ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

ゲロマエロマエ

2014年04月26日 21時38分40秒 | 生活

doiron一行が宿泊した宿は、
昭和24年に創業した
老舗の「小川屋」さん。



大浴場に続く廊下には



創業まもない頃の下呂温泉の写真も飾られています。



飛騨川沿いにあるこの旅館の
大浴場は地下一階にあります。

なぜ地下なのかというと、
道路の下をくりぬいて、
飛騨川の堤防斜面に露天風呂を作っているからです。



そこに入ると、目の前に広大な飛騨川が広がります。

そんな露天風呂もいいのですが、
ここの温泉の目玉が

「畳風呂」

大浴場の周りにぐるりと畳を敷き詰めてあり、



その上でお湯をかぶったりするのは
何となく畳を蹂躙しているような
感覚がしないでもありませんが、
足裏に感じるソフトな感覚は
とても非日常的で旅心を増幅させてくれます。

きっとあのルシウスがタイムスリップしてきたら
目を丸くして驚くでしょう。

ゲロマエロマエと命名したいほどです。

入浴前に旅館の人に取材をしたら、
下呂の由来であるとか、
マスコットであるカエルのことなども
いろいろと話をしてくれました。

そしてなんとタイミングがいいことに、
この夜には飛騨川河川敷で
太鼓演奏のイベントと花火大会があるとのこと。

これは全くのうれしい想定外でした。

う~ん、日頃の行いが
こういう時にはモノを言いますね。

ゆっくりと温泉につかってから、
お楽しみの夕食に向かいます。

この地方の食材といえばやはり飛騨牛です。
それを朴葉味噌を敷き詰めた上で焼いていただきます。

こんな感じ。



ちょうど宴もたけなわのその頃に、
飛騨川の対岸の太鼓演奏が聞こえてきました。
それを聞きながら、
おいしい料理に舌鼓を打っているうちに
花火の打ち上げ時間が迫ってきたので
急いで部屋へと戻りました。

そう、部屋の窓から花火が見えるのです。

気持ちいい川風に吹かれながら
ベランダで待っていると、
静かな温泉街に大音響をとどろかせながら
花火が次々と打ちあがりました。



時間にして15分と短い間でしたが、
浴衣を着て缶ビール片手にながめる花火は最高でしたな。

下呂温泉はそんなイベントでも頑張っていましたが、
見所も結構あるところです。

これは「飛騨街道」が
この地を通っていることを示す道標です。




温泉街の各所に立っておりました。



飛騨街道は中山道の太田宿(美濃加茂市)
と高山を結ぶ街道です。

昨日も書いたように、
当時この温泉は「湯之島」と言われていました。



険しい山道も通ってきた旅人にとって、
この湯之島は極楽のようなところだったでしょう。

当時の旅人の装束が、
下呂温泉の東のはずれにある
合掌造りの里の中の民族資料館に展示されておりました。



こんな道中合羽を着て、



こんなわらじで山を越えたんですねえ。



世が世ならきっとdoironも
こんな装束で歩いていたのかもしれません。

ちょうど桜が散り初めの下呂合掌村には、



国指定の重要文化財「旧大戸家住宅」をはじめ



10棟の合掌造りの民家があります。
残念ながら、それらは元からここにあったものではなく、
白川郷などから移築したものだそうですが、
建物の中には往時の生活をうかがわせる
展示や仕掛けがあって
それなりに楽しめる施設になっています。



あ、そうそうこの合掌村の中には
ちょっと珍しい神様を祀った神社があります。

これ



料理の神様三柱を祀ってあるそうです。
隣には包丁塚もあります。



料理の仕事に携わる人はぜひ
お参りしておきたいところです。

doironも料理当番が無事に果たせるよう
お祈りしておきました。

下呂温泉には、
歌碑も多く建てられています。

大半は野口雨情のものです。

茨城県に生まれ、
北海道で新聞記者をしていた時期もあったという彼には
ちょっと親近感を覚えます。

昭和の初めにこの温泉に遊びに来て、
下呂小唄を作った事が縁で、
童謡会の三大詩人と言われた彼の書いた歌の碑が
いくつも温泉街に建てられたそうです。

これは「益田川さえ雨降りゃ濁る わたしゃ心は濁りゃせぬ」。



益田川は今の飛騨川のことだそうです。
そしてこれには



「下呂の河原の月待草の 花は夜咲朝しぼむ」
と刻まれています。

いずれも七五調のいかにも童謡詩人らしい言葉ですが、
温泉街を逍遥する彼の姿が
言葉の陰に見え隠れしているようです。

そうして下呂を満喫し
翌日、お世話になった旅館をあとにして
doironが次に向かったのは
伊那市にあって
「天下第一の桜」と名高い
タカトオコヒガンザクラが
ちょうど満開となっているはずの
高遠城址公園なのでした。

続く