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ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

あけましておめでとうございます。

2007-01-01 16:06:07 | 映画
----今日は、朝から鼻ぐずぐずだったね。
それなのに出かけちゃうんだ。
「うん。
一年の計は元旦にあり。
今年はこの映画で始めたくってね」

----それ、もう観ているじゃない。
「そうなんだけど。
初笑いにはピッタリ。
しかも元気が出るからね」

----それはそうと、
ベスト10発表の時期じゃニャいの。
「そうだね。
近いうちにやらなくては…」

----そう言えば、
れがあるさんの「試写室だより 封切はこれからだ!」
参加させてもらったんだよね。
これって、どういうの?
「評論家さんやライターさんなど、
映画のお仕事をしている方たちが
一足早く試写室で観た映画の中から
自分の推薦作を【表ベスト】&【裏ベスト】として紹介するというもの。
次回は『2006年年間【表ベスト】&【裏ベスト】号』なんだって」

----うわあ。えいのはともかく
他の人たちのが楽しみだね。


フォーンの一言「今年もよろしく。シッポふりふり」

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猫ニュー

※画像はシッポふりふりのフォーンです。

『手紙』

2006-11-19 16:52:38 | 映画
※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。



「気まずいねぇ~!」
----ニャんなの。それ?
「映画『手紙』で主人公が組んでいる漫才コンビのネタ。
原作では音楽なんだけど、お笑いに変えたということらしい」

----これって、確か東野圭吾の原作だよね。
今回はミステリーじゃないの?
「うん。弟の学資が足りずに強盗に入り、
あやまって人を殺してしまい、獄中の人となった兄と、
その弟の<手紙>のやり取りをめぐる話……
と思って観ていたら、
クライマックスに近づくにつれ、
<いくつもの手紙>が前面に出てきて、
その意味を観る者に投げかけてくる」

----ふうん。予告編だと、
弟(山田孝之)がどこに行っても<差別>を受けることから
一方的に兄(玉山鉄二)に手紙を出すのを止める話かと思っていた。
「ぼくも。
でも、これって<泣き>の映画と思っていたから、
その話だけじゃ<泣ける>はずないと……。
果たしてどこで泣かせるんだろうと思っていたら、
そんな考え自体が不謹慎だということが分かった。
これはもっと深い<罪と罰>の映画なんだ」

-----おやおや。話が違ってきたね。
「そう。これが泣かせる映画ではないことは、
『キネマ旬報』11月下旬号の野村正昭氏の文章に詳しい。
クライマックスの刑務所公演シーンでも、
囚人たちの中にいる兄の顔がなかなか映らない。
あえてドラマチックであることを避けているんだね」

-----さっき<いくつもの手紙>と言ってたけど?
「もう公開中の映画だから、
軽くネタバレでいくと、
<ある人から会長への手紙>
<兄に届いていたパソコンで書かれた弟の手紙>
そして<被害者の家族への兄の手紙>。
まず3通目の話からすると、
ここで問題となるのは、
本人がいくら<お詫びと反省>の言葉を重ねても、
その<手紙>は被害者に事件を思い出させるにすぎないという問題の提起。
それを受け取った被害者の家族(吹越満)は、
兄にまったく返事を書いていない。
そして、それは兄にとっての<般若心経>じゃないかと弟に言うんだね。
このシーンは
加害者の人権が大切にされる反面、
被害者の人権が尊重されていないと言う声が大きくなってきた
今の時代の空気を反映しているように見えた」

-----mmmmm。
「それと、物議をかもしているのが
会長(杉浦直樹)の言葉だね。
彼は弟に向かって
『差別のない場所を探すんじゃない
君はここで生きていくんだ』と語り、続けて
『殺人犯の家族が差別されるのは、当然なんだ
その差別も含めて、君のお兄さんの罪なんだよ』と諭す。
ぼくなんかは、経営者で個人のことを思いやるなんて、
それだけでも人格者だと思うけど、
その言っている内容は
もっと吟味されなくてはならないのかもしれない。
これは『あかん隊』さんのレビューを呼んで感じたことだけどね」

-----でも、今日のお話って、
映画というよりも、物語に即しすぎていない?
「気まずいねぇ~。
う~ん。映画としては…ちょっとね。
尾上寛之が「パッチギ!」に続いて名脇役ぶりを発揮。
彼は来春公開の『キトキト』でも、
主人公のいい相方を見せる。
ぼくは彼の今後に注目したいね」


