備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

会期中の食レポ(築地)

2018-06-29 12:44:17 | 料理・食材


個展会期中の食事情を公開する需要の有無はさておき、まぁ、個人的な恒例でありますので。


初日は金曜日。早目に到着して銀座を通り抜けて京橋へGO~~。
東京生活のスイッチを入れるのは、朝の蕎麦が定番。
いつも行くお店の支店へ。鰹節問屋さんが経営しているので、東京の出汁を体に沁み込ませます。濃い……。

なんて事ないけど、これが「さぁ、頑張ろう」スイッチ。
旅情に欠ける都会にあっての郷愁と言うべき味なのだな。たぶん。

ご飯を頼むと、必ずセットでくる削り節の粉末。問屋さんならではのサービス。お持ち帰り禁止です。

生玉子も同時に注文する。

これをこう……

……しちゃうよねぇ。

朝から大満足。


さて、初日が終わってお気に入りの寿司屋さんへ。ちょっと摘んで吞もう。
『酒器の勉強(修学旅行編)』の始まり。

まずは『赤貝の酢のもの』。ビールもそこそこに日本酒へ切り替える。

マルサルボウじゃなくて、ちゃんと赤貝。ヒモも入っていて良いねぇ。コリコリと甘味が広がる。

黒板の『本日のカマ焼き』を訊くと「カンパチ!」との事。
オーダーすると店の奥から「無くなったからキンメになるよ! 頭? カマ?」との声。
「いや…むしろ、それが良いです」
目玉気分でなかったので「ワタシ、カマです」……なにかのカミングアウトかよ。

手のひらサイズのカワイイのが2尾分出てくる。
「わぁっ、小っちぇえ~~」と思ったものの、良い塩梅にて冷酒追加。

キンメダイのタイ。

体に似て、ずんぐりカワイイ。

さて、お寿司へ。
キンメダイでブリがついたので……。( ← 岡山弁、ブリ≒勢いの意)
「今日は、鯛をメインに行こう!」と決める。 
本日のメニューのうち知らないのは、ハナダイ、ヒメダイ。(ホンマにお前ら鯛か?)

ハナダイはチダイと判明。身が若干ユルいけれど甘味がある。サイズと経過時間で食感が変わるのだろうな。
ヒメダイは初見。鯛じゃないけど上品な白身。これ好き。

途中でタコを挟む。ポン酢仕立てで。生にスダチがキリッと利く。貝類も頂く。
締めは、満を持してアナゴ!
厨房への「フワフワ、一丁!」の符丁の通り、口の中で広がって解けていく。
敢えて巻き物は無しで、お勘定を。
店から出る。煮アナゴのタレの口福感を感じながら歩く。夜風が心地良い。


そして、毎度の事ながら宿泊は築地。ほぼ毎日、築地を経由して出勤する為である。

ギャラリーは11:00からなので、遅めの朝ご飯を頂きます。

鶏肉専門店で鶏雑炊……と迷ったけれど親子丼を。濃い……。
鶏ガラのスープも濃いが、あと口はサッパリと……お茶を買いました。


土曜の晩は、ディープな蕎麦屋さんで呑み。酒のラインナップが好ましい。

ラベルがカワイイ。夏はカブトムシ、冬は雪だるまだそうで……。

お通し『煮ツブ貝の冷製』で一献。これはメスですな。

テリーヌのような食感と濃密な味。スッキリとしたお酒と合わせて。

狭いお店なので、居合わせたマグロ屋女子とカジキマグロ屋女子の炸裂トークを堪能しました。
漫才師か? ただの酔っ払いか。

締めは、『辛味大根の蕎麦』

この店は、味のキレが良い。多分、かえしが良いんだろうな。麺も好ましいし。
「こんなに大根要らないよ」と思ったけれど、蕎麦につけながら頂くと丁度良い分量でした。

閉店時間に店を出る。

築地市場はすっかり静まっていて、異世界への入り口のように店舗の灯りが路地に放たれていました。
酔っ払いのマグロ屋とカジキマグロ屋の姿が、千鳥足で闇に吸い込まれて行くのをお見送り。
気のせいか、嬌声が耳の奥で小さくもリフレインしている。
コチラも酔ってるな。

「マグロ屋を信じろ」の言葉を胸にホテルへ。


さて、蕎麦については店舗が多いので、また別にアップするとして今回はここまで。


上京する度に、お気に入りの店が出来るのも良いし、新規開拓も楽しい。
まぁ、食欲物欲に堕ちると危険な街だわ。


今は拙宅にて、ご近所さんから頂いた野菜にホッとしているところであります。

そして、日常の『酒器の勉強』へユルユルと。

これもまた良し。









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