雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

天久鷹央の推理カルテⅤ 神秘のセラピスト

2018-07-25 21:00:00 | 

知念実希人著"天久鷹央の推理カルテⅤ 神秘の
セラピスト"を読みました。
天久鷹央は統括診察部の部長です。
部下は小鳥遊優です。
他の課で診断のつかない患者が鷹央のところへ
まわされてきます。
優秀な医師ではありますが、人とのコミュニケーションが
うまくとれません。

"雑踏の腐敗"
姉を頼って東京に出てきた宮城辰馬は渋谷の交差点の
雑踏に圧倒されました。
その時の体の変化に驚愕して家に引きこもっています。
人混みに出ると体が腐ると言います。
人混みから抜け出ると治ります。
鷹央と小鳥遊は往診に行き人混みに辰馬を連れ出します。
各種の検査で異常はないといわれていましたが実際に
辰馬の体に症状が現れました。

"永遠に美しく"
南原松子は72歳です。
鍼灸院へ通い始めてから驚くほど若返りました。
娘の美奈子が鍼灸師の秋源の治療がいかがわしい
ものではないかと鷹央のところへ相談にきました。
松子は知人に若返り治療を宣伝し、何人もの人が
若返っています。
鷹央は小鳥遊と診療所へ出かけて行き、危険な治療
だということを暴きます。
ところが秋源は最初に見た松子だけには治療はして
いないといいます。

"聖書の刻印"
小児科医の熊川と研修医の鴻ノ池から相談がありました。
佐山香織9歳は白血病です。
化学療法で寛解になりましたが再発しました。
再度寛解しましたがまたしても再発しました。
最後の治療は骨髄移植です。
でも母親の佐智が移植にがんとして反対しています。
キリスト教会で出会った預言者が治療する必要は
ないといい、それを信じて医師の話を聞こうと
しません。
教会の神父も天草炎命という預言者を信じています。
彼は血の涙を流し、手のひらに十字架が浮かび上がります。
鷹央は信じ切っている信者たちの心を完全に切り離す
ための作戦を練ります。

こんな症状が現れることがあるのかとか、知らない病気の
説明があったりと医療ミステリーとしておもしろいです。
最後の話、おりしもオウム真理教の話題が再度賑わって
います。
人は簡単に人を妄信してしまうもんですね。

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