                      (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「なんだかニャあ」もう寝る

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『ワールド・トレード・センター』

2006-11-12 20:44:04 | 映画
----今日は日曜日。
なぜか近頃、急に頑張り出した、えいに代わって
ぼくフォーンが、この映画は喋ります。
と言うのも、
えいによれば、
この映画は、喋りづらい作品なのだそうです。
まあ、その気持ちも分からないでもないです。
あの事件を映画にするには
少し早すぎて、
<映画>として語るのはとても難しいと言うこと。
そうだよね?
「はい」
---でも、まったくスルーするわけにもいかないから、
ぼくに喋らせているってわけ。
この映画は、だれもが知っているように、
今はなきワールド・トレード・センターをモチーフにしているものの、
そこで描かれているのは、
生き埋めになった湾岸警察官2人の救出劇。
ニコラス・ケイジ演じる主人公たちは、
暗闇の中、
いかにして生き延びるか、
檄を飛ばしながら励ましあう、その姿が描かれ、
そして一方では彼らの生存を願う家族が描かれる。
アメリカ映画らしい「家に帰ろう」がテーマになっているんだけど、
もしも最初の30分を観なかったら、
これが、あの9.11とは分からないような描き方。
それがオリバー・ストーンが意図したものなのかどうか?
あまり感情のうねりがないそうです。
「もともと、オリバー・ストーンの映画って、
映画的ダイナミズムには欠けるからね。
ただ、扱うテーマがセンセーショナルって言うだけで」

---まあ、その言い方もどうかとも思うけど、
えいはいまいちノレなかったようで……。
でも、途中でキリストのイメージとか出てくるらしいです。
そうなると、イスラムとの対立が浮き上がりそうなものだけど?
「でも、この時点で
生き埋めの彼らは、これが宗教的対立によるテロとは知らないわけだからね」

----あっ、そうか?
でも、そのスペクタクルな映像は
あの惨劇を再現したものとしては、
見応え十分。
でも、そんな言い方も不遜になるような気がして
えいは、この映画をぼくフォーンに喋らせている……。
ん?それってすっごくズルくない。
しかもぼくを使ってこんなことまでして。
ぷんぷん。

(byフォーン)複雑だニャ


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『デスノート the Last name』

2006-11-05 20:56:36 | 映画
----おおっ。ようやく映画紹介だね。
でも、もう始まって3日目。
だれよりも早い紹介を心がけていた
えいにしては、ちょっとね。
「まあ、文句言わない。
まずはこのあたりから。
どれから始めようかと思った時、
この映画がパッと頭に浮かんでね。
『デスノート 前編』を紹介したんだから、
ちゃんと最後まで見届けなくてはと……」

----その割には、画像が『虹の女神』のストラップだったりする(笑)?
「いやあ、これがよくてね。
思わず買ってしまっちゃった」

----で、映画はどうだったの?
ニアとメロは出てくるの?
「いや。原作では途中で消えてしまうLを
最後まで引っ張って行く。
前編では、Lとライトの駆け引きが少なく、
そこがぼくは不満だったんだけど、
今回はけっこう<対決>を見せてくれたよ。
しかも原作のエピソードを巧みに脚色している。
なかでもクライマックスは目が覚めたね。
それこそ<the Last name>とはだれのことで、
その名をだれが書くのかね」

----けっこう、ほめているようにも見えるけど・・・。
「いやあ、正直言うと金子修介の演出は平板。
途中、何度か欠伸が出てしまった。
あっ、出目川ディレクターを元ジョビジョバのマギーが演じているんだけど、
ここまで出ずっぱりの役は初めてじゃないかな。
彼は、ちょっとだけ顔を出す方が味が出る気がする。
全体的にキャスティングはあんまりいいとは思えなかったね」

                                       (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「次は『20世紀少年』だニャ」複雑だニャ

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『未来世紀ブラジル?』

2006-11-03 14:05:59 | 映画
----ニャにニャに。なかなか始まらないじゃニャい。
どういうことよ。
「いやあ、大変だった。
怒濤の一ヶ月だったね。
まるで自分が『未来世紀ブラジル』の世界の中に
叩き込まれたような理不尽な日々が続いてね」

----『未来世紀ブラジル』?
「細かいことは追及しないでね」
----ニャにニャに。
それは知りたいなあ。
もう喋ってもいいんでしょ?
ここでこうしているということは……。
「う~ん。
詳しくはまだだね。
だってまだ進行中だからね」

----う~ん。いらつくニャあ。
「もしかしたら、このブログの中でも
少しずつ明らかにするかもしれないけど、
いまはもう少し待ってね。
間違いなく今週、いや、まだ金曜日か。
来週からは必ず
<映画>を喋り始めますから」

