レストランの玄関でお友達が出迎えです。
では昼食をいただきましょう。
アナグマ定食。
そ、そんなんはない。
これ。
うう、たかがほっついているだけなのに、
予算はオーバーしなくても
カロリーはオーバー気味じゃないか。
せめてよく噛んで口を運動させながらいただこうっと。
モグモグ、グビグビ
さてお腹がいっぱいになったところで、
再スタートだ。
欄干についているのが、
「スライム」・・・ではなくて「擬宝珠」。
唐橋は何度か付け替えられたり、
改装されたが、この擬宝珠は
昔からのものを踏襲しているそうだ。
ただ、付け替えるたびに年号を削ったり
書き直したりしているそうで、
どれが古いんだか新しいんだかよくわからない。
これは残念だ。
橋を渡りきると、
そこに「唐橋流心水質自動監視所」がある。
中を覗くと、いろんな測定器が動いていた。
以前水質測定の仕事に関わっていた頃もあるので
ちょっとなつかしいぞ。
さあ、この橋を過ぎれば、
近江八景より
瀬田川に架かる橋も、
本日のゴールである南郷洗堰までない。
また特に名所旧跡もないので、
歩きに専念することになる。
唐橋から洗堰までの両岸は
散歩道として整備されている。
その名も「瀬田川ぐるり散歩道」。
ぐるりと一周約7キロのコースだ。
近所に住んでいたら、
ずえ~ったいランの練習コースだっただろう。
あ、並行している道路をバイクで走り、
瀬田川を泳げばトライアスロンも可能やな。
いや、このあたりは川幅も広いため
川面は鏡のように穏やかで、
こんなボートでの遡行もいれれば
もっと種類の多い複合競技だって可能じゃん。
などと妄想を抱きつつ新幹線の下をくぐり、
自然の草花も残しながらも
よく整備された川沿いの道を気持ちよく歩く。
対岸には石山寺界隈が見えている。
近江八景より
あ、こんな距離票もある。
むむ、まだたった1.6キロしか進んでいないぞ。
がんばろう。
少しの区間、河原の林が生い茂っているので
一般道に出てしばらく歩道を歩いていると
京滋バイパスをくぐる辺りから
再び河原の道へと降りていく。
ああ、ようやく落ち着いて歩きに専念できるなあ、
と思っていたらなんと道端に
山ほどのナワシロイチゴが実っていた。
最初は無視していたのだが、
あまりにもたくさんの赤いつぶつぶが
「私を採って~」とつぶらな瞳で
ささやきかけてくるものだから、
じゃあ朝食5、6回分くらいのジャムにしてあげよう
と採りはじめたら夢中になってしまった。
ひとつひとつの実がとても立派で、
ホロホロと取れる。
それをチマチマと、採っていくわけだ。
ひとつの実を撮っていると
横から次のイチゴが
「おにいさん、こっちにも粒よりの
実が揃っているわよ~」と葉っぱの陰から誘惑してくる。
チマチマがチマチマチマチマとなり
瞬く間にビニール袋の底に
両手に山盛りになるほど採集できた。
こんなに豪勢にキイチゴ狩りができるとは、
恐るべし瀬田川。
その夜、イチゴ狩りをするという夢にまで出てきた
歓喜のひと時であった。
思わず後日絵にも描いたほどだ。
しかし歩いている人の姿も
チラホラ見えているというのに
みんなどうして採らないのだろう。
後日、ジャムにした姿がこれ。
これがまた焼きたてのパンに塗ったら、
夢に見そうなほどうまかった。
ひと粒の種からこれだけの実をつける、
さすがにイチゴという字は
草かんむりに母と書くだけのことはある。
そんな淀川の恵みに感謝しながら
てくてく歩き続け、
ようやく遠くにこの日のゴールである
「南郷洗堰」の姿が見えてきた。
これが洗堰の姿。
水を止めて、たらいで洗濯するどころではない。
土木技術の粋を集めた
とっても近代的な堰なのだ。
堰の上を水が洗うように流れて行くことからついた名で、
役割としては琵琶湖の洪水防止、
渇水時の流量調整などとても重要な堰だそうだ。
あわせて堰の上には道路があり、
瀬田川周辺の交通の要所でもある。
さて今回の歩行はここまで。
合計9キロほどの歩行であった。
9kmから先はアプリ停止を忘れていて
バスの経路が残ってしまった。
川の流れが秒速1mだとすると、
ほぼ同じような速度で歩いてきたことになる。
近いうちに、ここから続きを始める歩行に
再び来ようと石山寺までバスで引き返しながら
考えていたdoironなのだった。
ひとまず終り。