雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

面白南極料理人

2010-07-14 22:10:22 | 

西村淳著"面白南極料理人"を読みました。
第38次越冬対に調理担当として参加した西村さんの
実話です。
1996年12月にしらせで出発して40日で南極へ
到着です。行くはドーム基地です。昭和基地より
1千㎞離れた場所にあります。雪上車で約19日かけて
ドーム基地に到着です。ここで1年間を過ごします。
隊員の人数は9名です。食料は約11トンです。
これを雪上車でひっぱっていきます。
この食料は普段おいそれと口にできない超とつく豪華な
ものです。米沢牛、蟹、鯛などなど。
隊員の誕生日にはパーティが開かれます。そのメニーは
レストランのコース料理のようです。
お酒もふんだんでみんなかなり飲んだようです。

気温は-70度になることがある南極です。
何か起こっても誰も来てくれません。研究隊員と生活を
サポートする隊員で成り立っていますが、たった9名しか
いませんから何かやるとなると全員で協力してことに
あたります。
雪上車が凍り付いて動かなくなります。ラジエター、
バッテリーをはずし液も抜き取っておくことと引継ぎが
あったのにさぼってしまったからです。ちょっと離れた
場所に置いてある命の綱の燃料が運べなくなりました。
燃料が切れたら凍死してしまいます。さてどうするか、
隊員のドクターがドラム缶を1個ずつそりから落として
人力で運んでみると言い出して実際に運んでしまいます。
こうして危機から脱出しました。

ちょっと気を抜いたら命に関わる日々です。
ほんとにきびしい生活です。
外を散歩しようなんてことも出来ない極寒の地で9人が
ずっといっしょに生活していくわけですから気が合わない
からと険悪な雰囲気になったらそれこそ命がなくなって
しまいます。
仕事をさぼる人もいたようですがうまく暮らしたようです。
食事場面は豪華です。

演奏会

2010-07-13 21:49:12 | 音楽
退社後栄の芸術劇場コンサートホールへ名古屋音楽大学の
定期演奏会へ行ってきました。
インターネットで名古屋音楽大学のホームページへ行き
着きました。コンサートの申し込みがインターネットで
できます。入場券もメールで返って来ます。無料です。
18組が演奏します。1組1曲です。
最初の電子オルガンと次のサキソフォンは聞きやすい曲
でしたが次からは技巧的で難解な曲が多くなりました。
演奏者は1曲にめいっぱい表現したいものを詰め込んで
演奏しようとするからいきおい難しいものになります。
みんな毎日練習にあけくれているんでしょうね。
すばらしい技術です。
でもちょっと疲れました。18時から始まりましたが
終了は21時半は過ぎてしまいそうな感じです。
申し訳なかったけど2回目の休憩で帰ってきました。
半分ぐらいの方の演奏を聞きました。

スマートグリッド

2010-07-12 20:01:53 | 最近の話題
今朝突然"スマートグリッド"なる言葉を聞きました。
今まで聞いたことのない言葉に頭の中は???です。
インターネットがある現在では検索してみればどのような
ことかおおまかに知ることができます。
ウィキペディアによると"スマートグリッドとは、人工知能や
通信機能を搭載した計測機器等を設置して電力需給を自動的に
調整する機能を持たせる事により、電力供給を人の手を介さず
最適化できるようにした電力網である。"
ということだそうです。
電気の使われ方を全体でしっかりした数値化してそれに合う
供給をしていこうということでいいのでしょうか。
人が電気使用量を調べて歩く必要がなくなり、事業所内や
家庭内のエアーコンディショナーや照明、温度計、セキュリティ
機器などの制御まで行うことが構想されているということです。
なんだか生活が丸見えになりそうですね。
あんまり行き過ぎて欲しくない気がします。
でもガスはもうやっているのではなかったですか。
現在自宅ではガスは使っていませんが、前に使っていた時に
元で監視していて異常に噴出しているような場合は遮断できる
ようコンピュータ制御していると言っていた気がします。

