団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

歴代最高年齢で当選したアメリカ大統領

2016年11月10日 | Weblog

  CNNのアメリカ大統領選挙速報を観ながらうたた寝してしまった。夢をみた。私が運転する車のフロントガラスに老人男性が飛び込んできてガラスを破った。その瞬間目が覚めた。しばらく夢か現実か迷い、心臓の鼓動が速かった。テレビの画面は、いまだに競り合う展開が映っていた。

  私が夢の中で見たガラスを破って飛び込んできた老人の顔が判明した。5日の日曜日に映画トム・ハンクス主演の『インフェルノ』を妻と観に行った。帰りの車の中での妻との映画談義は好きだ。人によってこんなにも観方感じ方が違うといつも感じる。どんなに話してもあきない。そんな会話を後ろについていた車のけたたましいクラクションで止められた。車は有料道路のトンネルを走っていた。速度制限は50キロ。私の車は50キロを少しオーバーして走っていた。私の前にはモミジマークを貼った車がゆっくり走っていた。もちろん追い越し禁止の黄色い分離線が続く。トンネルの中のクラクションは反響してけたたましい。トンネルを抜けて明るい陽ざしの中に出た。後ろの車の運転手がどんな人なのか見ようとバックミラーを覗いた。顔は見えなかった。車は女性に人気があるダイハツの軽自動車ラパンという軽自動車だった。

  またトンネル。前の車は確かにゆっくりだ。しかし制限速度である。再びクラクションが鳴り響く。東京方面への反対車線は渋滞している。後ろの車の運転手は狂ったようにクラクションを鳴らす。トンネルを出た。明るくなると後続車は車間距離をとった。有料道路を出て4車線の広い道路に入った。後ろのラパンがエンジン音を上げて右折レーンにレーサーのように移動。交差点で右折しなかった。顔を見た。老人。私と同じくらいか年上。老けてみえるが何だか様子が変。交差点を過ぎると急に車線を左に変え、すぐまた右車線に蛇行するように追い抜いて行った。老人の顔はしっかり残った。

  老人による交通事故が絶えない。老人が生き残り、子どもや若者が犠牲になる事故が多い。これからという若者、もう余命いくばくもない老人。少子化少子化と大騒ぎしても、老人が追い打ちをかけるように少ない若者の命を奪う。

  そういう私も69歳。体のあちこちに不具合が生じてきている。脳の衰えも実感している。遠乗りはやめた。夜間や雨降りの日の運転はできるだけしないように心掛けている。出かけるときは歩いて駅へ行って、電車を使うようにする。運転免許証の自主返納も視野に入れている。

  後味の悪い夢を見た後もCNNを観続けた。午後4時半すぎにやっと第45代アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が当確と報道された。彼の当選は「番狂わせ」「誤算」「予想外」と大騒ぎになった。私の気をひいたのは「歴代大統領の中で最高齢」である。トランプ氏の顔がテレビ画面にアップになった。特徴的な顔である。とても70歳には見えない。大富豪だそうだが、相当な金額を健康維持にかけているのだろう。

  一瞬、トランプ氏の顔とラパンを狂ったようにクラクションを鳴らしながら暴走していた老人の顔が重なった。友人が「世の中はこうなったら困るという方へ進む」と言った。そうでないことを祈りたい。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする