エリザベス・オハラ著"サリーの愛する人"を読みました。
"サリーの帰る家"、"サリーのえらぶ道"の三部作の
最終作です。
サリーはダブリンへ仕事を求めて出ていきました。
エリクソン家に10歳の女の子のアイルランド語の
家庭教師としてに雇われました。
今までは農村生活でしたが、始めて都会生活を
味わいます。
前の2冊とは環境ががらっと変わりました。
使用人ではありますがかなり自由が与えられていて
仕事は子どもの家庭教師だけで楽です。
雇い人の家族と演劇に行くという経験もします。
エリクソン家にはビディーという家事を担当する使用人が
いますが彼女は使用人として扱われています。
働く人の間でも格差があります。
当時のイギリスはアフリカで戦争をしています。
エリクソン家の息子のサムは学生で寄宿生活を送っています。
サムは両親に無断で軍隊に入隊してアフリカへ出発
してしまいます。
サリーは以前にサリーの家に寄宿していたジュラルディーナ
を通して新しい友達ができます。
上流階級の人々でエセルやトーマスです。
劇を演じる仲間にも出会います。
自転車に乗る経験もします。
サリーの実家からすぐ帰るよう手紙がきます。
エリクソン家の子供のスノーがいっしょに行きたいと
いうので家に連れて帰ります。
大変なことが起こったに違いありません。
それは何年も音信不通だった妹のケイティが肺を病んで
家に帰ってきていたことでした。
妹はそれまでの数年をそれは苦労していました。
結婚して流産し夫を亡くし不衛生で食べるに事欠く
生活です。
医者の見立てでは家で養生すれば治るかもしれないと
いうものでした。
サリーはダブリンへ戻りました。
サリーを追って故郷から好きだったマナスがやって
きました。
サリーはマナスに結婚を申し込まれます。
同じ時期にトーマスからも結婚を申し込まれます。
トーマスの心の底には低い身分のものと結婚してやる
のだという意識があります。
サリーはマナスを選びます。
これで物語は終了です。
これから先もいろんな苦難が持ち受けているのだろうなと
思わせます。
政治的な意味でも苦難は続きます。
マナスとの結婚も、以前のマナスとの関係から
苦労が絶えないだろうなと思います。
それでも人は生きていかなければいけないのですね。
最後の話でいままで勢い込んで読んできたのになんだか
拍子抜けしたみたいな気になりました。
ちょっと締りがない終わり方のように思います。