宮部みゆき著"あかんべえ"を読みました。
江戸時代の物語です。
これから開店しようとしている料理屋ふね屋の娘おりんが
主人公です。
開店準備で忙しい時におりんは熱を出し生死をさまよいます。
あの世の入り口まで行って戻ってきます。
ふね屋はいわくつきの建物でここには5人のお化けが住み
ついています。
おりんにはこのお化けが見えます。
最初に現れたのが小さな子供のお化けでお梅です。
おりんにしゃべらずあかんべえをします。
玄之介は若く美男子のお化けです。
按摩のおじいさんも笑い坊、おりんは死にかけていた
時に笑い坊に体をもんでもらって生き返ります。
おどろ髪は乱暴者のお化けです。
おみつは美しくあでやかな女のお化けです。
この5人はどうして自分たちが成仏できずにこの家に
とどまっているのかわからずにいます。
このほかに弟の島次に殺されたと思い込んでうらみで
いっぱいでお化けになった銀次がでてきます。
お化けはその人と同じような境遇の人に見えます。
おみつは全員見えますので別です。
島次が弟の体を乗っ取ろうとする騒動があります。
おりんのおかあさんの仕事の先輩にあたるおつたが
おりんのおとうさんに横恋慕する騒動があります。
お化けたちがどうしてこの世に縛り付けられて
いるのか原因を突き止めようとします。
長い話なんですがしっかり辻褄があっています。
いくつかの話がからまっていますがうまく解決
されていきます。
玄乃介はかっこいいお化けです。
おみつは人のこころの動きがわかるようなしっかり
したお化けです。
玄之介の家は甥の代になっていますが玄之介のせいで
左遷させられぼろぼろの家に住んでいます。
でもこれは腑に落ちない話です。玄之介が死ぬことに
なった原因は、非難されるようなことではないのです。
これだけはなぜと疑問に思います。
おもしろいことはおもしろいのですが、どうも読み終わって
ああ、読んだなぁいう満足感がないです。
内容だって悪くないし登場人物だっておもしろいけど
どうしてなんでしょう。