り、
看守役は誰かに指示されるわけでもなく、
自ら囚人役に罰則を与え始める。
耐えかねた囚人のひとりは…
というのが、実際の実験のお話。
これを基に、今回のアメリカ版では
いくつかの新しい意匠を加えることで、
さらなる緊張感を出している。
その最たるものが“監視者”と呼ばれる赤いランプ。
被験者にルール違反があったら監獄内の赤いランプが点滅するという仕組み。
つまり、彼らは常に監視されている。
その監視の目を気にしながら、
看守側は、自分のサディスティックな行為をエスカレートさせていく」
----サディスティック?
「看守側に回った被験者の中には、
性欲異常者やふだんは抑圧されている者など、
日常に何らかの問題を抱えている者が多く配置されている。
彼らは、その欲望やストレスを発散させていくんだ。
でも、やりすぎたら実験は中止。
分かりやすく言うと、なんらかの暴力行為が行われたらそこで終わり。
謝礼は彼らの手には渡らない。
というわけで、
看守側の被験者たちは、
その行為が“非暴力”の範囲内かどうか、
それを推し測りながら、懲罰をエスカレートさせていく。
ところがいつの間にか、
自らをを正当化しつつ暴力本能が暴発!
このさまがなんとも凄まじい。
さて、こちら、看守のリーダー、バリスを演じるのはフォレスト・ウィテカー。
最初は、きちっとスーツを着ていただけに彼の豹変ぶりは鮮烈。
片や受刑者側のリーダーを演じているのが失業したばかりのトラヴィス。
彼は反戦主義者で、少し時代遅れの感がないでもないヒッピー風のヤサ男。
演じるのはエイドリアン・ブロディ」。
----受刑者にもリーダーはいるの?
「うん。トラヴィスは看守側の攻撃に屈せず理性を保とうとする。
自分たちの尊厳を守ろうというわけだ。
ところがそれが彼ら看守側の怒りに火をつけて、
彼は、ここにはとても書けないような辱めを次々と受けてしまう。
さあ、極限まで追い詰められたトラヴィスがどのような行動に出るか?」
----ゴクっ。
「ヒントは、次のセリフに出ている。
囚人側の仲間のひとりが、
今回の体験を基に、
“人間とサルは変わらない”という考えに同意を求めたとき、
彼はこう答える。
『いや、人間は行動を起こせる』。
他の動物とはそこが違うというんだね」
----なんだか、耳に痛いニャあ(汗)。
「実を言うと、
この映画、最初はそんなに期待はしていなかったんだ。
でも、やはり、映画は俳優の力って大きいね。
この主演ふたりに関わらず、
ほかにも印象的な役者が大挙して出演。
クリストフ・コリンズ・Jr、そしてイーサン・コーン。
なかでもTV『OC』のキャム・ギガンデットの異常ぶりは強烈。
監督はポール・シェアリング。
TVドラマ『プリズン・ブレイク』の企画・製作総指揮ということらしいけど、
実にそつのない演出だったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「役者がうまいと安心して観られるのニャ」
※囚人側が立ち上がるとき、興奮なクライマックスに達した度
こちらのお花屋さんもよろしく。
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