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★統計アラカルト:出生率回復?

2006-08-27 09:33:27 | 日記・エッセイ・コラム

 先日、厚生労働省が発表したところによると、今年1月から6月までの出生者数が、昨年同期比で1万人増加した。また、この間の結婚数も増えている。長く続いた少子化傾向に歯止めがかかると期待する向きもあるようだが、果たして政府の少子化対策の成果が出たのだろうか?

 このまま推移すれば、年間出生者数は対前年を上回ることになり、喜ばしい。詳しい分析を急いで欲しい。そうすれば、有効な少子化対策が見えてくるはずだ。

 一方、医師や看護士不足が社会問題化しており、隠岐島では産医師不在で鳥取市の病院で出産する妊婦の費用支援を打ち出した。日本の医師・看護士数は、本当に少ないのだろうか。人口1000人あたりの医師の数を比較すると、1位はイタリア、2位ロシア、3位ドイツで以下、アメリカ、カナダと続き、日本は7位。一方、看護士の数では、1位ドイツで2位カナダ、3位イギリスで日本は4位、アメリカが5位になっている。

 この数字だけみると、我が国の医師・看護士は決して潤沢とは言えないが、極端に少ないわけではない。ところが、別のデータとセットでみると、問題点が浮き彫りになってくる。それは、病床数だ。これも人口1000人あたりでの比較だが、日本がダントツの1位だ。ドイツ・フランスの約2倍、アメリカ・カナダ・イギリスの約4倍にもなる。

 つまり、少ない医師と看護士で多数の病人を診ている実態が分かる。世界一長寿国というが、病める人が多いのでは本当に幸せな国と言えるのかどうか。少子高齢化問題の根底には、都市部と地方間での医療体制の格差が横たわっている。

 マクロデータでしか国を考えないようでは、国民が真に豊かな生活を享受出来ないことを政府は真剣に考えるべきではないのだろうか。