お正月恒例の第95回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、2日に往路(5区間・107.5キロ)が行われました。今大会は95回目の記念大会という事で、22校+関東学生連合の23チームが出場。平成最後の箱根駅伝往路は、スタートから波乱の展開となりました。
まず1区(21.3キロ)、午前8時ちょうどに東京・大手町の読売新聞東京本社前を23チームのランナーが一斉にスタートするが、30秒後に大東文化・新井康平が転倒するアクシデント。足を引きずりながらも集団に追いつく。
10キロ過ぎに東京国際大のタイタス・モグスが抜け出すが、12キロ過ぎに吸収される。蒲田(15.2キロ)のところで先頭集団は16チーム。18キロ過ぎに東洋・西山和弥が仕掛けると、青学・橋詰大慧と中央・中山顕が追いかける。抜け出した西山は中山の追撃を凌ぎ切り、鶴見中継所を先頭でタスキリレー。中央が2番手、青学は6秒差の3位、法政、東海、早稲田と続く。駒澤・片西景は7番手で通過するが、2区のランナーが姿を見せず、11秒のタイムロス。痛すぎる中継ミス。スタート直後に転倒した新井は、苦しい表情を見せながらも懸命に走り続け、先頭から8分40秒差の最下位でタスキをつないだ。
各校のエースが集う2区(23.1キロ)は、留学生ランナーがごぼう抜きを見せます。8位でタスキを受けた国士舘・ヴィンセントが5キロを過ぎて3位に浮上。18位スタートの日大・ワンブィは14キロ手前で8人を抜いて10位浮上。拓殖大のキャプテン・デレせも一旦は13位まで順位を上げる。だが、それ以上に順天堂・塩尻和也が快走を見せ、18キロ過ぎにデレセを抜いて8人抜き。
一方、首位争いでは東洋の山本修二が19キロ手前で中央・堀尾謙介を引き離す。だが、残り1キロを切ったところでヴィンセントが中央大をかわして2位に上がると、22.3キロで東洋・山本も抜き去り、戸塚中継所をトップで通過。国士舘大にとっては46年ぶりの往路首位リレー!東洋が5秒差で2位、さらに13秒遅れて中央大が3位、日大・ワンブィは14人抜きの4位、王者・青学は首位から1分5秒差の8位。順大・塩尻は10人を抜いて9位。拓大のデレセは12位でリレー。そして、首位通過から10分後に、最下位の大東大が繰り上げスタートとなった。
3区(21.4キロ)、東洋大の吉川洋次が最初の1キロで首位に立つと、そのまま独走する。2区で8位と苦戦する青学は、エースの森田歩希が登場。5キロ前に日大を抜いて7位に上がると、国士舘,中央,駒澤と次々と抜いて行き、11.5キロで2位集団に追いつき、茅ヶ崎地点(14.3キロ)で単独2位に浮上。森田は17キロすぎに東洋・吉川の背中を捉えると、20キロ過ぎに吉川をかわして遂にトップに立った。7人抜きで1分5秒差をひっくり返した森田は、平塚中継所を先頭で通過。1時間1分27秒の区間新記録を打ち立てた。森田から8秒遅れて東洋大が2位、3位には駒大、さらに東海、国学院と続く。後続では、帝京大・遠藤大地が8人抜きで、14位から6位にジャンプアップ。2区でトップだった国士舘は、3区で11位と大きく順位を下げた。
4区(20.9キロ)、2位の東洋大・相澤晃が、1.8キロ過ぎに先頭を行く青学・岩見秀哉に追いつく。暫くは並走状態が続いたが、2.7キロ過ぎに相澤が抜け出した。相澤は9キロ手前で岩見に約1分差、12キロで1分45秒差、17.7キロ地点で2分45秒差まで拡げる。岩見は18キロ過ぎに東海大・館澤亨次に抜かれ3位に転落。
相澤は後半に入っても軽快な走りを続け、最後までペースは衰えることはなく1時間0分54秒の好タイムで5区のランナーにタスキを渡した。東洋・相澤から2分48秒差の2位に東海大、青学は3分30秒差の3位。その後、駒大、帝京、国学院、中央、明治、拓殖、東京国際、順大、法政と続き、山梨学院が繰り上げスタート4秒前(14分56秒差)でタスキが繋がり、関東学生連合が繰り上げスタート。
