ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『桜田門外ノ変』

2010-10-05 23:47:08 | 新作映画
----またまた、ずいぶん間があいちゃったね。
久しぶりに、何喋ってくれるのかと思ったら、
またまた時代劇…。
「いやあ。ほんと今年は多いね。
時代がこうも不況だと、
過去にヒントを求めたくなるのかな」

----えっ。そう言う映画ニャの?
「それはそうだと思うよ。
この映画にしても、
水戸藩士たちに暗殺される大老・井伊直弼(伊武雅刀)というのは、
幕末に将軍以上に実権を握り、陰で政治を操った人。
まあ、いつの時代にもこういう人はいるわけだけどね。
まだ侍たちの時代。
命よりも義を重んじる当時の若者たちには大老が許せない」

----でも、そういうのってテロと同じじゃニャい。
「そうなんだよね。
実は、ぼくはこの桜田門外ノ変の史実を
最初に教科書で知ったとき、
怖くてたまらなかったもの。
まだ、歴史をよく知らないころだったから、
暗殺の理由さえ分からず…」

----それは単なる勉強不足。
「ゴホンゴホン。
さて、水戸藩士たちは大老の命を狙うため
なんと脱藩までしている。
それは、藩主・徳川斉昭(北大路欣也)の立場、名誉を思っての行動でもあったわけだけど、
斉昭は『よくぞやってくれた』と言うどころか、
逆に彼らを大罪人とみなす。
かくして、彼ら元水戸藩の暗殺実行者たちは、
全てから追われる身となる…
なんて、史実を延々喋っても映画の紹介にはならないから、
ポイントを一つ。
この映画、クライマックスはどこだと思う?」

----それは当然、暗殺でしょ。
「だよね。
ところが、そのクライマックスに当たるべきシーンを、
なんと最初の方に持ってきているんだ。
しかも、映画は暗殺の数年前の回想を入れつつ進むものだから、
観ていて混乱が生じちゃう」

----つまり、今の時制がどこか?
ということだね。
「そう。
でも、監督はそのクライマックスを早々と見せながら、
そこに至るまでの心理や政治的状況を語るというのを前提に、
この映画を撮ることを引き受けたらしい」

----その監督って、誰ニャの?
佐藤純彌
片方で『新幹線大爆破』という大傑作もあれば、
『北京原人Who are you?』という、稀に見る珍作も。
主演の大沢孝雄は、この撮り方を“実験的”と言っているようだけど、
さあ、どっちだろうね」」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「セットがスゴそうだニャ」
ちょっと怒るニャ

※こういう大事件はなぜか雪の日に起こる度


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