雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

丑三つ時から夜明けまで

2012-11-12 19:33:29 | 

大倉崇裕著"丑三つ時から夜明けまで"を読みました。
幽霊がいて幽霊が復讐のため人に危害を加えるという
前提の話です。
捜査5課は幽霊に対抗するための部署です。
幽霊の出す電気エネルギーを追跡する装置が開発され
追っていくことができます。

"丑三つ時から夜明けまで"
藤倉富士衛門が離れで死んでいました。
息子が二人に娘が一人います。
密室犯罪というような説明がつかない事件となると
5課が登場してきます。
1課と5課は犬猿の仲です。
5課は七種警部捕が指揮をとっています。
幽霊の生存期間は1年です。
1課の私は霊感が強く幽霊を見ることがあります。
犯人は意外な人物です。

"復讐"
南アルプスの麓の雪深い村の長上荘の雪に埋まった
1階で事件は起きました。
落ちてきた漬物樽で頭を打って死んだように見えます。
死んだのは鰐田五郎、旅行ジャーナリストです。
鰐田は悪意のある記事を書くと脅して強請りをして
いた男です。
宿の主人の立松は行方不明です。
立松は雪の降る前に離れと母屋を繋ぐようにテントを
張っておきました。
水で湿らせて雪がふったらトンネルができるように
しました。
トンネルの痕跡はありますが屋根の雪が落ちて潰れて
います。
立松はその中で死んでいました。

"闇夜"
マンションの駐車場で頭のてっぺんをナイフで刺されて
女性が死んでいました。
兄弟もベランダから落ちて亡くなっています。
もう一人の兄弟も交通事故に会っています。
兄弟の父親の嘉衛門は兄弟に殺されたと思っています。
カラスがいっぱいいます。
嘉衛門の幽霊はカラスを操って復讐をしていると
思われます。

"幻の夏山"
私の上司の米田が休暇を取って登山をするといいます。
米田がピストルで撃った山寺は死線をさまよっています。
七種警部捕に言われて私はいっしょに登山するはめに
なりました。
やっとたどりついた山小屋には管理人の岸田と登山者が
4人でした。
二人は山小屋で襲われますがそれは生きている人間でした。
岸田が「編笠山をたのみます。あなたにもう一度会いた
かった。」といいます。
二人が泊まっていた編笠小屋は何日か前に土砂崩れで
潰れたと連絡が入ります。
小屋が消えていました。

"最後の事件"
催眠布団販売の栗端山衛門が家の中で殺されていました。
大勢が被害に会っています。
警官の畳六助は山衛門に騙され焼身自殺をしようとした
人を助けて自分は殉職しました。
六助の幽霊は警察で保管されていました。
しかし六助の幽霊がおそってきました。
七種警部捕が向かっていきました。

幽霊が殺した相手に復讐するという話は無理があります。
人はそう簡単に殺人に走れませんが幽霊となったら
怖いものなしで生きている者に復讐できます。
そんなことができたら世の中めちゃくちゃです。
幽霊が人殺しをしてはやはりいけません。
最後の話が一番おもしろいです。
意表をついていてそうなんだと感心しました。
しかし自分だけはやりたいことしといてちょっと
虫がいい話です。