シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

真夏のオリオン

2009-06-25 | シネマ ま行
試写会が当たったので、行ってきました。もう結構前になっちゃいました。

ワタクシ、もう「亡国のイージス」だか「ローレライ」だか、どれがどれか分からなくなってきています。すんません。ちょっと違うけど、付け加えると「男たちの大和」も「出口のない海」もいっしょくたになりそうです。

こういう戦争アクションってどうなんですかね。なんか素直にアクションがすごいとか手に汗握るとか、あんな上司カッコイイとか思っていいんかなーって。特に実際にあった第二次大戦を舞台にして、日本軍をあんなにカッコよく描くことってなんかワタクシは抵抗があるんですよね。いや、もちろん戦争にまつわるすべてのことに関して悲惨に描くっていうのはちょっと無理があるとは思うんです。人間って、やっぱり戦闘とかそういうものをカッコイイと思う気持ちっていうのはあると思うんですよ。ワタクシも、この作品に登場する倉本艦長玉木宏とか有沢艦長堂珍嘉邦とか桑田機関長吉田栄作とかやっぱカッコイイって思っちゃうもんなぁ。だから、第二次大戦をカッコよく描くことってどうやねん?っていう気持ちを完全に抜きにしてしまえば楽しめるのかもしれません。

実際、人間魚雷である回天を使うことを「もったいない」と言ったり、素直に部下たちに「ありがとう」と言える倉本艦長の人柄は、時代を超えて素晴らしいものだと言えるし、戦争という舞台ではなくても彼はとても素晴らしい上司になれる人だったろう。若い部下たちにとっては、戦争をきっかけにしたものだったとは言え、そういう人柄の人と触れ合えたことは、その後の人生に大きな影響を与えたかもしれない。

ただ、この作品のタイトルにもなっている「真夏のオリオン」うんぬんのエピソードについては、ちょっといただけないというか、なんか臭過ぎる~って気がしましたね。イタリア語で書かれた歌詞をなんで日本人もアメリカ人も理解できるねん???って感じだし、なんかそこがいかにも「ほら、泣くとこですよ」っていう感じになっていて抵抗を覚えました。倉本艦長に玉木宏を起用しているあたり、女性客も狙っているということは分かるんですが、こういうエピソードで女性客のハートを掴もうとしているのかな?それよりも、もっとハードな作品に仕上げたほうがいい作品になったとは思うんですが、興行を考えるとそうもいかないというところですかね。