ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

一生に一度の一日

2012年08月23日 23時07分24秒 | weblog

甲子園で開催されている
夏の全国高校野球。
決勝カードが春の選抜と
まったく同じであっても
それがどうした。

パラリンピックに出場する選手が
ロンドンに向かった?
はい、がんばってちょーだい。

尖閣や魚釣島に
外国人が不法侵入したといっても
それどころではない。

また、シリアの内戦で
お気の毒な犠牲者が出たとしても
申し訳ないが、
いつまでも哀悼の意に
浸っていられない。

え?金星が月の陰に隠れた?
はいはい。そうですね。

普段だったら、オヨヨと反応する出来事も
今は、頭の片隅をかすめていくのみである。

とにかく今日は、
一生に一度の頭屋なのである。
どんな世間の出来事をも凌駕する
doironの一大事なのである。

早朝5時から活動開始。
まず、地蔵堂の軒下向かって右側の一番前に
doironの名前が入った提灯をつるす。
これによって、この地蔵さんを知る人々に
頭屋であることを宣言するのだ。
早朝から提灯をつけに来た
村の人がみんなdoironの姿を見つけては
「おめでとうございます」と言ってくれる。
そうか、おめでたいことなんやな。
こうして地蔵さんに入会するまで
生き延びてこられたわけやからね。
doironの場合、わけてもおめでたい。

地蔵堂の鈴の紐をdoironの
名前の紐に替え
昨年一年間つるしてあった
鈴の紐を燃やし、
一年の役割を労う作業もある。
燃やした灰は、近くの川に
流させてもらう。

その後は、村の人々が一堂に会して
夕方のお唱え後に配るおにぎりを握る。

災害地の救援おにぎりのことなど
まったく陰を落とす余地もないほど
当たり前の村行事なのである。

多分村の人々は
近々地球が破滅するといっても
集まっておにぎりを握るだろう。

それほど、世間とは隔絶された
村人たちの一大行事なのである。

一日中、全身全霊で動き
ちょっとしたエアポケットの時間帯に
セイゾー君が現れた。
ランニングの途中なんだそうだ。
言っておくけどあんなのんびりの
時間ばかりが過ぎていたんじゃないよ。
あの時は、会食でたらふくビールを飲んで
ちょっと、お供え見張り番を兼ねた
酔い覚ましの時間だったんやからね。

お唱えのあと、おにぎりを配って、片づけをして
ようやく、今日の仕事は終わり。
あとは、来年の頭屋への引き継ぎという
重要な任務が残っています。

真夏の日差しの下で
ウロウロしていたので
すっかり日焼けしてしまいました。
特に首筋がヒリヒリします。
トライアスロンのトレを頑張ってた頃は
まったくこたえなかっただろうけど、
もう今は、透き通るような白い肌となったdoironには
刺激が強すぎました。

こんな日焼けをわが村では

「地蔵焼け」

と言うとか言わないとか・・・
言わへん、言わへん

おまけに、これまで
全身ずぶ濡れの汗をかいても
全然平気だった首筋や胸元に
あせもがいっぱいできました。
そのブツブツはまるで

「地蔵さん」

う~ん、これでdoironも
晴れて地蔵の仲間入りですかいな。

夕方には、遠くでゴロゴロと
雷が鳴り始め心配しましたが
doironの日頃の行いの良さが
功を奏して、無事すべてが終わりました。

こうして
世間で何が起ころうが
誰が泣こうがわめこうが
お構いなしの地蔵一色だった
一生一度の頭屋の特別な一日が終わりました。

それにしても
一生に一度かあ・・・
でも、よくよく考えたら
何も今日だけが一生に一度の日なのではないんだよね。
毎日が一生に一度の一日なんだ。
だから、明日も、それからも日々しっかり生きていかねばなあ。
頭屋の指定席となるお寺さんの右横で
お唱えを聞きながら、そうしみじみと考えているときに
ふと見上げた地蔵さんの顔が
ちょっと笑ったような気がしたな。