風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

十月大歌舞伎 『寺子屋』 @歌舞伎座(10月19日)

2014-10-20 00:12:53 | 歌舞伎




夜の部の『寺子屋』を幕見してまいりました。

【寺子屋】

この演目を観るのは初めてで他の役者さんのときにどんな風なのかはわからないのですが、仁左衛門さんの松王丸、すごく良かった。。。。。
立派で、かつ深い親の情に溢れてて。。。。。
こういう松王丸だったら、自分の息子を殺すという行動もちゃんと納得できる。
しかし松王丸って難しそうな役ですね。仁左衛門さんにはピッタリのお役でしたけれど。

玉三郎さんの千代がまた立派で、やっぱり情に溢れてて。。。今回はすごく母親に見えたなぁ。
源蔵の刀を躱して涙ながらに「お役に立てて下さったか、まだか」のところ、カッコよかったよぉ~、素晴らしかったよぉ~;;
仁左衛門さんとの夫婦もとってもいい感じで(見た目ももちろん美男美女)、この二人の子だったらそりゃあ小太郎君はニッコリ笑って死ぬくらいするはずだわぁ、と・・・

ニッコリ笑うといえば、勘九郎の源蔵!
この「ニッコリと笑ふて」と言うときの表情・・・!なんていい顔するの・・・。泣くような、微笑むような、あたたかい表情・・・。またこれを受ける仁左さまがさぁ・・・「笑いましたか」って・・・泣!玉さまの方を向いて、「こりゃ女房、笑ふたとやい」って・・・泣泣泣!!!
はっきり言って舞台上手組(仁左さま&玉さま)と下手組(勘九郎&七之助)の間の貫録の差は4階席からでも明白すぎるほど明白で、芸の重みも張り合えるレベルではまったくなかったのだけれど、それ以上に四人の雰囲気がとてもよかった。
寺子屋ってこれでいいのかもしれないな、と思った。松王丸と源蔵って必ずしも同じ格の役者同士が丁々発止する必要はないのですよね。それよりも、同じ想いを分け合えている、互いの心を理解し合えている、そんな空気の方がこの演目ではずっと大切なことのように今日の四人を見ていて感じました。その同じ想いというのは、ストーリー上ではもちろん「菅秀才の命を救う」というものだけれど、実際では言うまでもなく仁左衛門さんと勘九郎は、そして玉三郎さんと七之助も、今回追善している十七世、十八世勘三郎さんへの想いを分け合ってるのですよね。
そういう役者四人の深い心の繋がりが舞台の空気にも表れていたように私には感じられました。

あ、亀蔵さんの玄蕃は、ちょっと声がうるさく感じた。。。仁左衛門さんが声の大きさとは違う次元で深みのある演技をされていたから、余計にそう感じてしまって。。。でも面白味はありました!次々戸から出てくる子供達の顔を確認する場面、みんな可愛かったなぁ(*^_^*)

さて、昼の部は果たして私は観られるのだろうか。。。寺子屋もできたらもう一回観たいけれど、ムリかな。。。

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