ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

熊野古道 雨のち晴れの峠越え 4

2014年11月28日 21時56分37秒 | ウォーキング

鹿ヶ瀬峠を水源とする川が作る谷に沿って、
湿地環境に木道を渡した
「熊野古道公園」が左側に続きます。



う~ん、かなり荒れています。
中途半端に開発するのなら、
ない方がいいような気がしますねえ。

一方、古道そのものはというと、
いい具合に古びていて、
苔むした道が「古道」らしさを演出していました。



法華堂跡にはベンチが置かれ、



こんな歌碑も置かれています。



そして、その道を挟んだ向かい側には
1400年代の年号を刻んだ、
日高郡最古の板碑が並んでいました。



ちなみに日本最古の板碑は
福岡県宗像市にある鎮国寺の板碑で、
1119年の紀年銘があるそうです。

さらに下って行ったところにあるのが

「金魚茶屋跡」です。



昔、宿場町だったこの地域にあった茶屋のひとつで、
店の前に池を作りそこに金魚をはなしていたことから
こんな名前がついているそうです。

人里に出てからは、県道を出たり入ったりと
縫うように古道が続きます。



歩いていると、年配の女性が声をかけてきて、
こんな会話をかわしました。

「歩いてはるんやねえ。どこから?」
「今日は湯浅です」
「雨もあまりふらずによかったねえ」
「いや峠の登りはずっと雨でしてん」
「おお、それは難儀されたでしょうどうもすみません」
と謝ってくれました。

いやあ、雨が降ったのは
おばさんのせいじゃないですから~。

天になり代わって、こんな風に謝られたら
かえってこちらが恐縮してしまいます。

道沿いに黒竹の林もある古道を下っていきます。



そうそう、今さらですが
黒竹は何と読むでしょうか。

「くろだけ」と思って入力すると
「黒田家」が現れますからご注意を。

実は「くろちく」と読みます。

おお~、馬留王子の道案内もありました。



しかし・・・待てよ・・・。

まだ沓掛王子を通っていないぞ。
見逃すはずないんやけどなあ、
と思いながら空を見上げた時に、



その上にある熊野ブルーが目に入りました。

これが、沓掛王子跡です。



沓掛といえば、加茂郷に「沓掛松」があったように、
山と平地の境で沓を替える場所の意味で
つかわれるようですねえ。

ここも、峠と御坊の街並みの
境目にあたる場所のようです。

この弘法大師が岩に地蔵尊を爪で書いたという
爪書き地蔵は、



どうやら信仰心のない人には
姿は見えないそうです。

見えるかな?とこわごわ覗いて見ますと・・・



見えました。

よかったよかった。

このあたり、熊野古道はなおも
県道を縫うように行きますが、
場所によっては道路の拡幅で
消えてしまいそうになっている場所もあります。



ここなんかはまるで
民家の軒下をかすめるように
歩いていかなくてはなりません。



この熊野ブルーには「馬留王子跡」とありますが、



峠の手前にあった王子と区別するために、

「西の馬留王子」

といわれています。

おお、ここでは一里塚跡の石標が
ブロック塀の間に挟まっています。



その先で県道と決別する地点に
かかっているのが「滑橋(なめらばし)」です。



下を流れる川がこんな風に「滑(なめ)」になっていることから



つけられた名に違いありません。

ここからは畑に囲まれた
気持ちのいい道が続きます。

土手には、吾亦紅(ワレモコウ)の花も咲いていました。



おっと、この辺は王子の荒稼ぎです。
すぐに現れたのが、ここ「内ノ畑王子」。



広々とした眺めのよいところにある王子でした。



峠を降りてきてホッと一息といったところでしょうか。

なおも気持ちのいい道を歩いて、
本日の最後である
「高家王子」にさしかかるところに、
休憩所があったので、
ちょっと遅い昼食を摂りました。

この頃になると雨もすっかり上がっていました。

今日の昼食はこれ。



う~ん、やはりワンパターンやなあ、
次回はもう少し工夫してみるかな。

目の悪い女の子が飛び込んだら
目が見えるようになったという伝説のある、
「愛子(まなご)の淵」を訪ねた後、





「高家(たいえ)王子」にお参りしました。





ここはスタンプポイントです。

そのあと紀伊内原の駅まで歩き、





電車に乗って湯浅に戻ると案の定、
高校生たちの下校時刻とぶち当たりました。

「あの変なおっさん、朝もいたぞ」

なんて話をしているかもしれません。

雨のち晴れの鹿ヶ瀬峠越えの旅、
これにてなんとか無事終了です。

ナビは山の中すぎて電波を拾えず
途中で止まってしまっていました。
残念。

次回は秋たけなわの御坊の街を歩きます。

お楽しみに。