シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ある公爵夫人の生涯

2009-04-08 | シネマ あ行
ダイアナ妃の祖先にあたるデヴォンシャー公爵夫人キーラナイトレーの生涯を描いた作品。貴族の家に生まれ、さらに位の高い公爵家に嫁いだジョージアナスペンサー。美人で機知に富み、社交界の人気者となるも、肝心の夫だけは彼女を愛してはくれなかった。200年の時を越えて、ダイアナ妃とあまりにも境遇が似通った公爵夫人の物語。試写会が当たったので、行ってまいりました。

もちろん、初めからダイアナ妃との共通点を強調してあるから、どうしてもそこに目が行ってしまうのだけど、それを差っ引いて考えても、確かに二人の人生はどこかシンクロするところがある。ジョージアナが自らの結婚の失敗を嘆き、不幸そうな表情をするところなんか、よくメディアに出ていたダイアナ妃の不幸な時代のつまらなそうな表情にソックリでビックリしてしまった。キーラはそれを意識していたわけではないと思うんだけどね。もともとキーラとダイアナ妃って全然似ていないと思うんだけど、それでもすごく重なるところがあった。

ジョージアナと結婚するデヴォンシャー公爵レイフファインズは、妻には世継ぎを産ませるということでしか興味を示さず、生まれた子が女の子だったら、その赤ん坊にすら興味を示さない。彼も彼で貴族として生まれ育ち、それだけの価値観にがちがちに縛られ、社会からのプレッシャーに耐えながら暮らしていたであろうことは、推測することはできたけど、どうしてもジョージアナ目線で物語を見てしまって、好きなレイフファインズまで嫌いになってしまいそうなほど、ひどい奴と思ってしまった。それだけ、レイフファインズの演技はうまかったってことだろうけど。

友人のエリザベスヘイリーアトシェルのことはめちゃくちゃ腹が立ったけど、それもあの時代の女性にはあんな生き方しか残されていなかったのだなと思って許すことにした。ジョージアナ自身も許していたようだしね。

話としては、よくある貴族のお話というか、その中での男女のドロドロ物語で、特に目新しいことは何もないんだけど、キーラも非常に頑張って演じているし、彼女の健気さにどこか応援してしまう。実の母親にまで、世継ぎを産めってプレッシャーかけられるところなんかは、マリーアントワネットともよく似ていたね。

衣装もさすがのアカデミー賞受賞で、豪華絢爛で、よくマリーアントワネットの映画に出てくるような当時のヘンテコな流行りもの系も出てくるんだけど、ジョージアナがファッションは「権力のない女性が、自分を表現する唯一の方法」と言っていたのは、的を射ていてうなづけた。

「マンマミーア!」ではなんだか変な顔の子だなと思ったドミニククーパーが今回はカッコよく見えて、コスチュームもののほうがいいのかななんて思ったりした。

しかし、200年経っても世継ぎを!男の子を!なぁんて言ってる人たちがまだいるんだもんなぁ。全然成長してない人たちもいるもんだ。


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