スマートグリッドの開発が進めば電力会社でなくてもビジネス
チャンスはあるかもしれませんね。

はむ・はたる

2010-07-11 22:20:32 | 

西條奈加著"はむ・はたる"を読みました。
"烏金"の続編だそうですが、烏金は読んでいません。
こちらから読んでもだいじょうぶです。
6篇の連作短編集です。
とても読みやすい本です。
江戸時代の物語です。かどかされて重労働させられ
死にそうになった子や親に捨てられた子達が集まって
自分たちの力で働いて生きていく物語です。
この子たちを助けてくれるのが武士の長谷川家の
婆様です。厳しい人で子供達におそれられています。
旅ぐらしをしていた次男の柾が帰ってきます。
柾はざっくばらんな気さくな人です。

あやめ長屋の長治
子供達にいやな言葉をなげつける長治が行方不明となります。

猫神さま
安曇屋の奉公人おのぶと出会います。おのぶは猫の置物の
猫神さまを盗んだ疑いをかけられ店を逃げ出してきたのです。

百両の壺
奉公先で主人に乱暴されそうになりふりはらったひょうしに
割れたつぼは百両だといいます。
親は金貸しから金を借りて弁償しました。
こんな話が数件もあります。奉公先の武士と金貸しがぐるに
なった詐欺です。

子持稲荷
食べ物屋の常陸屋の息子由次郎は継母に毎日稽古事に
追いやられてうんざりしています。
継母がやくざな男と何かたくらんでいるのではないかと
おそれています。
でも実際は…

花童
ハチの妹花が行方不明になります。
花は口がきけません。知能に問題があるのではと思われて
いたのですが実際はその反対でとても頭がいい子です。
お医者さんの奥さんが誘拐された時に巻き込まれて
連れていかれたのです。

はむ・はたる
子供達を助けていっしょに事件を解決してきた柾は
捜し求めている男女がいます。
自分が引き合わせたせいで師匠の道場主が殺される
ことになったのです。
その男女を見つけ出します。

十二歳ぐらいから下は3歳ぐらいまでの子たちが
助け合っていっしょうけんめい生きています。
まわりの婆さまや柾は子供達が生きる力をつけるため
きびしく見守ってやります。

万寿子さんの庭

2010-07-09 20:08:00 | 

星野伸一著"万寿子さんの庭"を読みました。
二十歳の京子は短大を卒業して不動産会社に就職を
します。
アパートを借りて一人暮らしを始めます。
そのアパートの隣の庭のある家に一人で暮らしている
のが万寿子さんです。
70歳を過ぎているらしい老婦人です。
いつも庭の手入れをしています。
京子は目が斜視で気にしてます。それを通りすがりに
「寄り目」と万寿子さん言われます。
よっぱらった時のことを書いた紙を背中に貼ったりと
いやがらせをするおばあさんです。
そんな出会いの二人がいつの間にか仲良くなって
京子は万寿子さんの庭の手入れを手伝ったりいっしょに
買い物にいったり旅行にも行きます。
どちらもはっきりものをいうタイプです。
二人のやりとりは楽しいです。
京子の会社の同期の荻野君、近所のサラリーマンの
山本さんとの恋に発展するのかしないのかという付き合い
も描かれています。

そのうち万寿子さんは痴呆が進んできて介護が必要な
状態になってきます。
京子は会社を休んでおむつかえや入浴のめんどうを
見ますが疲れでとうとう倒れて病院にかつぎこまれる
ことになり、万寿子さんは娘さんがやって来て施設に
入ることになります。
それからしばらくして亡くなったと知らせがきます。

最後に本来の万寿子さんに戻った時に書いて渡された
万寿子さんの遺書には人生の最後に友達にめぐりあえた
幸せや喜びや御礼が書かれていました。
万寿子さんはほんとに楽しくうれしかったでしょうね。

いい本でした。うんと年が離れていてもこのように
友達になれるのです。
対等に話ができるそんな関係のふたりです。
京子は万寿子さんから得たものがあります。
植物の扱いです。これが彼女の新しい仕事になりました。

