プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★冷徹な人事が名人事!

2007-08-26 10:50:04 | 日記・エッセイ・コラム

 テレビも新聞も、内閣改造人事を巡り、何かと騒ぎ立てている。明日になれば分かることだが、一刻も早く知りたいのも人情。だが、マスコミが解説するような人事構想では、国民の理解を得られるとは、到底、思えない。

 アメリカに外遊した防衛大臣が、「日本のライスだ」と、下手な駄洒落を飛ばした舌の根も乾かぬうちに、続投しないと総理に事前に進言したなどは、国民を馬鹿にした話だし、アメリカにとっても不愉快な話だ。

 官邸は、事務所費問題に関連して、入閣候補者の身体検査をしているようだが、そもそも、検査の必要があること自体が大問題のはず。官房長官や総務大臣などの仲良しグループまでが槍玉に上がるのを見ると、自民党内での足の引っ張り合いが目に見えるようだ。今や沈没寸前のタイタニック号の船内で、座る場所を争っているかのようで、気の毒になる。

 おまけに、総理を擁護する議員が、「人の良さが裏目に」などと、ボケた言葉を口にしている。人間性で総理が務まるなら、善人は世の中に溢れている。高邁なビジョンを明確にし、その目的達成のために必要な人材を起用しない限り、国民が信じる拠りどころが無いことを肝に銘ずべきだ。しがらみを絶ち、冷徹な人事を敢行することが名人事だと思うのだが。明日、どんなサプライズが待っているのだろう。


★本意は不本意

2007-08-25 10:24:08 | 日記・エッセイ・コラム

 電話に出た妻が「城下町マラソン事務局とか言ってるけど」と、ぶつぶつ言いながら受話器を渡した。

 夜遅くにかかる電話は歓迎出来ない用件が多いことを、30数年間の経験則で、知っている。ときどき居留守を使い、あとで訊くと電話セールスであったり、間違い電話だったこともある。困るのは、酔っ払った悪友が「今から出て来い」と誘う電話。大抵の場合、断り切れずに付き合ったが、この手の悪友には必ず、同じ手でお返しをした。それでも、一向に堪えず、悪乗りされ逆効果だった。退職して、携帯電話を持たなくなった理由のひとつに、「不要不急の用件回避」もある。

 さて、肝心の城下町マラソン事務局の電話は、「エントリー期限が迫っているが、申込みを済ませましたか?」との問合せとお誘いだった。今までに、大会事務局からこういった電話を受けたことが無いので、主催者側の意気込みに驚いた。体調不良を理由に、丁重に断ったが、ありがた迷惑だった。

 昨年、走ってみてレベルの高さを実感し(関門不通過)、出場を断念したのが本当の理由だからだ。ほかに、よく似たコースを走る「百万石ロードレース」もあるが、更に、制限時間が厳しいので、諦めている。ご当地で開催されるレースに参加出来ない口惜しさを吹き飛ばすには、走力アップしかないのだが、見通しは暗くなるいっぽうだ。


★覇者誕生の勝負の機微

2007-08-23 10:10:19 | 日記・エッセイ・コラム

 第89回夏の高校野球決勝戦。今年の大会で初めて、試合開始からゲームを観た。が、広陵高校の毎回の猛攻を凌いでいた佐賀北が、7回表に2点の追加点を許したとき、勝負あったと判断し、テレビを消しラジオに切り替えた。

 高校野球を観戦するとき、私は、自分とのつながりで応援チームを決めている。北陸代表の3校は、初戦で早々と姿を消したが、福井商業の相手が佐賀北だった。次に、妻の出身地の前橋商業を応援したが、佐賀北に破れた。

 お盆休みに帰省した長女の夫君は、元高校球児で、夫婦揃って帝京びいき。その帝京も佐賀北の”がばい旋風”に吹き飛ばされた。そうなると、決勝戦では広陵に仇をうって欲しいところだが、天邪鬼の私は、名門で前評判の高い広陵よりも、にっくき筈の無名の佐賀北を応援した。

 8回裏の攻撃が始まるとき、なぜか、テレビのスイッチに手が伸びた。先頭打者の久保投手がチーム2本目のヒットを放った。必死に走る彼の形相に鬼気を感じたが、球場はまだ静かだった。次打者が続くと、にわかに三塁側応援席が活気づいた。

