ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『子猫の涙』

2007-12-05 10:31:26 | 新作映画
----おっ。この映画はフォーンに関係ありそうだニャあ。
「う~ん。どうかな。
確かに猫さんはたくさん出てくるけどね。
元々は監督の森岡利之が主宰する劇団ストレイドッグの
『路地裏の優しい猫』から生まれたものらしい。
第3回日本映画エンジェル大賞に続き、
第20回東京国際映画祭において『日本映画・ある視点:特別賞 』を受賞。
一躍、話題になった映画だね」

----ふうん。どういうお話ニャの?
「森岡利之監督の叔父というのが
日本ボクシング界で最後のオリンピック・メダリスト森岡栄治。
この作品は彼の十代から五十代までを
武田真治を主役に描いた映画なんだ 」

-----ということは、また“昭和”もの?
「それはそうなんだけど、
最近ブームになった他の“昭和もの”とは明らかに一線を画する。
たとえば『三丁目の夕日』シリーズは昭和の“町”をCGで再現。
最初に箱ありきで、
その中に人情ややさしさという中身を入れるという手法。
でも、この映画では昭和のある時代の生きざま、
その“心”を描いたといえる」

----ふうん。それはいい意味で言ってるんだよね?
「うん。昭和、それも戦後のある時代の“心”だけどね。
この森岡栄治という人、
メキシコオリンピックで銅メダルを取った後、プロ転向に失敗。
そこからはまともに働かず夜の町で遊び呆け、
ついには離婚されてしまう。
そんな父親にあきれかえっている娘・治子の視線から描いたのがこの映画。
治子は父を負け犬と思っている。
しかし、栄治自身はそんなことまったく気にしていない。
『人の運命はオギャアと生まれた時から決まってる……
人生はなるようにしかなれへん……
そやから今やるべきことを一生懸命やっとけ』。
こんな考え方をする人を主人公にする日本映画は
最近では実に珍しい。
頑張れば報われるというのは多いけど、
ここで彼が主張するのはそれとは逆の運命論。
しかも究極の個人主義。
オリンピックに行ったのも国のためではなく自分のため…」

----確かに今の時代とは違うニャあ
「そういうこと。
『星影のワルツ』でもいい味を見せた喜味こいしがここでもいいことを言う。
『勝ち負けは人が決めるのではない。自分で決めるんだ』」

---ははあ~っ。これも目から鱗。
「この栄治の後妻となる裕子役の広末涼子も久しぶりの快演。
ただ、宝生舞が大きくなった治子というのはクエスチョン。
広末涼子の娘を演じるのは無理がある」

----それはそうだ(笑)。




         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンも泣くのかニャ」悲しい



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