園芸少年

2010-07-08 21:53:15 | 

魚住直子著"園芸少年"を読みました。
わざわざ選んだわけではないのに高校物が続きます。
この本も高校を舞台にした高校生の話です。
篠崎達也が語り手です。
高校へ入学して校舎の裏庭で大和田一平と出会います。
大和田はまゆをそり、頭は坊主、ズボンは腰を落として
はいていて不良のようです。
コップの水を植物にかけたらあくる日いきいきとしてきた
のにびっくりして今度はもっと多くのものに水をかけて
やります。
そんなことを見ていたのが園芸部の顧問の先生です。
しかし部員は卒業してひとりもいません。
二人はスポーツクラブへ勧誘されるのがいやで園芸部へ
入部します。
毎昼水をやっているところに出くわしたのがダンボール箱を
頭にかぶっている庄司です。
いじめが原因でダンボールをかぶっていないと外に
出られなくなり、入学以来相談室で勉強しています。
彼もいっしょに園芸をすることになります。
植物の育て方を本で学んだり、苗を買ってきて植えたり
花の名前を覚えたりして園芸が好きになっていきます。
夏休みには三人でキャンプをして友情を深めていきます。
庄司はキャンプ後、ダンボールを取って教室へ出られる
ようになります。

園芸に愛着を感じるようになっていく三人の様子が
いいです。

観葉植物が枯れそう

2010-07-07 20:27:46 | 植物
名前を知らない観葉植物の鉢が1つとやはり名前を
知らない葉っぱの鉢が2つあります。
ずっと水道水をやっていたのに数ヶ月前何を思ったのか
風呂の残り湯をかけてやることにしました。
気がついたら観葉植物の鉢にびっしりついていた苔が
茶色になってきました。
木の下の方の葉っぱは順番に枯れてゆくのですがその
数が今までの様ではなくてすごい早さで枯れていきます。
これでは木そのものが枯れてしまうのじゃないかと
心配になりました。

実家に行った時、母に「観葉植物が枯れそうなの」と話ました。
「この前から風呂の水をかけてやっているんだけど」と
話したら、「そんなのかけたらだめでしょ。多少は石鹸が
含まれているんだから。」
と言われてしまいました。
あれれ、それが常識なんですか。
テレビで風呂の残り湯を有効利用しましょうという放送の
中で植物への水やりって含まれていたような気がするけど、
思い込みだったのかなぁ。

それからは元に戻して水道水をかけてやっています。
2週間ぐらい経ちますが復活のきざしがあります。
苔が戻ってきた感じで緑色ぽくなってきました。
ひとつ賢くなりました。

植物の世話は苦手です。今ある鉢は頂き物でもう十年以上
前からあるので家の一部になっているので世話をして
やらないわけにいきません。
これ以外は増やさないようこころがけています。

あの歌がきこえる

2010-07-06 20:53:14 | 

重松清著"あの歌がきこえる"を読みました。
1975年に中学1年の男の子、シュウ、ヤスオ、
コウジの中学、高校時代を描いたものです。
場所はどこだと書かれていなかったはずですが
たぶん本州の九州よりです。
中学から高校時代の男の子の様子が書かれています。
それぞれの話に当時はやっていた歌が関連づけられています。
ほとんどの曲は知っています。なつかしいです。
たとえば"戦争を知らない子供達"、"旅人よ"、"いなせな
ロコモーション"などです。
シュウが語り手です。地方都市の息苦しさにへきえきと
しています。ちょっと何かしただけでうわさは広まります。
たとえばサングラスをしただけで因縁をつけられます。
彼らの高校、瀬戸内高校を卒業するということが
ステータスでいい就職をする絶対条件です。
それで人生が決まるというほどの意味を持ちます。
この土地から抜け出すために東京の大学へ行く選択を
します。
コウジは広島で自立して働きながら専門学校をめざし
ヤスオは絶対東京へいくのだといってみたり地方の
大学でいいんだとかいったりふらふらしています。
それぞれに旅立っていきます。
シュウはもう故郷へは帰ってこないつもりでいます。

地方の若者の暮らしや行動がわかります。
私の育った所はもっと農村地帯だからこの物語に
出てくるところとはまた違っています。

すぐ前に読んだ"DOWN TOWN" と年代がダブリます。
登場するのも高校生で音楽が重要な要素だという所も
似ています。
向かうところは東京なんですね。

DOWN TOWN ダウンタウン

2010-07-05 20:09:35 | 

小路幸也著"DOWN TOWN ダウンタウン"を読みました。
主人公はショーゴ。高校生です。
中学時代の先輩で生徒会長だった由宇美にコーヒー
ショップ "ブロック"で働いているので来てと
誘われてよく行くようになります。
小さなお店です。経営者はカオリさん、お客さんは
ほとんどが女性客です。男性は禁止ではありませんが
話の腰を折られたりして居心地が悪い状態に持ち込まれ
自然によりつかなくなりました。
孝生はショーゴのバンド仲間です。お姉さんのリサが
ブロックで働いています。
でも家庭の事情があってお姉さんには会おうとしません。

