団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

面接 質疑応答

2024年02月21日 | Weblog

  タレントのマツコ・デラックスさんが2月19日TOKYO MXの『5時に夢中!』で興味深い発言をした。普段私はテレビの通常放送をあまり観ない。観るのは、ニュースと気に入っている番組だけだ。その多くは、録画して時間がある時に観ることにしている。

 その日の『5時に夢中!』は、面接採用について取り上げていた。よく面接で「弊社でならなければならない理由」と採用側から質問される。マツコ・デラックスさんは、これはおかしいと発言。「結局さ。なんでもいいんだと思うのよ、面接の時の質問なんて、『今朝何食べましたか?』でもいいのよ。それをいかにおしゃれに答えられるかどうかのテストなわけじゃない?」 なかなか面白い意見だ。マツコ・デラックスさんが過去に採用面接を受けたことがあるか否かはわからない。私も何回か採用面接で「弊社でならなければならない理由」のような質問を受けたことがある。私は、採用されたいがために、力いっぱいヨイショした。でもマツコ・デラックスさんのようにもっと違う質問できないのかとも思った。

 日本の多くの会社は、縁故や卒業大学がどの学校かなどで採用が絞られる。面接だけで採用が決められることはない。私は、現在日本の多くの企業が、世界における競争で後塵を拝するようになったのは、面接で「弊社でならなければならない理由」などという質問をする会社の旧態依然さも原因のひとつだと思っている。

 日本の学校では、討論とか自己主張の仕方とかスピーチの授業がほとんどなされていない。日本では、口が達者だと疎まれる傾向が強い。黙っていることが美徳だと思われている。小学校から大学まで、試験と言えば、試験用紙に答えを書き込む方式である。私は、カナダへ留学して日本の学校とは、違う試験方式に戸惑った。特に口頭尋問のような教師や教授との1対1の面接試験には苦労した。でも暗記がモノ言う日本の試験と違って、慣れてくると何だか私個人を大切にしてくれている気がした。試験の前に提示された資料や文献を読む。質疑応答形式の試験で、その内容に関することを質問される。たとえ資料と文献をすべて暗記していたとしても、この形式の試験では役に立たない。質問には、資料文献の内容を自分で自分の言葉で答えなければならない。私の疑問は、AとかA+とかBとかの評価を教師や教授がどのような基準で決めるのか、だった。

 今、国会中継が面白い。立憲民主党の米山隆一議員と岸田文雄首相との質疑応答は、いわゆる口の達者な日本人と旧パラの世襲で首相にまでなってしまった日本人の闘いである。米山議員はアメリカのハーバード出身。きっとアメリカでそれ相当の口が達者になる訓練を受けたのであろう。追いつめられる首相の「えーッ」が悲鳴に聞こえた。

 面接ではないけれど、私の長男が就職した会社でこんなことがあった。サッカー好きの長男は、ヨーロッパで開催されたワールドカップに行きたくて、会社に休暇願を出した。上司に呼び出されて「会社かサッカーのどちらかを選べ」と聞かれ、長男は、「サッカー」と答えた。上司は、「わかった。行って来い」と休暇願を受理した。

 その話を長男から聞いて、こんな上司もいるのかと感心した。マツコ・デラックスさんが面接試験で「今朝何食べた」でもいいと聞いて、昔の長男のサッカー事件を思い出した。今は入社試験に関わっている長男。採用面接をするなら、どんな面接をしているのだろう。


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