プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★金字塔って欽時塔?

2007-08-21 08:58:06 | 日記・エッセイ・コラム

 某民放が手掛ける「愛は地球を救う」をメインテーマとするテレビ企画番組。毎年、視聴者の関心を集める「24時間マラソン」のランナーは、欽ちゃん。テレビの瞬間視聴率は、49.7%で、金字塔を打ち立てたと騒いでいるが、「欽時塔」、或いは、「欽自倒」と皮肉ってみる。

 66歳の高齢で、24時間走に挑戦したことが多くの人の感動を呼んだのは事実だが、私には別の感慨があった。率直なところ、自分には真似ることが出来ない。だが、彼が24時間70キロに及ぶ距離に挑戦すること自体、無謀を通り越して不遜だ。

 ご本人は、昨年10月から準備を始めたと言うが、日頃、運動習慣が無い人が、それ位の期間で気が遠くなるような距離を走るのは如何なものか?また、彼は、俗に言う「ヘビースモーカー」だ。喫煙者が長距離走に不向きなことは、医学的に常識。これを機に”禁煙マラソン”を始めたとも聞かない。

 毎年、視聴率至上主義のもと、意外性のあるタレントを起用し、作為的に同情を惹こうとする制作側の姑息な計算高さが鼻につき、好きになれない。専属のコーチや大勢のサポートスタッフを帯同して、ヒーローを創りあげるメディア。一面では、勇気を与えるが、もう一方では、陽が当たらない陰の部分を浮き彫りにもする。全国各地で開催される市民ランナー対象のマラソン大会では、体にハンディキャップを持つ名も無いランナー達が、ボランティアのサポートで元気に楽しく走っている。私は、いつも彼らに勇気付けられる。

 本番組だけが例外ではなく、視聴率という極めて情緒的なスケールに一喜一憂するテレビメディアの世界が疎ましく感じられてならない。尤も、個人的には、「彼が70キロに挑戦出来る位なら、私もまだ老け込む訳にはいかない」と、新たな闘争心を掻き立ててくれた点で、感謝している。