梶よう子著"いろあわせ 摺師安次郎人情暦"を読みました。
絵を書く人がいて、それを彫る人がいて、それを摺る
人がいます。
主人公の安次郎は摺師です。
"かけあわせ"
安次郎は火事で家族を失い摺師の長五郎に引き取られました。
自然と摺師になりました。
直助は安次郎にあこがれて摺師の世界に入ってきて
安次郎の下で働いています。
直助は岡っ引きの手下のようなことをしています。
同心の息子が素読吟味の試験のために塾通いをしています。
直助はその息子を塾へ送っていくため仕事場に遅刻を
してくるようになりました。
同心の息子の林太郎は、たかぴしゃな態度をとるため
塾でいじめにあっています。
"ぼかしずり"
娘八剣士の版画の中で一番人気のものを投票してその中の
一人に八両の賞金が出るということになりました。
老武士が安次郎を訪ねてきて絵のモデルとなった人を
教えて欲しいといいます。
臥せっている奥さんが亡くなった息子に似ていて会いた
がっているといいます。
老武士はならず者に囲まれていた娘を助けました。
安次郎はその娘が女形で絵のモデルはこの人がなって
いることを見破りました。
"まききら"
お店の息子の専太郎は十年も前に集金に出たまま行方不明
になり死んだとされてきました。
専太郎が妻と子を連れて帰ってきました。
店は弟の芳吉が継ぐことになっています。
芳吉は兄が帰ってきたことで店を継げなくなるのでは
と疑心暗鬼になっています。
専太郎の娘がかどわかされ五百両の要求がありました。
"からずり"
安次郎や直助がよく食事に行く店のおかみのお利久の
付き合っていた庄三郎は島流しになっていました。
庄三郎はお利久の家のまわりをうろうろしています。
庄三郎は罪をなすりつけられたのでした。
真犯人は庄三郎がご赦免になってあせりました。
"あてなぼかし"
安次郎の長屋の老女のおたきが病気で倒れました。
おたきの娘は亡くなっています。太一という孫が
いますがどこにいるかわかりません。
なんだか読みにくい本でした。
いろんな話題がからまっているからでしょうか。