                                          (byえいwithフォーン)


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ぼちぼちいきます。

2006-10-28 22:37:38 | 映画
---ねぇ~。そろそろ起きてよ。
映画の話、どうなっちゃってるのよ。
「いやあ。それがまた
なんとも今は書こうにも書けなくて…」

----ん?どういうこと??
「まあ。一言では言えないわなあ。
ちょっとばかり休みをもらってしまったけど、
また、そろそろ始めなくちゃあね。
嬉しいことにメルマガへのお誘いもきているし」

----えっ。そうニャの?。
「れがあるFさんという方から
『サラバンド』のところで、お話をいただいて……。
なんだか、その気になってきた」

----でも、その前に
まずはたくさんいただいた
コメントへのお返しだね?
「はい。少しずつですが、
再開してゆきます。
また、よろしくお願いします」

                                          (byえいwithフォーン)


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『レディ・イン・ザ・ウォーター』

2006-10-02 00:57:28 | 映画
----これってシャマラン監督の新作だよね。
『サイン』の時と同じで試写がなかったみたいだけど?
「うん。
ただ、申し込んだら観ることできたみたい。
おそらく特集などを組む媒体に対しては
回しているんじゃないかな…」

----ということは、また秘密主義。
ラストのドンデン返しとかあるのかニャあ?
「いや、そうじゃなかったね。
よくよく考えてみたら
『サイン』だってドンデン返しはなかった。
思うに、今回は彼のこれまでの作品では
この『サイン』に一番似ている気がする」

----どういうところが?
「つまり、
ジャンル・ムービーをそのまま撮ったってこと。
この『レディ・イン・ザ・ウォーター』ではファンタジー。
『サイン』がかつてのB級SFをトップスターで
現代に甦らせながら、
たいした工夫もなくそのまま終わるのと同じく。
これも、ただ筋を追っているだけ。
しかも物語があまりにも単純。
プールに現れたストーリーと名乗るナーフ(ブライス・ダラス・ハワード)が
恐ろしい怪物に追われ自分の世界に戻れない。
アパート管理人のクリーブランド(ポール・ジアマッティ)は、
住人たちと協力して
彼女をもとの世界に戻そうとする」

----えっ。それだけ?
「うん。
ただ、アパートの住人たちがそれぞれに
ストーリーが帰るためのキーとなる役割を担っていて、
だれがどの役かと言う<部分>で
映画の<幅>を広げてはいる。
でも結局、そこに重きを置いているため
世界が狭く閉じてしまっているんだ。
あと、これもあきれたんだけど、
アパートに住む東洋人の母親がこの物語を知っていて、
いちいち彼女にその話を聞きながら進んでゆく。
そのため、この物語も予定調和となり、
驚きがまったくない」

----でもクリーチャーとか出てくるんでしょ?
「う~ん。
これについては
映画が終わった後、
ある女性が喋っていた言葉を耳にしたので
それを紹介しよう。
『やはり犬猿の仲なんだ』」

----なに、それ?

                                       (byえいwithフォーン)


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※画像はアメリカ・オフィシャルサイトの壁紙です。

『グエムル/漢江の怪物』

2006-09-10 23:54:55 | 映画
----これって確か『殺人の追憶』の
ポン・ジュノ監督が作った韓国映画なんだよね。
「うん。一作ごとに目を見張る成長を遂げているだけに
ぼくの期待も大きかった。
カンヌはもちろんのこと、
周囲の声も絶賛一色だったしね」

----で、どうだったの?
「いやあ。これは語るのが難しい映画だわ。
怪物を何かのメタファーと見ることはもちろんできるんだけど、
そういうことを考える以前に、
映画としてのオモシロさに圧倒されてしまう」

----どう、オモシロいのよ?
「マッドサイエンティストが
ホルムアルデヒドの不法投棄を命じるオープニングカット。
これだけで、もう掴みはOK。
『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』を思い出したね。
で、2年後、漢江で釣り人が奇妙な生き物を発見するシークエンスを挟んで
いよいよ成長したグエムル(怪物)が登場。
ここがまた不気味。
橋桁からぶら下がったその姿は
かつてネッシーではないかと騒がれた巨大生物の死体を思わせる。
で、いったんは水中に姿を消したかと思うと、
次には思いもよらぬ方向から現れる。
そのときのショットが
グエムル(怪物)を見た人々驚きの表情のアップ。
スローモーションで捉えられたその表情の次のカットは、
ユーモラスなまでに早足で迫ってくるグエムルの姿。
と、まあ、こんな機知に富んだ映像が次々と積み重ねられていくんだ。
果たしてどういうSFX技術を使ったのか、
のどかな漢江の風景を惨劇に変えてゆくその映像は
何度でも繰り返し見たくなるほど蠱惑的だ。
しかし、この映像の魅力ばかり語っているわけにもいかないしなあ」

