雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

万寿子さんの庭

2010-07-09 20:08:00 | 

星野伸一著"万寿子さんの庭"を読みました。
二十歳の京子は短大を卒業して不動産会社に就職を
します。
アパートを借りて一人暮らしを始めます。
そのアパートの隣の庭のある家に一人で暮らしている
のが万寿子さんです。
70歳を過ぎているらしい老婦人です。
いつも庭の手入れをしています。
京子は目が斜視で気にしてます。それを通りすがりに
「寄り目」と万寿子さん言われます。
よっぱらった時のことを書いた紙を背中に貼ったりと
いやがらせをするおばあさんです。
そんな出会いの二人がいつの間にか仲良くなって
京子は万寿子さんの庭の手入れを手伝ったりいっしょに
買い物にいったり旅行にも行きます。
どちらもはっきりものをいうタイプです。
二人のやりとりは楽しいです。
京子の会社の同期の荻野君、近所のサラリーマンの
山本さんとの恋に発展するのかしないのかという付き合い
も描かれています。

そのうち万寿子さんは痴呆が進んできて介護が必要な
状態になってきます。
京子は会社を休んでおむつかえや入浴のめんどうを
見ますが疲れでとうとう倒れて病院にかつぎこまれる
ことになり、万寿子さんは娘さんがやって来て施設に
入ることになります。
それからしばらくして亡くなったと知らせがきます。

最後に本来の万寿子さんに戻った時に書いて渡された
万寿子さんの遺書には人生の最後に友達にめぐりあえた
幸せや喜びや御礼が書かれていました。
万寿子さんはほんとに楽しくうれしかったでしょうね。

いい本でした。うんと年が離れていてもこのように
友達になれるのです。
対等に話ができるそんな関係のふたりです。
京子は万寿子さんから得たものがあります。
植物の扱いです。これが彼女の新しい仕事になりました。

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