特殊清掃「戦う男たち」

自殺・孤独死・事故死・殺人・焼死・溺死・ 飛び込み・・・遺体処置から特殊清掃・撤去・遺品処理・整理まで施行する男たち

ゴミがごみごみ

2024-05-10 05:05:55 | ゴミ部屋 ゴミ屋敷
ゴミ屋敷の話である。少し前に10chのある番組の企画で「汚宅拝見」というのをやっていたが、まさにそれである。
ゴミを「これでもか!」という程、溜め込んでいる人って結構いるものなのである。

普段は特殊清掃・遺品回収がメインの仕事だが、時々、ゴミ屋敷の片付依頼も入ってくる。
当社は、ただのゴミ処分業者ではないので、住人が亡くなっている上での遺品回収ということで依頼を受けるのだが、実際はゴミ屋敷の片付けである。

私はこういう仕事はかなり苦手である。地道に単調にコツコツやらなければならないことが苦手なのである。それが体力仕事だったらなお更で。同じやるなら特殊清掃の方がよっぽどいい。


ある程度分別してトラックに積み込んでいく。分別作業の手間のかかることといったら、そりゃ大変。そして、運び出しても運び出してもゴミは減らない。

最もやっかいなのは、遺族から「○○を探してほしい」と特定の物を探し出すことを頼まれたときである。例えば、印鑑・預金通帳・年金手帳・写真など。山のようなゴミの中からこんな小さな物を探し出すなんて、気が遠くなるような話である。それでも、やれるだけはやってみる。その代わり、値引きなしで遺族にも手伝ってもらう。

「貴重品につき、探し出せない場合でも責任はとれない」

と言えば、イヤイヤでも手伝う。


不衛生で細かい作業なので、やってるうちに遺族も嫌気がさしてきてイライラし始める。そのうち、探し物が「いる」「いらない」とか言って内輪揉めを始めることも少なくない。

それでも、まあまあの金額が残った預金通帳なんかがでてくると、急に元気になって仕事を再開。私も含めてだが、人間って本当に強欲で面白い生き物である。

とにかく、ゴミを溜める人には、本人にしか分からない趣向・感覚があるのだろうが、私には到底理解できない。
そんなことを言うと、

「そういう仕事をしているオマエの感覚の方がよっぽど理解できないよ!」

と言われそうだが(苦笑)。


ま、何はともあれ、ゴミ屋敷は遠い地の他人事と思ってたら大間違い。ひょっとしたら、貴方の隣家がゴミ屋敷になっている可能性があるかもよ。


トラックバック 2006/06/09 投稿分より

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コメント (15)
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