ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

慰霊の日に

2014-06-27 15:18:14 | 日記

                      喜屋武岬-慰霊の日に-



                   雨は
                   7月まで降り
                   豪雨で
                   
                   道は
                   泥水で
                   逃げ惑う人の
                   腰まであったそうだ


                   もんぺの
                   少女は
                   月の
                   露も
                   なく


                   泥水の中をかき分け
                   かき分け
                   南に向かったそうだ


                   南に向かう途中の十字路で
                   兵士や住民の泥を吸った
                   膨れたお腹を
                   知らずに踏みながら
                   逃げたそうだ


                   もんぺの少女は
                   南の突端につき
                   押し寄せる
                   金髪の青い眼の兵士に
                   追いつめられ
                   疲れ果て泥にまみれた兵士に
                   壕を追われ

                   
                   
                   救われない思いの
                   泥だらけの
                   絣のもんぺの少女は
                   灰色の海に飛び込もうと


                   おかあさんと
                   言いながら


                   海の水の中ではなく
                   海岸の岩の波に
                   吸い込まれたそうだ



                   岬の花は
                   だから
                   白ではなく
                   赤い
                   花


                   仏桑花
                   
 


                  
                   
               

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