街や山の歩行時の楽しみのひとつに、
アウトドアでの食事がある。
たまには田舎の食堂で、
ビールを飲みながら
定食をつつくのも悪くないけど、
自分で湯を沸かして作った
インスタントラーメンをあずまやなんかに座って
ハフハフ言いながらすする幸せ感といったらあなた、
防波堤で波の音を聞きながらする
昼寝の幸せにも匹敵するのですよ。
まあ、ささやかな幸せではあるんですけど・・・。
そんなささやかな幸せを演出するツールとして、
先日簡易コンロを買ったことは
このブログに書いた。
今日はそのコンロと
さらにお友達関係を深めようと、
いろいろと調べたことを書いてみよう。
このコンロで使用できる燃料は、
大きく分けて3種類ある。
まず最初は工業用アルコール。
それにはメタノールとエタノール
もしくはその混合体がある。
昔理科の実験で使った
あのアルコールランプの燃料である。
これらを燃焼させたときの熱量はというと、
最近はジュール(J)の単位が用いられるので
ややこしいから旧来の方法で表示すると、
メタノールが約5500kcal/kg、
エタノールが約7100と
熱量的にはエタノールが勝っている。
これらはいずれも液体燃料である。
持ち運び時には密閉容器が必要なのと、
扱いが液体だけに飛び散ったり、
燃焼時に混合気がたまりすぎると
爆発するという性質があり、
火事など、アウトドアで思わぬ事故に
つながったりする危険性もはらんでいる。
そこでふたつめに、
それに酢酸カルシウムなどの薬品を入れて
固形化した固形アルコールという燃料も作られている。
有害性や引火性を考慮して
なじみやすく、一般に広く使われており、
アウトドア燃料でも
昔からお馴染み「メタ」がその仲間だ。
旅館に泊まったらさ、ほら晩御飯の時に出てくる
一人用のコンロのようなものにも
使われているやつを想像すればいい。
ほかに、ヘキサメチレンテトラミン
という物質を固形化した
「エスビット」
という燃料もある。
ススも出にくいこともあって、
最近はこれがよく使われている。
これ。
熱量も約7500kcal/kgと高カロリーなので、
少しでも軽量化できるというメリットがある。
写真のエスビットは1個4gで
燃焼時間が約6分。
熱効率を無視すると、
理論上は燃やすと4gで
30kcalの熱を放つ。
0℃300mlの水を
沸騰させることができるわけだ。
ドイツ軍ももっぱらこれを
使用しているそうだ。
戦争の是非は別として、
命を賭けた戦場で使用するというのだから、
その信頼性は高いだろう。
doironもコンロと共に
この燃料を買った。
この燃料は窒素を含んでいるその成分上、
ほんの微量のシアンガスが出るので、
テント内など密室での使用は避けた方がいいのと、
なぜかとってもカニ臭くて、
部屋に何もせずに置いておくと
微妙に日本海のカニ漁港のような匂いが
部屋中に充満するという欠点もある。
液体燃料、固形燃料と来て
最後にもうひとつ、
ジェル燃料
というのがある。
BBQの着火剤としても
お馴染みのやつだ。
こういう燃料を色々試してみたブログが
ネットの中にいくつもあった。
中には動画撮影をしているものまである。
その中のひとつにあったのが
ダイソーの、つまりは100均の
ジェル燃料を試してみたら
具合が良かったというのもあった。
そこで、試しに買ってきた。
これ。
メタノールを主成分とする燃料だ。
108円で4袋入り。
1袋あたり約27gの燃料が入っており
18分間燃焼とある。
これもすべてメタノールであると仮定し、
熱効率も無視すると、
理論上は145kcalの熱を放つから
1.4リッターの水を沸騰させられることになる。
とまあ、それぞれの燃料の特性を踏まえて、
持ち運びの簡易さ、
燃焼時の安全性など検討した結果。
このコンロに慣れるまでは、
固形燃料のエスビット、もしくは
このジェル燃料を愛用しよう
と思っている。
ではどれくらいの量を
持ち運べばいいのか。
次にdoironが持ってる山道具で
湯を沸かした場合の熱効率を測定してみよう。
メラメラと続く。