----じゃあ、別の角度から聞いちゃうよ。
そんな怪物映画撮って、監督はいったい何を言おうとしたわけ?
「うん。たとえば、映画の物語に沿っていけば、
こう見ることだってできる。
韓国の平和の象徴、漢江。
しかしそれは、一瞬にして崩れることもある。
そのとき政府は無策なばかりか国民を見捨て、
ただアメリカの指示のまま動くだけ。
そんなとき、自分たちを守るためにもっとも必要なのは家族の絆だと。
事実、この映画ではパク一家と言う一家族に焦点を当てる。
彼らは、グエムルと接触したということで
政府によって身柄を拘束されるものの脱出。
さらわれた娘ヒョンソの奪還に向かうんだ」

----ニャるほどね。
そういえば、彼らはみな超人的なんだって?
「うん。常識で言ったら何度死んでいるか分からない。
でも、この映画ではそれこそ何度も何度もありえないほど甦る。
そう、家族に対する強い<想い>が彼らをその都度甦らせるんだ。
もとより、こんな<怪物>自体がいるわけはない。
そんなありえないことを前提とした作品の中で
グエムル(怪物)に立ち向かうには
死んでも甦るほどの強い<想い>が必要となる。
途中、『時計じかけのオレンジ』を思わせる脳手術シーンまで出てくる。
しかし、主人公はそんなことさえもなかったかのように
また<戦場>へ戻っていく」

----戦場?
「うん。彼らはアーチェリーや火炎瓶など、
それぞれの過去や現在をまとった武器で戦うわけだ。
しかも、それぞれが協力し合うことで
最後には感動的なまでの<グエムル打倒>の形を作り上げる。
それはまるで原始人たちが巨大な獣に
石器で立ち向かっている絵を観ているかのようだ。
さっきも言ったように、この映画にはいろんなメタファーを見ることは可能。
でも、その根源にあるのは<想い>だと思う。
その<想い>のいっぱい詰まった一家の中に生まれ育ったヒョンソだからこそ、
見知らぬ少年を身を呈して守ると言う
あの象徴的な姿が生まれたのじゃないかな」


                   (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「あのラストは少し複雑ニャ」複雑だニャ

殺人の追憶 ASBY-3436殺人の追憶 ASBY-3436
※これはポン・ジュノ監督のオススメ。しかも安いのに驚きました。

※もしかして家族はみんな死んでいるのに戦っていたのかもだ度
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『ユビサキから世界を』

2006-09-08 22:31:50 | 映画
----この映画って、無料上映会を行ったんでしょ?
行定勳監督だよね。どんな映画ニャの?
「一言で言えば
明日のない日本の生活に意味が見出せなくなって
死ぬことを決意したリンネ(谷村美月)と、
それに簡単に同調した
ウタ(北乃きい)、ラン(麻里也)、タマ(永岡真実)の物語。
夏休み最後の8月31日には、
Yahoo!ムービーで1万名を対象としたオンライン上映もやったから
観ている人も多いのでは?」

----確か、一時間ちょっとしかないんだよね。
「そう。だから詳しいストーリー説明は割愛。
それぞれ自分や家庭に小さな問題を抱えているとだけ言っておこうかな。
ただ、今っぽいなと思うのは
彼女らが乳牛とあだ名している牛川(上原香代子)に
いじめをしていること。
牛川は彼女たちへの復讐が生きる活力となっている」

----ははあ、それじゃ簡単に死なれたら困るわけだ。
「物語自体はありふれていて、
ただ、ところどころに
ブラック混じりの挿話を織り込んでいるというくらいかな。
最大の見どころは夜中に雨が降ってきて、
ずぶ濡れになった彼女らが
体を温めようと教科書を燃やすところ。
一冊一冊燃やしながら
数学の公式や古文の一節、日本史の年号を
お互いに暗唱しあう…。
ここはほんとうに楽しげで
祝祭的な雰囲気があったね。
少し『台風クラブ』を思い出しちゃった。
映画って、こういうワンシーンの方が、
全体のストーリーよりも
その映画の記憶をしっかりと補強する気がするな」

         (byえいwithフォーン)

