小路幸也著"DOWN TOWN ダウンタウン"を読みました。
主人公はショーゴ。高校生です。
中学時代の先輩で生徒会長だった由宇美にコーヒー
ショップ "ブロック"で働いているので来てと
誘われてよく行くようになります。
小さなお店です。経営者はカオリさん、お客さんは
ほとんどが女性客です。男性は禁止ではありませんが
話の腰を折られたりして居心地が悪い状態に持ち込まれ
自然によりつかなくなりました。
孝生はショーゴのバンド仲間です。お姉さんのリサが
ブロックで働いています。
でも家庭の事情があってお姉さんには会おうとしません。
ブロックは男性を排除しようとする力が働きますが
ショーゴは最初から暖かく受け入れられます。
数少ない男性客のタクシードライバーのカンさん、
カメラマンのケンゾーさんやお客さんの女性達と
親しく交流します。
カオリさんの恋人は五月さんです。サッキと呼ばれて
います。カメラマンで戦場へ行ったまま消息不明です。
サッキを待つために作られたブロックです。
高校生が大人との交流で人生や人の心を知っていく
物語です。
東京の大学へ進学するため町を離れるまでの
2年間の出来事です。
1977年4月から1979年3月の間です。
前半はちょっと退屈な感じがしました。
後半はテンポがよくなります。
現実の高校生は大人との交流はさけているような気が
しますが、こんなふうに家族とは別の雰囲気で大人に
接することができたならきっと多くの物が得られる
ことでしょう。