雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

静子の日常

2010-07-22 21:59:50 | 
井上 荒野
中央公論新社
発売日:2009-07


井上荒野著"静子の日常"を読みました。
静子は70歳ぐらいの人です。
家を売って息子の家族といっしょに暮らすことにしました。
息子の愛一郎とお嫁さんの薫子、孫のるかの4人です。
薫子とはうまくやっています。
フィットネスクラブへ水泳を習いに行ったり、新聞配達の
今時の若者と友達になってパソコンの使い方を教えて
もらったりと生活を楽しんでいます。
夫は何もしない人でなんでも自分でしてきました。
夫に愛情を感じてはいませんでした。
それでも夫が望むような生き方をしてきました。
夫は浮気をしていました。静子にもずっと会っていた
男性がいます。大二郎といいます。この人との方が
心の交流は深かったようです。
夫が亡くなってからのびのびと自分らしく静子は
生きるようになってきました。
息子家族をそっと助けています。

静子は年取ってからやっと自分らしく生き始めます。
遅いじゃないのと言いたいところですが、夫との
生活は不本意なものだったでしょが、続けてきたと
いうことはそんな生活もまんざらではなかったという
ことでしょう。
嫌ならどんなことをしてでも抜け出そうとするでしょうから。
人生ってそんなものなのかなぁ。
自分の思うままに生きてはだめ、人のために生きる人生も
あるということなのかなぁ。

老後の静子さんはすてきです。