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『太陽』

2006-09-03 11:48:26 | 映画
----ようやく観に行けたね。
「うん。
この映画、日本で公開されたのも驚きだけど、
それが銀座シネパトスってのも意表を突いていた。
『モレク神』のときだったかな。
ソクーロフ監督が昭和天皇を主人公にした映画を作るという
話が流れたとき、
まず日本公開はありえないだろうと思っていたから、
配給のスローラーナーには
その勇気を感謝したい」

----えっ、<勇気>って?
「昭和天皇、あるいは皇室をこのような形で描くのは
タブーとも言える。
戦前は神と言われたわけだからね。
でも、監督ソクーロフから見れば、
それはとても興味深いことだったに違いない。
映画でも描かれるように、
昭和天皇の名の下に<歴史>が動いたわけだから。
その構造を描くということは
ある種の日本人論でもあるわけだけど、
監督としてはそれよりも
あらかじめそのような存在として生まれ育った
一人の人間=ヒロヒトに深い興味を抱いたのだと思う。
だからこそ、ここで描かれているのは
戦争を遂行した強力な権力者ではなく、
自分は人間だと、改めて宣言せざるを得ない
世にも稀な運命を背負った一人の人間の心のうちだ」

----ふうむ。確かにそれは日本人には描きにくい切り口だね。
「だからだろうか、
これは思いもよらなかったことだけど、
ぼくは観ていて何度も目頭が熱くなった。
ソクーロフは天皇に対して悪意を抱くのでもなく、
もちろん神として崇めるのでもなく、
自分の意志では自由にならない運命を持って生まれた人間への
深い慈しみを持って
その人となりに迫っていくわけだ。
そうそう、この映画のラストエピソード、
天皇が下した決断が巻き起こす悲劇を明らかにする
侍従長との会話の中身に触れた評を見かけたことがある。
でもこれは知らないで観た方が衝撃はより大きいと思うよ」

----映像の方はどうだったの?
「撮影を監督自身が兼ねていて、
沈んだ色のない世界が展開される。
イッセー尾形の奇跡の熱演がそこに
さらに厚みを加えていく。
ときおり彼のアドリブかなと思えるセリフなどが入り、
周囲にも笑いが広がったけど、
このあたりはいったいどういう演出なんだろう?
監督が彼に任せたのだとしたら、
スゴい信頼関係だ。
皇居を上空から写したセット、
戦後すぐの廃墟と化した東京、
そして飛び魚の悪夢など、
約2時間を一気に見せきる。
まさに見応え十分の映画だったね」


                                          (byえいwithフォーン)


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※画像はイギリス・オフィシャルサイトより。

『ラフ ROUGH』

2006-08-26 22:52:39 | 映画
----ニャんだか腑に落ちない顔をしているね。
「う~ん。これは何を書いたらいいのか
皆目見当がつかない。
あだち充の原作ファンだったら
すんなり入っていけるのかも知れないけど、
ヒロイン亜美(長澤まさみ)の立ち位置と言うか、
お兄ちゃん・仲西(阿部力)、圭介(速水もこみち)、
それぞれへの想いの比重というか、
その深さがまったく伝わってこない」

----でも、その曖昧さ、
揺れが“あだちワールド”ニャんだよ。きっと。
まずは、お話だけでも簡単に説明してよ。
「亜美と圭介は
同じ和菓子屋同士、
商売敵の家に生まれ、同じ高校に入学。
亜美は高飛込み、圭介は競泳選手として出会う。
亜美と圭介は水泳への情熱を遠し、次第に惹かれあっていく。
だが、亜美には幼馴染みで年上の婚約者がいた。
それは圭介の憧れ、自由形チャンピオンの仲西だった…」

----ほらね。それは亜美だって揺れるよ。
「でも、その揺れが気持ちとして伝わらないんだな。
長澤まさみが健康的すぎるからかな。
市川由衣と並ぶと
その恵まれた体格に改めて目を見張ってしまう」

----市川由衣って、大谷健太郎監督で続けて
『NANA2』に出ているんでしょ?
「そう、宮崎あおいの演じたハチ役。
この映画で認められたのかもね。
そうそう、オープニングは驚いたな。
なんと言っても加山雄三『君といつまでも』だもんね」

----??????

