団塊的“It's me”

喜寿老(きじゅろう77歳)の道草随筆 月・水・金の週と火・木の週交互に投稿。土日祭日休み

金メダルと虫

2016年08月22日 | Weblog

  ネットで何かニュースはあるかなと探していた。『豊かな家ほど虫も豊富・・・』に目をひかれた。何、これ!と思ってクリックしてページを開いた。

 ナショナルジオグラフィック日本版の配信だ。記事:8月2日付けの科学誌「バイオロジーレター」で発表された米カルフォルニア科学アカデミーの博士研究員で昆虫学者のミー・レオン氏らの研究で、裕福な家にはそうでない家よりもたくさんの種類の節足動物、すなわち昆虫やクモなどがいることが明らかになった。家の大きさを考慮しても、裕福な家では平均100種類、あまり裕福でない家では50種類の節足動物が見つかるという。

 読んで何だか嬉しくなった。日頃私たちはなぜ我が家にはこれほど虫が多いのかと嘆いている。クモ、ゴキブリ、ムカデ、時々蚊・・・。まだしかと自分の目で確かめて見たことはないが、たぶんダニ。小さすぎて見ることができない。昨日も夫婦そろって腹部を噛まれ赤いボッチが痒くてたまらない。(写真参照)妻は10センチもあるムカデがリビングの床を這っていれば、ものすごい叫び声をあげる。そして退治するよう私を呼ぶ。そして「いったいどこから入ってきたの。どうやって入れるの?ちゃんと戸締りしているのに」と私を見る。待ってほしい。ムカデを家に入れたのは私ではない。とにかく虫は賢い。私たちの上をいっていると思う。最近、やっと我が家では見かけないが、ゴキブリなんぞが歩き回っていれば、妻は気絶寸前。とにかく彼女は虫が大の苦手である。そんな妻の影響もあって私は家の中に虫がいるのは、家の管理が悪いのかと自分を責めたりしていた。積極的に虫を退治して家を虫のいないようにしようと努力している。つまり虫が多く生息するのはダメな恥ずかしいことと捉えていた。

 豊かな家という言葉に気持ちが魅かれる。どうしても虫と豊かな家が結びつかない。虫が多い家=不潔で汚い家のイメージが強い。でも“虫が豊富”は、現実がそうなので認める。物は考えようだ。虫がたくさんいる我が家は豊かな家なのだ。金持ちである必要はない。こう思うと嬉しくなってくるから不思議。

 リオのオリンピックも今日閉幕する。オリンピックには実に多くの競技種目がある。人種、国によって得意、不得意や向き不向きがある。豊かな家ほど虫が多い、に似ている。今朝のバスケットボール男子決勝戦でアメリカとセルビアが対戦した。アメリカの選手はほとんどがアフリカ系黒人選手、セルビアはスラブ系の白人選手だけ。試合はアメリカが圧倒勝利して金メダル。おそらくアメリカの選手はほとんどがプロで活躍しているだろう。年収もびっくりするぐらい高いに違いない。セルビアには3年間暮らした。実情を知っている。セルビアの選手全員の年収を合わせても一人のアメリカ人選手の年収にも及ばないと想像する。それ程アメリカは豊かだ。しかし貧しい国や小さな国の選手が困難を乗り越えて世界の頂点を目指し、オリンピックで金メダルを手に入れる人もいる。そんな選手の活躍を観ていると私は痛快で爽快になる。

 世界に多くの異なる人種と文化が存在する。だれもが豊かさを求めている。その豊かさの定義は、それぞれ異なる。それを私はナショナルジオグラフィックの記事と今度のリオのオリンピックから学んだ。


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