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時悠人chosan流処世術

★統計アラカルト:フリーター迷走

2006-08-26 10:35:02 | 日記・エッセイ・コラム

今年の「経済財政白書」に“所得格差”に関する記述が登場した。5年半にわたり小泉内閣が推進してきた政策の負の遺産を自ら認めたことになる。

私の関心をひいたのは、20歳代から30歳代前半の層で、格差拡大の度合いが大きくなっていること。バブル崩壊後、日本経済が深刻なデフレに陥り、各企業はリストラにつぐリストラで経営改善に努めたが、その過程で犠牲になった年代層が彼らだ。

企業の経営改善策は、冗費の節約ではタカが知れており、人件費の削減に集中した。社員を解雇し、新規採用を抑制する過程で、低賃金のパートや派遣社員を雇用調整弁として活用したため、派遣社員制度は新しい雇用形態として市民権を得、あっという間に定着した。景気が回復すれば救済できると考えるのは余りにも楽観的で、新卒者の就職率は向上するが、非正規社員は年齢的なハンディを負うだけに、正規社員への扉は狭く、5年・10年後には中年フリーターがあふれる危険性がある。

                                       

政府は、将来の財源不足の観点から社会保険の対象拡大を検討中のようだが、これでは会社の負担増になるだけでなく、正規社員との処遇格差は埋まらず、抜本的な解決策にはなるまい。政府が彼らにどのような有効策を講じるかを注目したい。