          (byえいwithフォーン)

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『東京フレンズ The Movie』

2006-08-13 21:34:10 | 映画
----これって大塚愛主演のDVDドラマの続編ニャんだって?
それ観ていなくても大丈夫?
「問題ないと思うよ。
あまりにも、だれもが想像する通りの青春ストーリーだからね」

----チラシとか見ると4人写っているようだけど?
「じゃあストーリーを簡単に。
高知の小さな町から出てきた女の子・玲(大塚愛)が
バイト先の居酒屋で3人の女の子(松本莉緒、真木よう子、小林麻央)たちと知り合う。
彼女らはみなそれぞれに夢を追いかけていた。
で、その夢と言うのが……
音楽に、芝居に、絵画に玉の輿…。
これに写真でも加われば天下無敵だね」

----またまた、皮肉っぽいニャあ。
「だって、あまりにも当たり前すぎる。
いつの時代でも若者はそういうものとも言えるのかも知れないけど、
この映画はそこで止まっている。
よくいえば青春の普遍的な姿と言うことになるのかなあ

----でも、えいだってそんな時代があったはずだし、
それって年寄りの戯言にしか聞こえないよ。
「う~~ん。そうなのかなあ。
いまの若い人たちって、
こんなところではとどまっていないと思うんだけど…」

----いや、いつの時代も変わらないんだよ。
若者が夢見ることって……。きっと。
「そうかなあ。
また、それかよって思ったんだけどね。。
さて、話を映画に戻して。
ヒロインの玲は、
バンド『サバイバル・カンパニー』として成功の道を歩むんだけど、
自分をこの道に引き入れ、
音楽の魅力を教えてくれた男・隆司(瑛太)の挫折、
そして失踪が気になって仕方がない。
そんな中、彼をニューヨークで見かけたと言う噂を聞き、
彼女は自分の心に決着をつけるために海を渡る・・・
と、まあ、こんな話だね」

----それは想像ついちゃうね。
向こうでふたりが会わないはずはないわけだから。
玲は、ニューヨークで、愛か音楽かの選択に揺れるわけだ…。
「う~ん。そこはさすがに
ヒロインに一本筋は通させていたね。
ライブ直前にニューヨークに渡り、
なかなか戻ろうとしない彼女に、
おいおい結局は男かよ……と思ったけど、
そういうわけでもなかった。
でも、大塚愛の演技はちょっとね。
自分の喋る順番を待って喋っているのがありあり。
目線もどこか泳いでいたし。
ただ、その彼女がライブになると
まるで人が変わったよう。
一番感動したのは最初の歌だったね。
そうそう、そのバックバンドに平岡祐太。
『NANAーナナー』では演奏できなかったうっぷんを晴らすかのように、
生き生きとしたステージングを見せてくれる。
もちろん演奏が彼自身かどうかは分からないけどね」

----最後までシニカルだニャあ。

     (byえいwithフォーン)

子猫をお願い PCBP-51362子猫をお願い PCBP-51362
※この違い、お国柄だけじゃないはず。

※80年代トレンディ・ドラマを思い出した度
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『M:i:III』

2006-06-25 23:40:26 | 映画
----さっそく先行ロードショーに行ってきたんだ。
どうだった? 監督交代などいろいろあったみたいだけど……。
「正確に言えば先々行ロードショー。
試写で観られなかったブロックバスター作品は、
やはり少しでも早く観たいからね。
でも、フォーンが言うように監督J.J.エイブラムスも映画では新人みたいな人だし、
これまでのブライアン・デ・パルマやジョン・ウーに比べて
こちらの<観る>モチベーションとしては低くなるのは仕方がない。
いくらテレビで賞をたくさんもらったと言っても
映画では、そうそううまくはいかないだろうと……」

----だよね。どうひいき目に見ても格落ちの気がするよね。
「うん。ところがこれが予想以上のでき。
さすがトム・クルーズの眼鏡にかなっただけのことはある。
エンターテイメントはかくあるべしの見本のような作品だったね。
オープニング・エピソードからして観る者を引きつける。
悪の商人オーウェン・ディヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)の
手に落ちたイーサン・ハント(トム・クルーズ)。
ディヴィアンの銃は彼の新妻ジュリア(ミシェル・モナハン)の頭に突きつけられ、。
イーサンは彼から"ラビットフット"の在処を吐くように迫られる。
カウントダウンが始まり、そしてそのタイムリミットとともに
おなじみラロ・シフリンのテーマが流れる」

----ニャるほど。そして物語の発端へと時間が遡るわけだニャ。
「そういうこと。
そこからはもう一気呵成に
イーサンがこのミッションに関わるようになったわけ、
そして<インポッシブル>な<ミッション>の数々が
バチカンや上海など、世界を股に繰り広げられる」

