風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

NHK交響楽団 第1882回定期公演 Aプロ @NHKホール(4月15日)

2018-05-02 18:19:51 | クラシック音楽




昨年11月のブロムさん×ゲヴァントハウスの公演は全プログラムをコンプリートしてしまった私。
5ヶ月ぶりのN響との今回も、全プロ皆勤
まずは初日のAプロの感想から。

ベルワルド (1796~1868) :交響曲 第3番 ハ長調「風変わりな交響曲」(ブロムシュテット校訂版)(約28分)
ベルリオーズ (1803~1869) :幻想交響曲 作品14 (約50分)

二曲ともすっごく楽しかった
1500円でこんなに楽しめるのなら、毎回行こうかなN響定期公演。と一瞬思ったけれど、私はN響というよりやっぱりブロムさんが好きなのだと思う。いいなあと感じた部分がゲヴァントハウスのときと同じだったので。
全体で一つの交響曲を聴いている感覚、なのに突き抜けた推進力があって、弱音も強音も丁寧で美しい。
前回ゲヴァントハウスとのコンビで見せてもらえたような天国はN響の音からは見えなかったけれど、N響の演奏、とてもよかった。N響を聴くのは初めてだけれど、このオケの音、これまで聴いた日本のオケの中では私は一番好きかも。もっと保守的な演奏をするオケかと思いきや突き抜けた美しさを聴かせてくれましたし、弦も熱くて濃密でとても綺麗だった(ちなみに本日のコンマスはゲストのライナー・キュッヒルさん)。クラリネットの美しい音色にもうっとり

一曲目は、ブロムさんの故郷スウェーデンの作曲家ベルワルドの交響曲。
そうだった、ブロムさんの指揮はこんな感じだった。すごく音楽が好きそうに楽しそうに指揮されますよね。少年みたいで、インタビューですぐに歌いだしちゃうあのまんまの指揮。ていうかブロムさん、お元気だ。11月の来日時よりさらお若く見えるという驚異の90歳。この日は友人の月命日で、健康に気をつけて次回もぜひお元気で来日していただきたいって言っていた友人はあちらの世界に行ってしまって、人生って本当にわかりませんね…。

本日演奏される2曲は、ブロムさん曰く、どちらもベートーヴェンの影響を受けた作曲家の作品とのこと。同じプログラムを5月にコンセルトヘボウとも演奏されますね。
ベルワルドという作曲家の名前を今回初めて知った音楽素人の私にはこの曲がどういう形でベートヴェンの影響を受けているのかはよくわからないのだけれど(ベルリオーズの方は型破りな交響曲の作曲法?)、最終楽章の木管楽器からクライマックスに向かう勝利の主題のような部分などはスメタナのブラニークを聴いた感覚が思い出されて、すごく楽しかった ブロムさん、盛り上げる~。

休憩を挟んで後半は、ベルリオーズの幻想交響曲。
ブロムさんが振るとゲヴァントハウスでもN響でもTHE独逸な音になるのだなあ。好みとしては2楽章のワルツなどもうすこし軽やかに演奏してほしいと感じる部分もなきにしもあらずだったけれど、そんなのは些細なことと思わされてしまう楽しさと充実感

そして、きゃ~楽しい~美しい~~~~♪♪と聴いていると、その美しいまま、はたと気づけば断頭台への行進の只中にいるという。金管全開の華やかさ!!がゆえの怖さ。音色の美しさ!!がゆえの異様さ。を繰り返しありでたっぷりと味わわされた後の、ギロチンざしゅっ!で呆然。予習で聴いたカラヤン×ベルリンフィルの演奏では、最期の想いに十分に浸り切らせてくれた後にざしゅっだったのに、今回は浸る間を与えてくれずに容赦なくざしゅっで。この演奏って一見リアルじゃないようで、実はものすごくリアルなのでは。最終楽章の魔女の宴も盛り上げきってくれました~~~。ブロムさんもオケもぶらぼーーー
この曲はバンダ(オーボエ&鐘)も楽しいですよね

大大大満足な演奏会でした。
日本のオケで毎回こういう演奏が聴けるのなら、来日オケに行く頻度を減らすのだがなぁ

※ブロムさん動画インタビュー:ベルワルドの交響曲について

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マリア・ジョアン・ピリス ピ... | TOP | NHK交響楽団 第1883回定期公... »

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。