ブロックは男性を排除しようとする力が働きますが
ショーゴは最初から暖かく受け入れられます。
数少ない男性客のタクシードライバーのカンさん、
カメラマンのケンゾーさんやお客さんの女性達と
親しく交流します。
カオリさんの恋人は五月さんです。サッキと呼ばれて
います。カメラマンで戦場へ行ったまま消息不明です。
サッキを待つために作られたブロックです。

高校生が大人との交流で人生や人の心を知っていく
物語です。
東京の大学へ進学するため町を離れるまでの
2年間の出来事です。
1977年4月から1979年3月の間です。
前半はちょっと退屈な感じがしました。
後半はテンポがよくなります。
現実の高校生は大人との交流はさけているような気が
しますが、こんなふうに家族とは別の雰囲気で大人に
接することができたならきっと多くの物が得られる
ことでしょう。

マイケル・ジャクソン "THIS IS IT"

2010-07-04 20:12:04 | 映画
マイケル・ジャクソンの"THIS IS IT" IMAX版 を
見てきました。
行うはずだったコンサートのリハーサルの映像です。
109 シネマ名古屋で2週間だけのアンコール
上映だそうです。
マイケルのことはほとんど知りません。
すごい人ですね。
50歳だそうです。そんなふうには全然見えません。
歌にダンス、すばらしいです。
死なないで実演して欲しかったですね。
いっしょに舞台に出ているダンサーやミュージシャンの
人たちがマイケルの側にいられることがうれしくて
しょうがないというのが伝わってきます。
作っている側の人がまず楽しそうです。
マイケルがリハーサルしていて出番のないダンサーの
人たちはファンとなって見ていて喜んじゃってます。
本番用の衣装ではないと思うけどいくつものきれいな
衣装でそれがよく似合ってます。

IMAX版ということで料金は2000円です。
画面が大きくて音響もいいということです。
普通のものがどんなだったか知らないのでどれぐらい
いいものかは較べられませんが、たしかに大きくて
いい音でした。
大きめの劇場ですが観客はほんとに少なくて
寂しい感じでした。

環境問題もテーマに上げられていました。
森林がなくなっていくのを憂いてましたが昨日の
ムツゴロウさんの話と関連しています。
映像として見せられた方がインパクトが強いです。

ムツゴロウさんの講演

2010-07-03 20:04:39 | 最近の話題
朝日新聞・メーテレ環境7大学集中公開講座の1つに
行ってきました。
場所は塩釜口の名城大学で講師はムツゴロウこと畑正憲さんです。
講座の題名は「命の輪、連なり重なって」というものです。
話なれしてみえます。話すことを事前にきっちりと取り決めて
なくてその場その場で横道にそれていきます。
いったい何から今の話になったんだろうと思うことしばしばです。
ですので話の内容がいまいちすっきり頭の中に落ち着きません。
1本の木でもその木があることで植物や動物の命の関連が
あり、それを倒してしまうと多くのものに影響がでる
のだという話はよくわかります。
気候が狂って、虫が出てきた時にその虫に必要な花が開いて
いなければ虫は死んでしまうし、虫によって受粉を
助けてもらっていた花も生き延びていけないという
ことが起こっています。
バナナを作るためにどんどん自然が破壊されている
なんて考えたことありません。
かといってバナナを食べなければいいのかという問題
でもないですし。せめてバナナを食べる時はバナナのため
切り倒される木があるのだと思い出すことにします。

環境がおかしくなっていくのを止めることはできるの
でしょうか。人類にはずっと生き続けていって欲しいです。
人がいない未来を想像したくありません。
理解できたとはいえませんが少しの間、環境に思いを
はせるだけでもいいかと思います。