----あれれ、もうそういったアクション大作は飽き飽きと言ってなかったっけ?
「いや、ここまで新しいアイデアを織り込み、
さらにはこれまでのシリーズへのオマージュが込められていたら、
さすがに脱帽するしかないね。
最初のミッションは敵地に乗り込み、
捕らえられた仲間のヘリによる奪還。
しかし、簡単にすむはずはなく敵もヘリを出動。
かつて『ブルーサンダー』という名作があったけど、
ここは、そのときのヘリ・チェイスを思い出したね。
その後、ディヴィアンを捕まえるべくチームはバチカンへ。
ここからはシリーズの名シーンをヴァージョン・アップさせた
緊迫のシーンが続々登場。
上海の超高層ビルの高低差を利用した侵入なんて
ありえるはずないけど、
そんなのまったく気にはならなくなる。
監督のJ.J.エイブラムスいわく
『実際に起こったことを見つけるよりも、
人を惹き付けるストーリーを想像する方がうまくいく』」

----ニャるほどね。それはそうかも。
「さらに彼はこういうことも言っている。
『みんなが期待するスケールの大きなアクションはそのまま生かすけど
キャラクターを中心にした映画にしたかった』」

----でもそれってソリッドなアクションじゃなくなるよね。
「うん。それはそう。
でもね、ぼくはかねてより
今のエンターテイメント・アクションの流れを作ったのは
『スピード』と『トゥルーライズ』だと思っているんだ。
『スピード』はある一定速度以下に落ちたらバスが爆発すると言う
その状況設定だけで映画を押し切ってしまう。
片や『トゥルーライズ』は主人公ハリーが政府の最高機密機関のスペシャル・エージェントで、
その家庭生活までが描かれる。
ハリーの妻は夫の職業を知らず、
またハリーは妻が浮気しているのではないかと疑い、
職権乱用して調べたりまでする。
この『M:i:III』は、自分の本当の職業を秘密にしているイーサンに対して、
恋人ジュリアの中に不安が芽生える。
またイーサンも彼女に真実を明かせないことを悩んでいる。
まさに『トゥルーライズ』パターンだ。
監督もおそらくこの作品を意識していたと思う。
事実その証拠に、長い橋の上での敵の襲撃と言う
『トゥルーライズ』そっくりのシチュエーションがあった。
もちろん、こちらの方が遥かにダイナミックでスリリングだけどね」

----なるほどね。ところで"ウサギの足"じゃなかった
"ラビットフット"って何なの?
「これはマクガフィン」
----なにそれ?
「あんまり言うとネタバレになるからなあ。
まあヒッチコックの『北北西に進路を取れ』を観てよ」


               (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンは興奮したニャ」おっ、これは


トゥルーライズ(DTS EDITION) PCBH-50191トゥルーライズ(DTS EDITION) PCBH-50191
※設定がこれにそっくりと思いました。

ブルーサンダー アルティメット・コレクション TSUC-10160ブルーサンダー アルティメット・コレクション TSUC-10160
※こちらは元祖へリアクション!

北北西に進路を取れ(期間限定) HTP-65016北北西に進路を取れ(期間限定) HTP-65016
※ラビットフットはマクガフィン!?

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『インサイド・マン』

2006-06-10 23:16:54 | 映画
----この映画、初日に観に行ったわけだよね。
それだけ期待も大きかったってことかニャ?
「『その時、犯人は人質全員を共犯者にした。』
この一文読んだら、誰だってオモシロそうに思うじゃない」

----その言い方からすると、そうでもなかったわけだ?
「う~~ん。
試写で観たわけじゃないし、ズバリ言っちゃおう。
事前に読んでいた資料の方が
まだ想像をかき立てられてよかったね」

----どんなところがオモシロそうに見えたわけ?
「物語はマンハッタンの信託銀行を襲った
ダルトン・ラッセル(クライブ・オーエン)をリーダーとする強盗一味と
それに立ち向かうフレイジャー捜査官(デンゼル・ワシントン)を軸として進んでゆく。
この銀行強盗犯は、行員や客に自分たちと同じ格好をさせる。
つまり、だれが犯人なのか、まったく分からなくしてしまうわけだ。
一方のフレイジャーは、
犯人たちの要求がジャンボジェット機などと、とてつもないことに加え、
具体的要求が少なく、
時間稼ぎしているようにしか見えないことに不審を抱き始める。
そこで彼は犯人たちと交渉。
行内へ入り込み、思い切った行動に出るが……」

----それは確かにハラハラしそうだ。
「ところが、これが実に緊迫感に乏しい。
フレイシャーの想像どおり、
この強盗一味は<別の理由>で行動しているから
まあ、これも仕方がないんだけどね。
でも、あまりにも<ユルくて>サスペンスを期待すると
がっかりしてしまう。
もっとも、それもスパイク・リーの計算なのかも知れないけど…」

