風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

NHK交響楽団 第1996回定期公演 Bプロ @サントリーホール(11月16日)

2023-12-28 02:18:04 | クラシック音楽



シベリウス:交響詩「タピオラ」 作品112
ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ調
イロ・ハールラ (ペッカ・クーシスト編):舟歌(バルカローレ) *ソリストアンコール
(休憩)
シベリウス:交響曲 第1番 ホ短調 作品39

N響&高関さんの2番マケラ&オスロフィルの2&5番ヴァンスカ&都響の5&6&7番と続いた今秋のシベリウス祭りも、今夜がラスト!
大好きなシベリウスを沢山聴くことができて、とても幸せな秋でした

指揮のユッカ・ペッカ・サラステは、サロネンやマケラやヴァンスカと同じくフィンランドの指揮者(師匠も同じヨルマ・パヌラ)。
一曲目の『タピオラ』から、私の理想のシベリウスと感じました。
今まで聴いてきた中で一番理想的かもしれない。
オケの音自体はN響よりも先日のオスロフィルの方が北欧の空気を感じさせたけれど、サラステから作り出される音楽が、フィンランドの土の匂いと透明感を同時に自然と肌で感じさせるような。美しいだけじゃない、ちょっと怖いような何か。
今回のコンマスの郷古さんがXで「混沌としているが透明感があって、グロテスクと抒情性が共存する不思議」とシベリウスの音楽を表現されていたけれど、まさにそのとおりの音だったのでありました。
『交響曲 第1番』のチャイコフスキーに似ているフィナーレも、今日の演奏は透明感のあるシベリウスの音で。
国内のオケでもこんな演奏が聴けてしまうのだものなぁ。。。有難いことです。。。

ストラヴィンスキーの協奏曲を弾いたのは、同じくフィンランドのヴァイオリニストのペッカ・クーシスト
この人がまた素晴らしかった
ヴァイオリンってこんなに軽やかで多彩な音が出るのか、と。
それを難なく弾いていく様は、まるで違う楽器のよう。
アンコールの現代曲なんて、目を閉じて聴いていたらヴァイオリンの音とは気づかないんじゃなかろうか、と。自然の風を肌で感じさせるところが、先日のMCOのヴィトマンの音楽を思い出させました。

終演後にN響からサラステに恒例の赤い薔薇の花束が贈られたのだけれど、とってもお似合いでした🌹














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コンスタンチン・シェルバコフ ピアノリサイタル @浜離宮朝日ホール(11月13日)

2023-12-27 22:36:23 | クラシック音楽



ラフマニノフ:
・幻想的小品集 Op.3 より
 第1曲 エレジー 変ホ短調 / 第2曲 前奏曲 嬰ハ短調 「鐘」 /
 第3曲 メロディホ長調 / 第4曲 道化師 嬰ヘ短調
・サロン小品集 Op.10 より
 第2曲 ワルツ イ長調 / 第3曲 バルカロール ト短調 /
 第6曲ロマンス ヘ短調 / 第5曲 ユモレスク ト長調
・練習曲集「音の絵」 Op.33 より
 第2番 ハ長調 / 第6番 変ホ短調 / 第8番 ト短調 / 第7番 変ホ長調

(休憩)


・13の前奏曲 Op.32 より
 第10番 ロ短調 / 第11番ロ長調 / 第12番 嬰ト短調
・10の前奏曲 Op.23 より
 第4番 ニ長調 / 第5番 ト短調 /第6番 変ホ長調 / 第7番 ハ短調
・練習曲集「音の絵」 Op.39 より
 第5番 変ホ短調 / 第9番 ニ長調
※アーティストの強い希望により曲目が変更となりました。
 
◆アンコール
ラフマニノフ:
楽興の時 Op.16 より 第3番 ロ短調
幻想的小品集 Op.3 より 第5曲セレナード 変ロ短調


年末は心も体も忙しなく、ブログを怠けているうちに書くべき感想が山のように溜まってしまった・・・。
今年の感想は今年のうちに。
サクサクと簡潔に、あげていきます!

シェルバコフを聴くのは今回が初めて。
というよりお名前も存じていなかったのだけれど、ロシアピアニズムの音を愛するワタシは、別公演で配られたチラシの「伝統あるロシア・ピアニズムの継承者」の文言に惹かれ、チケットをポチしてしまったのでした。

会場に着いたら曲目変更の案内が掲示されていて、でも実際に弾かれた演奏はそれとも違っていて(曲に詳しくない私でも長調と短調が違うのですぐに気づいた)、終演後にロビーに貼られた正しい曲目とアンコール曲の掲示を皆さん写真に撮っておられました。
冒頭に載せたのは、その正しいプログラムのもの。

前半一曲目に弾かれた『エレジー』は、以前聴いたガヴリーロフの演奏よりも明るい音に聴こえました。

後半、特にOp.23以降が大変よかったなあ!
ピアニストではよくあることだけれど、後半から音がノって、深みが増した気がする。
ロシアピアニズムの特徴であると私が思っている、感情を感じる芯のある弱音、歌うところの濃厚なロマンティックさ、スケールの大きさ
、ロシアの大地、空気。
それらを今日のシェルバコフの演奏からもたっぷりと感じることができました。
アンコールの1曲目の楽興の時第3番も、とてもよかった。

今日、来てよかったな・・・。
誰のためでもない、自分が選んだ自分の音楽を聴けた気がする。
って意味がわからないと思いますが、それは今の私にはとても大事なことなんです・・・。

シェルバコフはロシアのピアニストらしくステージでの笑顔は殆どないのだけれど、最後に客席から「Bravo!」の布が掲げられるのを見た途端、笑みをこぼしておられました




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