ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

北アルプス 追悼の涸沢8

2019年09月15日 20時51分19秒 | ウォーキング

まず部屋に入ります。



二段ベッドが部屋の奥まで続いており、
doiron達の部屋は二階の奥です。



ああ、丁度この真上あたりが
先ほどのテラスなんでしょうねえ。
今日は布団が6つ並べた部屋に
5人が寝る状況になるようです。
まあ、夏場はもっと詰め込むようなんですが、
こんな感じはだいたい予想していた通りですね。

乾燥室にカッパや濡れた短パンや
Tシャツを干しに行き、
それから屋根の低い部屋で着替えます。

うかつに前に進むと
梁で頭を打ったりしますので、
部屋では猫背で移動です。

荷物の中から、首藤さんの写真と
お骨を出し、さあそれでは
追悼にぴったりの場所を
探しに行きましょう。

条件はまず見晴らしがいい所です。
ここだと前穂の尾根や奥穂、
北穂が見える場所で、
吊尾根なんかもよくわかる
場所がいいですね。
そしてもう一つの条件は、
人が来ないところがいいですね。

先ほどのテラスに上がって
全体の様子を眺めます。

まあ景色はこのカールの下部分なら
問題ないでしょう。
結局目立たず岩の間を
縫うように上がって行き、
いい場所を見つけました。
ここに眠ってもらいましょう。



すこしのお骨を埋め、
写真を置いてT本さんとお祈りします。



「首藤さん、いい所やで」



「毎日素晴らしい景色を眺めて暮らしてや」



「あの世で百名山登っててや」



二人で心の底からお祈りしました。

手を合わせていると、
沢から気持ちよく風が流れてきましたね。
「ありがとう」という声が
聞こえたような気がしました。

それに、写っている乾杯している写真と、
設計の雪の形が本当に
首藤さんによく似ているのも驚きでした。



大自然の中で素晴らしい時間を
首藤さんにいただいた感じでしたね。
残念ながら、写真とかは
置いておけないので持って帰ります。
二人でしんみりと部屋に戻った後は、
また外に出て日本酒で乾杯です。

そうそう、そこで少し着替えようと
長いズボンに履き替えてたら、
足のミサンガがポロリと外れて落ちました。
ああ、これもまた大切なことを
成し遂げたという証なんでしょうねえ。

ちょうどいい時に外れたものです。
お酒飲みながら
「T本さん、もう知り合いが
なくなったからって
言ってここへ来ることは
もうできないよなあ」
「当たり前やん。首藤さんの墓参りも
勘弁してもらお」と
話し合っておりました。

三人で行った紀伊半島一周の旅、
東北旅行、九州旅行の話なんかは
盛り上がりましたねえ。

晩御飯で食堂に行く時も、
マグカップに日本酒を注いでいきます。
食事はこんな感じ。



サバと豚肉がメインでしたが、
山だったらこんなものでしょう。

日本酒を飲みつかれた我々は
部屋で9時の消灯とともに、
爆睡をしました。

でもすぐにトイレで目を覚まします。

こんな時に起きるのは
山やから体調がいつもと
違うのかなあと思い、
外のトイレにヘドランプもって
出ていきます。
あ、このヘッドランプは萩の
250を走るときに買ったものね。
今でもくっきり使えます。

トイレは外にあるので、
雨降ってるかなあとおもいつつ
部屋から出ていきました。
どうやら雨は大丈夫のようです。
そしてそのときです。
頭の上にかかっていたガスが
一気になくなり、
満天の星空が現れました。

その時テラスに居てた人も大騒ぎです。

「星が出たぞ~」と騒いでいます。

doironも思わず見晴らしの
いい所に上がりました。

天の川が流れ、もうこぼれてくるんじゃないか
というほどの星がそらに輝いています。



地表近くの雲の中からは
雷の光が時折漏れてきたりと、
幻想的な風景です。

5分くらい眺めたでしょうか。
すると下の方からガスが舞い上がってきて
星々は消えてしまい、
雨がふり始めました。

その雨は朝まで降っていたようです。
日本で一番きれいな夜空
たった5分間だけ晴れ上がった
満天の星空を
doironは見せていただきました。
きっと首藤さんが、
「僕は今ここにいるからね」
といって見せてくれた
満天の夜空だったと思います。

涸沢に墓参りに来なくても
夜空に居るからねという声も
聞こえたような気がします。

続く