備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

春の芹

2013-04-11 19:47:16 | 料理・食材


新年度がスタートしたので地区総代もボチボチお役御免が近づいてきた。思えば知らない事ばかりで(いや、今もそんなに変わってないんだけど)「前例に倣う」という慣習に則り、無事に終了しそうです。
今日はおそらく最後になるであろう総会の委任状配りをしました。

そのうちの一軒は、小生と同じくアイターンの方。「やぁやぁ久しぶり」と立ち話。帰りがけに「芹いる?」と訊かれて「はい」と即答。見れば田圃の片隅でガッツリと繁茂している。
遠慮なく大量に頂きました。まぁまぁ太くなってきているけれど全く問題ない。


さて、何にするか。
芹は、和風のおひたしだけでなく中華料理でも美味しい。
中華料理では葉物を茹でる時に、油を入れたお湯を使う事がある。見かけの綺麗さもあるけれど味わいにも関わる。

今日はそれですな。

脂(油)を加える事で、舌上に味が残りつつ、鼻腔を香りが抜けるという効果が生まれる。肝心なのは、何をどれだけ……である。
冷蔵庫を見繕うと、ミンチさんが御在宅。冷凍庫の鶏ガラと共にシンプルな肉団子スープに仕立てる。最後に芹を大量に投入~~。
鮮やかな色になったらOK。余熱でも火が通るので、あとは素早く頂くべし……である。


大量である。……で、

いささか芹の量が多かった。(いや、気付いてたけど)。
鍋蓋を開けると香菜(ツァンサイ)の如く、むせ返るような香りが。う~~む、料理屋なら別鍋で仕上げるパターンだったのかも知れないな。既に時遅し。
「これもまた春」という解釈で、美味しく頂きました。


「香り」と言えば聞こえが良いけれど、多すぎるとアクである。量が肝心。まぁ、今回は単純に野菜の量であったけれど。

他の山菜でも美味しく頂く為には、どこまでアクを抜くか? どこまで下処理するか? が大事。
アクを消しすぎると野趣に欠ける。いつも悩ましい。

特に蕨(ワラビ)は注意。
重曹は簡単だけれども、量と時間を間違えると歯応えが柔らかくなりすぎる。茹で過ぎた場合は、もう包丁でトロトロに叩いて三杯酢で。これはこれで好き。
幸いにも、小生はやきもん屋であるので灰があるので、毎年これが大活躍する。結局のところ「昔ながらの方法が確実」という結論を毎年感じて春が終わるという次第。
それでも茹で過ぎる事があるけれど。

筍の場合は田舎の立地として簡単。
鍋を火に掛けてから取りに行く位が良い。掘って、即、処理すると面倒な事にならない。
ただし、コイン精米機の米ぬか(無料)がこの時期だけ密かに奪い合いになる。毎年、筍が出てきてから「あっ、そういえば」という段取りなので苦労する。
淡竹(ハチク)なら問題ないんだけどねぇ。


さてさて、山菜の成長と共に散歩に出かける距離が長くなってきました。
番犬福助クンにとってはラッキーな時期です。


すっかり陽も暮れて、ゆるゆるとやっていますが、やはり春は日本酒ですなぁ。








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