雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

虹果て村の秘密

2012-11-01 19:39:47 | 

有栖川有栖著"虹果て村の秘密"を読みました。
かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリー
ランドと銘打った本の中の一冊です。
この本、有栖川さんの本の中で一番いいと思います。
主要登場人物は小学六年生の男の子と女の子です。
子どもの目線で書かれています。
上月秀介のお父さんは刑事です。
二宮優希のお母さんは推理作家です。
秀介は推理作家に、優希は刑事になりたいと思っています。
二人は夏休みに優希のお母さんの別荘へ行くことに
なりました。
別荘は夢果て村と呼ばれている村にあります。
お母さんは仕事で遅れてきます。
近所に住むお母さんの従姉妹のミサトがそれまで
面倒を見てくれます。

村では高速道路を通すかどうかで二つに分かれています。
郷土史研究家の笹本、カメラマンの風間、陶芸家でUFO
研究家の島谷は反対派です。
工務店の国松、西尾、教師の烏賊碕は賛成派です。
村人でないバイク男も登場します。

夜に笹本が家で殺されているのが見つかります。
発見者は島谷です。
忘れ物の望遠鏡を取りに行って見つけました。
秀介と優希とミサトは騒ぎを見に行きました。
そこでバイク男と再度出会いました。
彼は島谷光といい島谷の甥で捜査一課の刑事でした。
村は雨で道路が遮断されて警察が来られません。
光が捜査します。
秀介と優希は光にじゃまにされながら事件を考えます。
翌日またしても事件が起きます。
高速道路問題を取材にきていた雑誌記者の新堂が殴ら
れて倒れているのを秀介、優希、ミサトが発見します。
新堂は死んではいませんが、意識はありません。
彼は何かに気がついて光に告げにいこうとしていた
所です。

秀介と優希は夜遅くまで推理します。
真実に気づいたのは優希です。
彼らは犯人に自首を勧めに行きます。

この本には作者が子どもたちに言いたいことが強く
主張することなくそっと込められていると思います。
知らずに読んでどこか頭の片隅に引っかかって
残ったらいいなと思います。
問題の順送りという話おもしろいなと思います。
できなかったことを解決して欲しいと子どもたちの
世代に託す。
自分達がその前の時代から送られてきた問題を解決
したものもある。
ずっと永久にそうやって世の中は続くというものです。
しみじみと納得できる言葉です。