公開時、字幕版でやっている劇場を見つけられず、泣く泣くあきらめました。今回WOWOWで字幕版を見ました。
もし隕石が地球にぶつからず恐竜たちが絶滅せずにそのまま進化を続け高度な文明を築いていたら。という壮大な「IF」から始まるこの作品。
大型草食恐竜アパトサウルスの家族の末っ子アーロレイモンドオチョアは体が小さく弱虫でいつも兄や姉にバカにされていた。そんなアーロを強く育てようとお父さんジェフリーライトはサイロの穀物を盗む奴を捕まえろと言う。
サイロに忍び込んでいたのは人間の子どもジャックブライトだったが、アーロは怖くて取り逃がしてしまう。父さんは一緒に捕まえに行こうとアーロを連れ出すがその帰りに嵐に遭い、お父さんは濁流に飲み込まれて死んでしまう。
別の日少年を見かけたアーロは追いかけていく途中、川に落ちて流されてしまう。そこで助けてくれたのはあの人間の少年だった。
この人間の少年がまさしく「犬」そのもの。恐竜が人間のように進化を遂げている世界では人間はまだ犬のような存在だということらしい。のちにアーロが「スポット」と名付けるこの少年とアーロの交流がまさに人間と犬のように語られていくのだが、これはなんか人間様を犬のように描きやがってと怒る人も出そうだなぁと思いながら見ていました。「スポット」っていうのもまた超犬っぽい。
ワタクシは別にそんな気持ちはなくただただアーロとスポットが可愛いかった。弱ったアーロを助けようとお肉とか持ってきてあげるスポット。でもアーロは草食恐竜だからお肉食べられないんだよねぇ。最後に木の実を持ってきてくれて2人で食べるんだけど、一度腐った木の実を食べてしまって2人ともゴキゲンにトリップしちゃうシーンはかなり大人向けな笑い。
広大な大地で出会うカウボーイのような肉食恐竜たちの描き方がいかにもアメリカって感じで好きだったな。そのカウボーイ家族がブッチサムエリオット、ラムジーアンナパキン、ナッシュA.J.バックリーってまたいかにもな名前で。ブッチを演じるのがサムエリオットという通を唸らせるキャスティング。
いつスポットが喋るんだろう?と思って見ていたのですが、完全に実際とは違う進化を遂げた世界らしく、スポットは人間の言葉を最後まで話しませんでした。それでも、きちんとアーロとスポットの会話が分かるように描けているところがさすがピクサーだなぁと思います。
そして、一作品ごとに進化していくピクサーの映像の美しさがまたまたすごいです。大自然の情景がまるで「これって実写?」と目をこすりたくなる出来栄えです。
ピクサー作品の中では子供向け感が一番強いかなと思います。笑いあり涙ありでいつもピクサーっぽい作品に仕上がっていてワタクシは大好きです。