西條奈加著"はむ・はたる"を読みました。
"烏金"の続編だそうですが、烏金は読んでいません。
こちらから読んでもだいじょうぶです。
6篇の連作短編集です。
とても読みやすい本です。
江戸時代の物語です。かどかされて重労働させられ
死にそうになった子や親に捨てられた子達が集まって
自分たちの力で働いて生きていく物語です。
この子たちを助けてくれるのが武士の長谷川家の
婆様です。厳しい人で子供達におそれられています。
旅ぐらしをしていた次男の柾が帰ってきます。
柾はざっくばらんな気さくな人です。
あやめ長屋の長治
子供達にいやな言葉をなげつける長治が行方不明となります。
猫神さま
安曇屋の奉公人おのぶと出会います。おのぶは猫の置物の
猫神さまを盗んだ疑いをかけられ店を逃げ出してきたのです。
百両の壺
奉公先で主人に乱暴されそうになりふりはらったひょうしに
割れたつぼは百両だといいます。
親は金貸しから金を借りて弁償しました。
こんな話が数件もあります。奉公先の武士と金貸しがぐるに
なった詐欺です。
子持稲荷
食べ物屋の常陸屋の息子由次郎は継母に毎日稽古事に
追いやられてうんざりしています。
継母がやくざな男と何かたくらんでいるのではないかと
おそれています。
でも実際は…
花童
ハチの妹花が行方不明になります。
花は口がきけません。知能に問題があるのではと思われて
いたのですが実際はその反対でとても頭がいい子です。
お医者さんの奥さんが誘拐された時に巻き込まれて
連れていかれたのです。
はむ・はたる
子供達を助けていっしょに事件を解決してきた柾は
捜し求めている男女がいます。
自分が引き合わせたせいで師匠の道場主が殺される
ことになったのです。
その男女を見つけ出します。
十二歳ぐらいから下は3歳ぐらいまでの子たちが
助け合っていっしょうけんめい生きています。
まわりの婆さまや柾は子供達が生きる力をつけるため
きびしく見守ってやります。