----タイトルからすると、
人質の中に犯人と通じあっているものがいるのかとも思ったけど?
「いや、それもなきにしもあらずだけど
文字どおり犯人たちは<インサイド・マン>(笑)」

----??????どういうこと?
「まあ、観てみてよ。
そうそう。
映画ネタもいくつか入っていて
ダルトンはフレイジャーを『セルピコ』呼ばわりする。
あと、傑作だったのは
最後まで下着姿になることに抵抗していた
人質の女性(初老?)が『ダーティ・ハリー4』の決めゼリフを口にすること」

----それって「Go ahead ,make my day」のこと?
「うん。これはほんと笑えたな。
このセリフは昨年American Film Instituteが発表した
アメリカ映画名セリフベスト100の第6位。
ちなみに一昨日話した
『カクタス・ジャック』では『タクシードライバー』の
『You talking to me?』が使われていた。
こちらは第10位だったかな」

-----ニャんだか、映画の話を避けているみたい。

                 (byえいwithフォーン)
セルピコ<デジタルニューマスター版> TBDL-1065セルピコ<デジタルニューマスター版> TBDL-1065
※『セルピコ』の意味はこちらで……。

ダーティーハリー 4 DL-21512ダーティハリー 4 DL-21512
※女性のセリフ「Go ahead ,make my day」はここが元ネタ。笑えました。


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『かもめ食堂』

2006-04-08 23:02:08 | 映画
「この映画は映画館で観て大正解!」
----うん。どういうこと?
「映画の中の世界が
ほんとうに、のんびりゆったり。
そう、この映画は休みの日に、
ふだんの煩わしいことをすべて忘れて、
のんびり平和に過ごす……そんな感じの映画なんだ」

----でも、それって環境ビデオと同じじゃ?
映画であるからには、なにか監督のメッセージとかあるんじゃないの?
「う~ん。そうだね。
思うに、監督の荻上直子は現代のぎすぎすした日本にあって、
みんなが忘れているもの失っているものを
映画の中で思い出してもらおうとしてるんじゃないかな。
だからこそ、日本とは風土がまったく異なる
フィンランドで撮影したのだと思う」

----この映画って確かフィンランドで
「かもめ食堂」を開いている女性の話だよね?
「そう。小林聡美扮するサチエが店のマスター兼オーナー。
そこに日本からそれぞれの事情を抱えて
ミドリ(片桐はいり)、マサコ(もたいまさこ)が現れる。
ミドリは、サチエに、なぜフィンランドで店を開いたのかを問うものの、
サチエは、それにははっきりとは答えずにはぐらかす。
この映画では、彼女の過去は一切その口からは語られない」

----と言うことは謎の人ってこと?
「いや、そう言うわけじゃない。
サチエにとってはすべては現在なんだね。
客は全然来ないのに毎日食器をきれいに磨き上げ、
その日のための準備は怠りない。
そこに彼女のプロとしての生きざまが反映される」

----えっ、お客がいないの?
「うん。
それを見かねたミドリが、フィンランドの人に合わせて
ザリガニやトナカイの肉、ニシンなどのおにぎりを提案。
サチエは、わざわざ食材を買ってきたミドリの気持ちを思いやり、
おにぎりを作ってはみるけれども、
やはりプロとしての判断から、それはメニューには取り上げない」

----でもそんなんじゃ、お客増えないでしょ?
「いや、それが徐々に来るようになるんだね。
そのきっかけとなるのがシナモンロール。
それまで和食とコーヒーだった『かもめ食堂』にとって
それはまさに画期的メニュー。
ぼくは、この映画のポイントはここにあったと言う気がする。
つまりミドリの行動がきっかけで、
サチエは『かもめ食堂』に緩やかな変化を受け入れたと言うことなんだ」

----ふうん。でもいくら現在、現在と言っても
他のふたりは旅人ななんでしょ?
いつかは別れがくるよね
「うん。寂しくなるよね。
でもそれに対するサチエの言葉がスゴい。
『人はみんな変わっていくものですから』。
この言葉に、口では語られない彼女の過去が凝縮。
歩んできた人生の重みが現れている。
ある意味、このような<平和な>暮らしは
それなりの経験を積んできた人のみが手に入れることができるものなのかも……」

----う~ん。えいにはまだまだだね。
「mmmmm………」

            (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンもおなかがすいたニャ」小首ニャ

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