ハブ ア ナイス doi!

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全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

熊野古道紀之國人情編 2

2014年04月17日 20時23分17秒 | ウォーキング

導き石と歴史研究会の案内板に導かれて、



のどかな道を進んでいきますと、

「おや」?案内が左右に分かれています。



左が熊野古道となっています。
大阪では「熊野街道」と称されていましたが
紀州に入った頃からは
一貫して「熊野古道」と表示されているようですので、
ここからは熊野古道と記すことにしましょう。
タイトルも替えました。

そして分岐を右にとると何があるのかというと・・・

驚きました。

「小栗橋」と書かれています。

和泉市と忠岡町の境界あたりにあった
橋の名前と同じです。



紀州にも、あの小栗判官と照手姫の伝説は息づいているんですね。

「小栗」の名前がなんだか懐かしい気がしました。

看板の表示によりますと
橋まで70mと近いので行ってみました。

そしたら、そこに踏切がありました。

先ほど電車に乗って通過したはずの踏切です。

じゃーん、



踏切の名称は、その名も「小栗踏切」となっていました。

で、橋は?と見渡してみますと
踏切の先に小さな橋が架かっていました。
これが熊野街道(古道)2番目の
「小栗橋」です。



案内板もありましたが、



線路の整備、水路の改修などで
若干位置が変わってるようです。
手持ちの資料によりますと、
いまはそこにかかる小さな橋を
小栗橋と呼んでいるようです。

いにしえを感じさせる名称が、
さり気なく残っているとうれしいものです。

先ほどの分岐に戻り、熊野古道を進んでいきます。

水路にそって区画整理された田畑の間の道を歩いていきますと、



左に赤十字関連の建物越しに、
高積山が見えていました。



あとでわかったのですが
この高積山にある神社は
紀州において相当重要な位置づけになっているようです。
道理でこの山は街道沿いにとっても目立っているはずです。
この神社のことはまた後ほど。

道端にはコンクリートの隙間にスミレも咲いています。



県道を渡り、案内を見ながら
村の中をくねくね歩いていくと、
川の流れる昔ながらの村の風景に出合います。

「ここで遊ぶな」と言われてもねえ。



民家の裏には川面に降りていく石段もあり、



かつてはこの川で洗濯したり
大根を洗ったりとかしてたんでしょうね。
昭和な雰囲気です。
このあたりの光景の写真は
この区間を紹介するときに
象徴的によく使われているようです。

川のそばに地蔵堂がありましたので、
立ち寄ってみますと、



ここの地蔵堂にも石仏が何体か置かれてありました。

思えば紀州に入ってからというもの、
地蔵堂の中の石仏密度が高い。

ほとんどの地蔵堂が石仏で犇めき合っているような状態でした。





紀州の地蔵は賑やかなのがお好きなようで・・・
ではなく、きっとあちこちにあったものが、
開発や区画整理、圃場整備に伴って
集められてきたんでしょうねえ。
まさか地蔵さんまでが紀州気質にのっとって、
さみしかろうと親切に集められたんではないでしょう。

このあたりでも道を歩いていると、
道行く地元の人によく「こんにちは~」と声をかけられます。

「熊野古道を歩いている人には声をかけて、
地域の発展につなげましょう」と、
まるでそんな運動でもしてるのかなと
勘ぐってしまうほどです。

菜の花畑がむせるような香りを放つなか、



紀州の人々の人情もほのかに香り立っていました。

見えてきたのが国の重要指定文化財である
「旧中筋家住宅」です。



江戸時代末期の庄屋屋敷とのこと。



そんな庄屋屋敷だけでなく、
このあたりには大きな家がたくさんありました。



街道をそれて少し中に入っていくと、
歓喜寺があります。



そこは昔街道を行く人たちの
接待所にもなっていたそうです。

布施屋を出たばかりで
またここでも接待とは、
昔の旅人は恵まれていたんですねえ。

元の道に戻る途中、
畑で作業中の男性から、
「今日は海南まで行くんかあ?」と声をかけられました。

「まあビールでも飲んでけや」
と接待してくれるんではないんですか。
とは、よう言いません。

「伊太祁曽までです~」と返しておきました。

静かな古道を歩き続けていくと、
やがて道は県道を横切ります。

その交差点近くに、
「和佐王子跡」があります。



公園のように整備されています。



ネットでは殺風景な公園だと
あまり評判はよくないようですが、
ベンチもあってdoiron的には
好感度の高い公園でした。

ちょうどそろそろお昼でしたので、
ここで食事をすることにしました。

王子跡でお弁当を広げるのは初めてです。
休憩所でもあった王子本来の
役目を味わいつついただきましょう。

次回に続く