雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

明日、アリゼの浜辺で

2010-05-23 21:55:33 | 
泰健日子(はたたけひと)著"明日、アリゼの浜辺で"を
読みました。
5つからなる連作短編集です。
ニューカレドニアがキーワードです。
"エレベータ"
古いビルのエレベータが途中で止まってしまい閉じ込め
られた二人の男女が、時間つぶしのため会話をします。
その最後に出た話がニューカレドニア。

"犯人はニューカレドニア"はシナリオライターの沙織が
友人に宿泊代を持つからニューカレドニアへいかないかと
さそわれ、シナリオにニューカレドニアと関係ない
単語を書き込んでしまう失敗をしてしまいます。

"ニュー彼トニー"
大学生になった靖子は裁判官になるのが夢です。
司法試験のためのサークルで俊男と出会います。
俊男も司法試験をめざしていますがお母さんが
亡くなったことで目的がわからなくなります。
ダイビングショップを開きたいと思うようになります。
二人が別れるときニューカレドニアへ行きたかったねと
いう話がでます。

「きょう」は「ひきょう」の「きょう」
愛子の父親が突然家出をします。
パソコンの履歴からニューカレドニアへ行ったと
わかり家族から愛子はニューカレドニアへ行って
父親を探すように言われて出かけていきます。

この話の前まではたいくつななんだかわからない話
だなあと感じていました。
この話から急ピッチで話が進みます。
あれよあれよと話がまとまっていきます。
そしてそれまでの話が関連性があったことが
わかります。
そうかこういうことなのかと納得します。

"ハッピエンド"これも前の話とつながっています。

凝っていておもしろいです。
でもなんだかねえ、ニューカレドニアはパラダイス、
みたいな感じに扱われていてなんだか違和感を
感じてしまいます。
ここへ行ったら何もかも解決するみたい。

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