仲間たちオーケストラとの第九以来、二度目のコバケンさん指揮。
今回の演奏会に行こうと思ったのは、龍村監督が亡くなられてちょうど1年であるためと、「わが祖国」がコバケンさんも来られた監督を偲ぶ会で上演されたプラハの春音楽祭のドキュメンタリーと重なったため、でした。
15歳ではじめて監督の作品に出会ってから、32年。
今日でひと区切りにしようという思いもあり、やってきました。
ちなみに、私の2024年の演奏会初めでもあります。
「わが祖国」を聴くのは、アルトリヒテルさん&チェコフィルに続いて2回目。
亡くなった友人との思い出のある演奏会でもあります。
プラハ交響楽団を聴くのは初めてだけど、第一曲のヴィシェフラドから、The チェコの音
以前も書きましたが、私が好きなオケの音ツートップはウィーンフィルとチェコフィルで、今回のプラハ響はそれに並ぶレベルで好きな音でございました。
少し暗めの、ドイツのオケほど重厚じゃない、独特の翳りと素朴な温かみのあるローカルな音。その街の歴史や空気を感じさせてくれる音。
やっぱりこの曲はこういう音で聴きたいよねぇ、と改めて感じました。もっと上手なオケはあるだろうけれど、上手い下手じゃないんだよねぇ。
ブラニークの最後は、客席の上方に「チェコ」が見えた。20年前に一度だけ行った、あの国の空気を肌で感じさせてくれました。
どうやら私は中~東欧の音が好きなのだなぁ。
コバケンさんとプラハ響はあまり共演経験がないせいか意思の疎通が十分でないところや音がばらけ気味なところもあったけれど(Xの情報によると初客演で、リハも前日1日だけだったとか)、個人的にはそれを超えるに余りある心に響く演奏を聴かせてくださいました。
弦も管も私の好みにぴったりの良い音だったなぁ。ハープもティンパニも素晴らしかった。あと、カジュアル服で頭にバンダナのホルンさん!初めて聴く音だった。まるで人間の声のような。ホルンであんな音が出るんだねぇ。
第二曲「モルダウ」の最初に例のメロディーが登場するところ、コバケンさんは指揮棒を振らず、胸に片手をあてて客席の上方を斜めに向いておられて。これはいつものコバケンさんなのだけれど、なんとなくホールの客席で龍村監督が聴いていらっしゃるような気がして、胸がいっぱいになってしまいました。
前日にドキュメンタリーを見なおしていたので、なおさら胸に響きました。
プラハ響の皆さん、一人一人がP席にも笑みをくださって、温かな雰囲気のオーケストラだった
西欧のオーケストラと違って、舞台上の空気が東欧。プログラムのメンバー表を見ると、おそらく奏者さん達はチェコ人の方が殆どなのではないかな。
最後にコバケンさんがマイクを持ってご挨拶。概要はこんな感じ↓
「手が届きそうで届かなかったところもありましたが、この曲は彼らのアンセムのようなもの。本来海外のオーケストラ公演ではアンコールがあるものですが、これほどの演奏の後にアンコールはできません。代わりに、彼らに拍手を送ってください」。
13日にはコバケンさんの故郷いわき市でも、同プログラムが演奏されるそうです。
この曲を聴き終わったときの感覚って第九と似てるなと感じる。民族の勝利というゴールを超えて、人類の平和、幸福を目指している、そんな音楽に聴こえる。
【当日券情報】#プラハ交響楽団
— ジャパン・アーツ(Japan Arts Corporation) (@japan_arts) January 10, 2024
明日1/11(木)はいよいよ #小林研一郎 が登場します!
当日券は18時よりサントリーホールにて、S、Aを販売いたします。マエストロ渾身の“わが祖国“全曲をお聴き逃しなく!https://t.co/qZH8CCM3qn pic.twitter.com/aL0CtFotfW