 一死満塁で、きわどい判定の押出し四球で1点を返したとき、勝利の女神は完全に佐賀北にひいきをした。それまで微妙な判定にも笑顔を絶やさなかった野村投手が、「えっ!まさか?」の表情を見せた時、劇的な逆転ドラマの幕が開いた。副島選手の満塁ホームランは、”添(副)え物”のように思えた。熱狂するスタンドの光景を見ながら、私の心は遠くで”因縁”めいた雷鳴を感じ取っていた。


★健康に命を賭けよう!

2007-08-22 09:35:08 | 日記・エッセイ・コラム

 先日、学生時代からの旧友達(俗称「四人組」)との昼食会の席上、久し振りに、8人で沖縄旅行に出掛けることで意見が一致した。

 今までにも、4人プラス奥方を加えた「八人」で登山や旅行を楽しむことが何度かあった。年一年と、年齢相応に体のほころびが目立ち始めたので、今年あたりが8人全員が揃う最後のチャンスかも知れないと、お互いの気持ちが通じたようだった。

 とりわけ、Y君は、ここ数年来、夫婦揃って健康状態が思わしくなく、旅行に誘うのを控えてきた。その彼が、積極的に参加すると言ったので、余計戸惑いを感じた。全員参加を条件に、私が世話役を引き受けたのだが、旅行時期の調整段階で、Y君から「参加困難」との手紙が届いた。

 不安が的中した感じだが、私自身、爆弾を抱える身だし、妻も健康体ではない。一日健やかに過ごせたことを感謝しつつ眠りにつき、翌朝、寝床で手が動くのを新鮮な喜びで迎える毎日だ。天災地変や交通事故の例を出すまでもなく、寿命の保証は無い。

 「病気」という字を「病いは気から」と読んでみる。健康だから旅行できるのではなく、旅する健康を喜びたい。健康のために走るのではなく、走ることができる健康を喜びたい。いつ果てても良いように、刹那的な感動を求めて、健康に命を賭けていきたい。


★金字塔って欽時塔?

2007-08-21 08:58:06 | 日記・エッセイ・コラム

 某民放が手掛ける「愛は地球を救う」をメインテーマとするテレビ企画番組。毎年、視聴者の関心を集める「24時間マラソン」のランナーは、欽ちゃん。テレビの瞬間視聴率は、49.7%で、金字塔を打ち立てたと騒いでいるが、「欽時塔」、或いは、「欽自倒」と皮肉ってみる。

 66歳の高齢で、24時間走に挑戦したことが多くの人の感動を呼んだのは事実だが、私には別の感慨があった。率直なところ、自分には真似ることが出来ない。だが、彼が24時間70キロに及ぶ距離に挑戦すること自体、無謀を通り越して不遜だ。

 ご本人は、昨年10月から準備を始めたと言うが、日頃、運動習慣が無い人が、それ位の期間で気が遠くなるような距離を走るのは如何なものか?また、彼は、俗に言う「ヘビースモーカー」だ。喫煙者が長距離走に不向きなことは、医学的に常識。これを機に”禁煙マラソン”を始めたとも聞かない。

 毎年、視聴率至上主義のもと、意外性のあるタレントを起用し、作為的に同情を惹こうとする制作側の姑息な計算高さが鼻につき、好きになれない。専属のコーチや大勢のサポートスタッフを帯同して、ヒーローを創りあげるメディア。一面では、勇気を与えるが、もう一方では、陽が当たらない陰の部分を浮き彫りにもする。全国各地で開催される市民ランナー対象のマラソン大会では、体にハンディキャップを持つ名も無いランナー達が、ボランティアのサポートで元気に楽しく走っている。私は、いつも彼らに勇気付けられる。

 本番組だけが例外ではなく、視聴率という極めて情緒的なスケールに一喜一憂するテレビメディアの世界が疎ましく感じられてならない。尤も、個人的には、「彼が70キロに挑戦出来る位なら、私もまだ老け込む訳にはいかない」と、新たな闘争心を掻き立ててくれた点で、感謝している。