風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

歌舞伎座新開場こけら落 九月花形歌舞伎 夜の部(9月5日) ①

2013-09-07 21:18:02 | 歌舞伎




一言でいうと、観に行ってよかった!!です。

今回7人を同じ舞台で見てつくづく感じましたが、この花形世代の個性の多様さは素晴らしいですね。
そして舞台上の彼らの美しいこと!
芸と若さのバランスが最高の状態にある、「花形」が最も「花形」らしいとき、それがまさしく今なのではないでしょうか。

そんな花形役者が勢揃いした、超豪華配役の『陰陽師』。
舞台を観てまず感じたのは、「時代は平安だけど世界観は現代」という原作の魅力をよく表現しているな~ということでした。
これというテーマがあるわけではなく、現代的なカラリとした空気感と平安という美しい時代設定がひとつになった、気軽に楽しむエンターテインメント小説。それが、この陰陽師シリーズですから。そういう意味でも、とても現代的な小説です。
こういうこれまでの歌舞伎にはなかったタイプの作品をあえて新しい歌舞伎座の新作として選んだことは、歌舞伎の可能性をまた一つ広げたという意味で、私は評価していいと思います。

新作なので本当にツッコミどころはまだまだ満載ですが(後で書きます、笑)、それもまた花形世代と新生歌舞伎座の勢いを感じさせて、とても気持ちのいい舞台でした。
彼らの日頃のインタビューから古典は古典として決して変えてはならない、その一線ははっきり引く、という意識をちゃんと持っていることは知っていましたので、そういう意味でも安心して観ることができました。それだけは絶対に守っていただきたい部分ですものね。
記者会見で松緑が「少数派の意見かもしれないが、"これを歌舞伎と言っていいのか"というタイプの新作は主義的に僕の好きなジャンルではない」とはっきりと言っていましたが、こういう意見があることも頼もしいな、と思います。いざというときにはストッパーになってほしい。今回の『陰陽師』でも松緑はとても歌舞伎らしい演技をしていて、私には好ましく見えました。
いずれにしても、そんな彼らが一緒に作り上げた新作『陰陽師』、色々な意味で必見の舞台です。

詳しい感想はまた後ほど。


《記者会見》
チケットぴあ:花形俳優が勢揃い!「九月花形歌舞伎」会見レポート

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