シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

パッション

2005-03-31 | シネマ は行
痛いです!!!!!
痛いシーンで目を伏せてしまう人は見ない方がいいです。
映画のほとんどの時間を目を伏せて過ごすことになってしまいます。

ワタクシは宗教は信じませんが、宗教学そのものには興味があるので
聖書の内容は、キリスト教徒ではないにしては知っているほうですが、
聖書に忠実にイエスの最後の一日を映像化するとこんな残酷なものになるんだぁ、と改めて感じました。
聖書って「お話」として結構面白い読み物だと思うんですが、確かにかなりBLOODYだよなーと。

保守系キリスト教徒はこれをみてひっくり返ったわけですが、監督したメルギブソン自身敬虔なカトリック信者であるわけだから、けっしてイエスを冒涜したものではないんですよね。
世の中、TVや映画の残虐性が問題視されてる(キリスト教の保守派はもっともそれに対してうるさく言う人たちのグループのひとつ)けど、世紀のベストセラーである聖書が想像を絶するほど血なまぐさい物語なんですからね。なんか、皮肉な感じも。
そして、異端審問がお得意のキリスト教の教祖様が、異端者として扱われていたことにもなにか皮肉を感じます。

宗教論争は、さておき「映画は娯楽だ」精神にのっとり話をすると、この物語をあえて聖書に忠実に映画化したメルギブソンって真面目ーーーな人なんやろーなーっていう人柄がにじみでてましたね。残虐な映像の中にも誠実さが感じられました。
なんか分からないけど、美しいです、全体的に。なんだろう、こっちが勝手に神聖な感じするなぁって思い込んでるからなのかな。でも、それだけではないような。メルギブソン、撮るたびにうまくなってますね。
死ぬ直前にイエスが見せる父(神)への一瞬の疑いの気持ち。それを撮ったメルは相当の勇気がいったと思います。

そして、イエスを演じるジムカヴィーゼルが、すごくイエスっぽいのですが、清貧生活をしていたはずのイエスのがたいがあんなにいいのはナゼ?メルもジムも完璧を目指したはず。ならば、何か深い理由でもあるのかな。
知ってる方がいたら教えてほしいです


この映画にはいっさい余計な説明はありません。
キリストの最後の一日のことなんてホントにまったく知らないという人は
ユダって誰?マグダラのマリアって誰?イエスはなんで死刑になるの?ゴルゴダの丘って?
くらいは、軽く予習してから見たほうがいいかもしれません。