色落ち

2010-07-02 23:01:37 | トラブル

この前実家に行って母のたんすの整理を手伝っていたら
藍色の大きな木綿の風呂敷が出てきました。
馬か何かの動物のまわりに人が4,5人立っているという
ちょっとかっこいい品物でした。
「これ真ん中を切ってのれんにしてこようか」
「うん、そうして」
と、いうことで風呂敷をあずかってきました。
この風呂敷、30年以上も前にもらったもののようです。
洗濯していいだろうかと母に聞いたらいいんじゃないと
いうので昨日風呂の残り湯で洗いました。
風呂敷をお湯に入れて腕をみたら青いぽつぽつが
いっぱいついていてえー、とびっくりしました。
目を洗面器に移すと水が真っ青です。
染料の色落ちです。
こんなひどいのを見たことがありません。
これが青でよかったです。赤だったらそれこそ何が
起こったのだとひっくり返るところでした。
なんど水を変えても青色は薄まらずこれはだめだと
あきらめました。
今日はもう乾いていました。
失敗です。白かった所が青くなってしまい、おまけに
色が濃かったり薄かったりとまだらになってしまいました。
これはどうしたらいいものか困りました。

せめてもの救いはこれを洗濯機に放り込まなかった
ことです。
洗濯機に入れていたら色が他の物に移って目もあてられ
ない状態になって泣いたことでしょう。

それにしてもこの風呂敷何に使うのでしょう。
衣類を包んだとしたら雨が当たった、湿気が多くて
色がうつったと、中の衣類はだめになる可能性が大です。
高価な何十万円するの着物を包んで運ぶなんてとんでも
ないことです。
染料が溶け出してきてもいい品物ってなんでしょうね。
それとも壁に貼り付けて楽しむものだったのでしょうか。

今の時代、買ったばかりのジーンズを洗濯機で洗っても
さほど色落ちしないと思います。
昔の染色技術は色落ちを止めることができなかった
のでしょうか、それともこの風呂敷を作ったところの
技術が低かったということでしょうか。

ぼんくら

2010-07-01 19:32:10 | 
宮部 みゆき
講談社
発売日:2000-04-20


宮部みゆき著"ぼんくら"を読みました。
江戸時代の鉄瓶長屋と呼ばれる長屋を舞台にしたお話です。
中心的な登場人物は同心の井筒平四郎です。
平四朗はいつの間にか家督を継いで同心になりましたが
気さくな正確で怠け者でいっしょうけんめい仕事を
するんだという気持ちは持っていません。
お徳は長屋の住人で煮売屋をやっています。
長屋の住人が殺されたところから物語は始まります。
その後長屋の管理人に相当する差配の久兵衛が姿を
消します。
この長屋は灘屋の持ち物です。血縁の若者の佐吉が
差配として送り込まれてきます。
差配は年配者がなるもので若い左吉にやれるわけが
ないと抵抗します。
佐吉はそんな中いっしょうけんめい仕事をこなして
いきます。
次々と長屋の住民がいろんな原因で出て行ってしまいます。
これはおかしい、この背後にはないかあると平四郎が
調べ始めます。

弓之助という12歳の美少年が登場します。平四郎の
奥さんのお姉さんの息子です。
子供がいない平四郎の養子にどうかという話があって
毎日のように平四郎の家にやってきています。
まだ子供だけど頭がすごくきれます。人情や世間の
こともよくわかっています。
おでことよばれている少年も登場します。
一度聞いた話を頭の中に格納して求めに応じて頭の
中から呼び出して語ることができます。

最初は短篇の感じで長屋の人たちの話が続きます。
こんな調子で続くのかと思ったら長屋が空になっていく
事件の真相究明の話へとなっていきます。
途中から中だるみみたいな感じになってしまいます。

弓之助や岡っ引の政五郎や黒豆と呼ぶ幼馴染の隠密の
助けをかり真相へと近づいていきます。
そしてこれが真相だというものを見つけます。
でもあまりにもありきたりの真相でこれはもうひとひねり
してあるなと感じました。
やっぱり本当の真相がありました。
でもがっくりしてしまう話です。
こんなことなら一つ前の真相で止めておいてくれたら
まだ納得できました。
話の全体が足元からパラパラと崩れ落ちて崩壊して
いくように感じました。
最後を元に話を振り返るとこんなことありえないと
感じるのです。

この話は推理物として読んだらがっくりします。
登場人物はとてもいい設定で愛すべき人たちです。
この人たちのやり取りを楽しむ読み物として読めば
楽しい本です。