山登り区間の5区、先頭の東洋・田中龍誠が一人旅を続け、2位の東海・西田壮志が猛追する展開が続く。3位の青学・竹石尚人はペースが上がらず、6キロ前で駒大に抜かれて1つ順位を落とすと、さらには国学院・浦野雄平にもかわされる5位に後退。
後続勢では、12位でタスキを受けた法政・青木涼真が、小涌園前までに6人を抜いて6位まで順位を上げると、12.7キロで竹石も抜いて5位まで順位を上げた。国学院の浦野も駒大を抜いて3位に浮上。
トップを行く東洋・田中は、余裕の走りで箱根の山を駆け抜け、芦ノ湖をトップでゴールイン。東洋大学が昨年に続き、往路優勝を達成しました。東洋がゴールしてから1分13秒後東海・西田が2位でフィニッシュし、3位でゴールした国学院・浦野は1時間10分54秒の区間記録を樹立。その後、駒澤が4位、法政が5位、青学は6位で往路を終えました。
第95回箱根駅伝 往路順位
1位 東洋大学 5:26:31
2位 東海大学 5:27:45
3位 国学院大学 5:29:15
4位 駒澤大学 5:29:59
5位 法政大学 5:31:36
6位 青山学院大学 5:32:01
7位 順天堂大学 5:32:05
8位 拓殖大学 5:32:08
9位 帝京大学 5:33:30
10位 中央学院大学 5:33:32
11位 明治大学 5:34:14
12位 中央大学 5:35:26
13位 日本大学 5:35:37
14位 国士舘大学 5:35:53
15位 早稲田大学 5:36:06
16位 日本体育大学 5:36:33
17位 東京国際大学 5:37:15
18位 神奈川大学 5:39:41
19位 上武大学 5:40:10
20位 城西大学 5:42:26
21位 大東文化大学 5:43:07
22位 山梨学院大学 5:44:16
OP 関東学生連合 5:44:17
区間賞
1区 西山和弥(東洋大) 1時間02分35秒
2区 パトリック・ワンブィ(日本大) 1時間06分18秒
3区 森田歩希(青山学院大) 1時間01分26秒 ※区間新
4区 相澤晃(東洋大) 1時間00分54秒 ※区間新
5区 浦野雄平(国学院大) 1時間10分54秒 ※区間新
箱根駅伝の往路は、東洋大学が5時間26分31秒の往路新記録を打ち立て、2年連続7回目の往路優勝を果たしました。東海大学は1分13秒差の2位。往路最高順位の3位でフィニッシュした国学院大学は、5区・浦野選手が区間賞を獲得。4位の駒大は2年ぶりのシード返り咲きに大きく前進。前回王者の青山学院大学は往路6位。
シード権争いでは、中央学院大学が10位、明治大が11位。両者の差は42秒差。9位・帝京から12位・中央までは約1分56秒差、13位の日大も10位とは2分5秒差あるから、逆転シードの可能性も。2区で首位だった国士舘は往路14位。前回3位の早稲田は15位、日体大も16位と苦しみました。スタートで転倒し、2区で繰り上げスタートを味わった大東大は21位で往路を終えました。
東洋大は1区で西山選手が2年連続の区間賞を獲得。3区で青学の森田選手に逆転を許しましたが、4区で相澤選手が従来の区間記録を1分半も大幅に更新。2位に3分近い大差をつけ、5区の田中選手が4区で稼いだ貯金を守り切りました。前回大会は往路で1位になりながらも、復路6区で青学に逆転されました。今年こそは復路でもトップでゴールテープを切って、王座奪還となるでしょうか。
青学大は3区のキャプテン・森田選手が7人を抜いて首位に立ちましたが、4区と5区で誤算。4区の岩見選手が区間15位タイに沈むと、5区の竹石選手は8位まで順位を落としました。下り坂で息を吹き返して6位まで盛り返しましたが、区間順位は13位。絶対王者の青学が往路で6位という結果はは予想外。復路での巻き返しに期待したいが、東洋大とは約5分30秒の差があるから、大逆転での総合優勝は厳しいと思う。
復路は午前8時に首位・東洋がスタート、その後に東海、国学院、駒澤という順番でスタートしていきます。東洋大が出発から10分後に、日体大以降のチームが一斉にスタートします。復路も波乱の予感がしそうです。